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『枕頭問題集』ルイス•キャロル著 | 朝日出版社

 『枕頭問題集』は文字通り、ルイス•キャロルが枕頭で解いた数學の問題ばかりを集めた一冊になる。原書は本名で書かれている。

 アリスのキャロルが数學?と思われるかもしれないが、彼は数學から言語學まで視えてたひとであった。そのキャロルの鬼才ぶりも極めて魅力的なものの、本書に限っては訳者の才能が凄まじく、キャロルが霞んで映る。個人的には、これまで読んできた中でダントツの訳者あとがきなのだ。このようなわけで、表題をキャロルの本にした。

 さて、パスカル、キャロル、津田一郎と時を経るに連れ、数學界隈は「カオスを視る」ことから「カオスで觀る」方法へと移ろってきた。カオスで觀るためには、やはり我が身もまたカオスにしておかなければならず、第一の関所はここら辺にあるに違いない。

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517字

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