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記事一覧

広重 -摺の極-:4 /あべのハルカス美術館

(承前)  《江戸近郊八景》より《玉川秋月》。  叙情と品格を同時に感じさせる名品だ。 …

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宮城・丸森「うるう日」さんぽ :2 猫神さまの碑

(承前)  宮城県丸森町の主な観光資源は、長らく「阿武隈ライン舟下り」「齋理屋敷」の2本…

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MOTコレクション「歩く、赴く、移動する 1923→2020」:4 /東京都現代美術館

(承前)  藤牧義夫の版画作品《サイレン(火の見櫓)》(1929年)。  鉄塔や鉄橋、鉄道施…

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書の紙:3 /成田山書道美術館

(承前) ◾️雲紙、飛雲紙  伝飛鳥井雅有《八幡切》(鎌倉時代  成田山書道美術館)にみ…

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福島県立美術館のコレクション展:1

 新幹線で仙台へ向かう途中、福島に寄り道してきた。  福島駅始発の福島交通飯坂線に乗り換…

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太郎坊宮から瓦屋寺へ 秋の近江路を往く:3

(承前)  瓦屋寺では、ふしぎなご縁を感じさせる出来事があった。  御本尊が納まる須弥壇…

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倉俣史朗のデザイン ―記憶のなかの小宇宙:3/世田谷美術館

(承前)  3脚の《ミス・ブランチ》を取り囲むように、色つきのアクリルを用いた作品が並んでいた。  倉俣といえば、この種の作を思い浮かべる人も多いと思う。蛍光に近い色合いでポップな印象もあるが、ふしぎと、どぎつさはない。そっと、ただそこにあり、周囲をぽっと明るくする。  上の小瓶の数々は、イッセイミヤケの香水瓶の試作品。倉俣は盟友・三宅一生のショップデザインを何度も手がけている。  試作のまま倉俣は逝去してしまったが、2008年に「L’EAU D’ISSEY EDITI

速水御舟のねこ・ネコ・猫

 今年の春に相次いで催された、茨城県近代美術館「速水御舟展」と山種美術館「小林古径と速水…

【猫】この子の三つのお祝いに さとるの誕生日

 キジシロ・雄の猫「さとる」がやってきたのは、昨年9月11日のことだった。  元・保護猫の…

美をつくし―大阪市立美術館コレクション:2 /サントリー美術館

(承前)  大阪市立美術館の収蔵品は、他の公立館のそれとはやや異なる趣をもっている。  …

宮城県美術館のコレクション展示:1

 笠間から水戸線で小山へ。  稲刈りを終えた田んぼ、遠くに筑波山のふたこぶを望む夕景のな…

足立荒川自転車疾走

 レンタサイクルをかっ飛ばして、足立区内の2館をまわってきた。  最初の目的地は、千住大…

没後80年記念 竹内栖鳳:番外編 班猫チャレンジ /山種美術館

 本日は、11月29日で「いい肉」の日。お肉屋さんやスーパーの精肉売り場は、書き入れ時だろう…

没後80年記念 竹内栖鳳:1 /山種美術館

 「動物を描けばその体臭までも表す」とされた、竹内栖鳳。  このコピーを代表作《班猫(はんびょう)》の写真とともにデデンと掲げるデザインを、本展にかぎらず、これまでに何度か見かけた覚えがある。  そのたびにわたしは、  「なんという説得力! きっと、誰もがうなづいてしまうのでは」  などと思っていた。つい数か月前までは……  現在、わたしは猫との共同生活を送っている。日々の暮らしと猫吸いをとおして、猫という生き物にさしたる体臭のないことを身をもって知ってしまったのだ。  そ