マガジンのカバー画像

小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

209
『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運…
運営しているクリエイター

#小泉太良

EP08 幸せへの交響曲(シンフォニー)6

「……なルほドな……」  陽色の球体を見上げ、ゼロがぽつりと呟く。  それは彼の思う結末…

EP08 幸せへの交響曲(シンフォニー)5

『大丈夫……大丈夫だよ。サロス、あたしは……サロスのことーー』  ずっとそうだ……あいつ…

EP08 幸せへの交響曲(シンフォニー)3

「太陽の申シ子は……既ニこチらノ手ノ中ニ落ちタ……残るハ月ノ申シ子だったガ……まさカそチ…

EP08 幸せへの交響曲(シンフォニー)1

 翌朝、コニスに連れられて一行はサロスを救うため、そしてシュバルツを止める為とある場所へ…

EP07 表と裏の対舞曲(コントルダンス)12

「イアードさん……っつ」  消え去ったイアードを見送ると空白の時間が生まれていく。  突…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)05

「そぉら、行くゾォ!!」  バネのように、地面を蹴り飛ばしアーフィが二人へと急接近する。…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)03

 盗賊のような者達の襲撃を受け自分たちの身に起きた不思議な力の発露に対してまだ受け止め切れない二人はそれでも情報を得るために歩みを進める。  その道中では何も起きることはなかった。  目に入る景色はこれまでとは別物で自分たちが一体どこにいるのか現段階では検討も付かない。    しばらくの後、二人は小さな集落のような場所へとたどり着く。  ポツリと幾つかの建造物が立っているがその建築方法などは想像できないものばかりだった。 「村……?」 「のようだね……入ってみよう。サロス

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)02

「コニス……さんがいた場所と僕等がいた場所が同じかどうかはわからないけれど……とにかく、…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)01

「ヒナタ! おっかわりぃー!!」 「はいはい」  空になった皿を元気よく掲げるサロスを見…

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)07

 絶望的な状況のなかでヤチヨの脳裏にサロスの姿がよぎる。  いつだって自分がピンチの時に…

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)06

「具合はどう?」 「うん。もう、大丈夫……」  時間は少し遡る。ソフィがコニスを追い、天…

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)03

「ソフィどうぞ」 「えっ!? あっ、ありがとう」 「?」  コニスがことんと控えめに目の前…

EP 04 満腹の間奏曲(インテルメッツォ)04

「その様子じゃヒナタ、あなた座学は真面目に受けていなかったようね」 「……」 「そんなとこ…

EP 04 満腹の間奏曲(インテルメッツォ)03

「「「「できたわ!!(よ)」」」」  モナの演奏が一通り終わったであろうその瞬間。ほぼ同時に四人の声が重なり料理を両手いっぱいに抱えて持って現れた。 「いい匂い……です」  先ほどまで心地よい歌に聞き入っていたコニスの目の色が変わり、待ってましたとばかりにそのお腹がぐーきゅーぎゅるるとモナの演奏を引き継ぐように異なるメロディを奏で始めた。 「お待たせしてごめんなさいね。でも、あちしの……いいえ、あちしたちの最高傑作が出来上がったわ!! ねっ、ヤチヨちゃん!」 「うんっ