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職人という職業がなくなったときに起こりそうなこと

先日の記事で、飲食業界における長い修行はもはや必要なくなってきていると書きました。

私はそのときふと、職人という存在にも疑問を持ったんですよね。


「職人」とは、熟練した技をもつ人のこと。「熟練」とは、長年にわたって修行を積んだ人のことを指します。

しかしすでに、料理の世界に修行はほとんど不要だとも言われる時代です。

だとすると、従来のような長い期間雇われのまま技を磨くような料理職人はいなくなるか、職人の定義を改めないといけないのかもしれません。


ちなみに先日、こんな本を読みました。

たしかにこれを読むと、いま必要とされるのは緻密な職人仕事よりも、アイディアを生み出したり、自店の魅力をアピールするスキルなんじゃないかという気にさせられます。

技術職に携わる以上、生涯にわたって学びをやめない姿勢は大事だと思います。

一方でわざわざ苦労して職人になる必要はないかなって思う人は、今後ますます増えていきそうです。


では仮に、いわゆる従来までの職人という職業が飲食業界からなくなると、一体どういうことが起きるのでしょうか。

職人の夫を持つ私なりに予測してみたいと思います。



職人という職業がなくなることにメリットがあるとすれば

まずは職人という職業がなくなり、職歴の長短に関わらず一律でみんながいち「料理人」という枠組みに入ったら、どんな影響が出るのかについて考えてみたいと思います。

良い面に光を当てるとするなら、ひとつはなんといっても若手にチャンスが広がることです。


一般的に料理人志望で飲食店に入ると、まずは掃除や皿洗いなどの雑用から始まります。

そこから徐々に仕込みの手伝いをさせてもらって、包丁を握らせてもらい、まかないを作らせてもらえるようになる。

お客さまに提供する料理を作れるようになるには数年ほどかかるお店もあるわけです。


ところが職人という枠がなくなった世界では、若手でもすぐに包丁を握って料理をつくらせてもらうことができます。当然ながら技術の習得も早くなる。

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