たそがれ|怪談|不思議

不思議な話、ちょっと怖い話。 今思うとあれは何だったんだろう・・・?という記憶はないで…

たそがれ|怪談|不思議

不思議な話、ちょっと怖い話。 今思うとあれは何だったんだろう・・・?という記憶はないですか? そんなのが好きで色々書いてます。

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自己紹介

はじめまして。たそがれと申します。 少し怖い話、不思議な話、そんなのが好きでこのNoteを始めてみました。 いわゆる心霊的な事にはさほど興味はありません。 純粋にストーリーテリングとしての怖い話に心惹かれるという感じです。 友人や知人から聞いた話など、少しずつ書いていければと思います。 よろしくお願いいたします。 また、数は少ないのですが私自身の実体験談もあります。 お時間あればご覧頂ければと。

    • 最後の写真 【30秒で読める怪談】

      40代Cさんの話。 Cさんのお父さんは数年前に亡くなっており、今は母親と二人暮らし。 お母さんは体が丈夫で、ほとんど医者にかかった事がないのが自慢だった。だが、半年前の検診で癌が見つかった。 少しまえから体調の変化を訴えていて、Cさんは病院へ行ったらと勧めていたのだが、もともと医者に通う習慣が無かったことが災いし発見が遅れた。 入院してからは検査と投薬の日々。 独身だったCさんは足しげく病院に通い、担当の先生の説明に耳を傾けた。 レントゲン写真を見せられ、癌の進行を告げ

      • 修学旅行 【30秒で読める怪談】

        Kさんが高校の頃、修学旅行での話。 京都の有名な寺社仏閣を巡る、二泊三日の旅程だったそうだ。 市内をバスで移動し、目的地ではあらかじめ決めた4,5人の班で行動する。 男子校の気軽さに加えてKさんの班は普段から仲の良いメンバーが揃っていたこともあり、皆わいわいと楽しく過ごしていた。 「あ、あれ委員長じゃん?」 見るとKさんたちのクラスの委員長と数人がグループで歩いている。 するとA君が妙な事を言う。 「あのあばさん誰?」 「おばさん?」 K君は何のことか分からない。 「あ

        • うしろ姿の姉 【30秒で読める怪談】

          友人のT君が中学生の時の話。 T君にはひとつ年上のお姉さんがいた。 両親は共働きで、ふたりとも帰宅するのは19:00過ぎ。 T君とお姉さんはいわゆる鍵っ子だった。 ある日、T君が学校から帰ってくるといつも通り誰もいない。 姉は部活で忙しく、たいていT君の方が早く帰るのだ。 カバンを居間のソファに投げ置いたT君は、自分の部屋で漫画でも読もうと二階へ急いだ。 階段を上ると細い廊下があり、扉がふたつ並んでいる。 T君の部屋は奥側。手前がお姉さん。 部屋の前を通るときドアが少し

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        • 30秒で読める怪談
          5本
        • わたしの体験談
          3本

        記事

          金庫の声 【30秒で読める怪談】

          仕事の関係でとあるホテルに宿泊したHさん。 そこで運悪く火災に巻き込まれてしまった。 あの、昭和史に残る大火災というと分かる方が多いかもしれない。 上階からあがった火の手が徐々にHさんのフロアにも近づいてきていた。 廊下ではガードマンに先導され宿泊客らが非常階段へ向かっている。 Hさんも早く逃げなければと廊下を走る。 その時、どこからか「助けてー!」「開けてー!」と、叫び声が。 見ると従業員用の部屋と思われるドアがあり、中に入ってみると什器や備品が所狭しと並ぶ奥に大きな金

          金庫の声 【30秒で読める怪談】

          親切な旅行者 【30秒で読める怪談】

          Aさんのご主人が長年勤めた会社を定年退職した。 これは良い機会、と老後の楽しみに計画していた旅行に夫婦で出かけた。 旅の最中、親切な中年男性と仲良くなった。 写真の撮影役を買って出てくれた事がきっかけだった。 聞けば男性は一人旅との事。 なんと、偶然にも男性の旅程はAさん夫妻とまったく同じだという。 結局、旅行中ずっと一緒に観光地を巡り、行く先々で写真を撮ってくれた。 何度か一緒に写真を撮ろうと誘ったが、恥ずかしいので遠慮すると言う。 そして楽しい旅も最終日。Aさん夫妻は

          親切な旅行者 【30秒で読める怪談】

          隣を歩く女 【子供の頃の怖い体験】

          小学校5年生の頃の夏休みの体験です。 私は近所の歯医者に向かって歩いていました。 学校の歯科検診で虫歯が見つかり、夏休みの間に治してこいと親が予約を入れたのでした。 時刻は朝10時ごろ。 午前中とはいえ既に日差しは強く、額に汗がにじみます。 暑さと蝉の声にうんざりした私はうな垂れ、下を向いて歩いていました。 顔をつたう汗が鼻先から地面に落ちていくのが見えます。 アスファルトに落ちた汗が黒い染みになり、足跡の様に点々と連なります。 ふと視界の右側に意識が行きました。 は

          隣を歩く女 【子供の頃の怖い体験】

          肝試しの夜 【子供の頃の怖い体験】

          私が小学六年生のときの、少し怖い思い出です。 当時、私の住む町には小学生が所属する子供会があり、草野球や新年のカルタ大会、夏祭り、クリスマス会など季節ごとに様々なイベントが催されていました。 特に皆が楽しみにしていたのは八月のお盆に行われる夏祭り。 祭りは二日間の日程で一日目は地域の公園で行われます。 夕方になると焼きそばやら綿菓子やらの出店が並び、自治体の計らいで金魚すくいやヨーヨー釣りが無料でできる事もあり、毎年多くの子供が参加していました。 少し変わっているのは二

          肝試しの夜 【子供の頃の怖い体験】

          テレビの中のおにいさん 【子供の頃の怖い体験】

          幼少の頃に体験した、少し怖い思い出です。 当時、私は幼稚園の年長くらい。いまから40年以上前の事です。 いまではあまりないと思いますが、その頃は小さな子供を一人で家に置いてお母さんが買い物に行くといった事が普通にありました。 私の家でもお留守番は日常茶飯事で、その日も母が夕飯の材料の買い出しのため私を残して近所のスーパーに出掛けていきました。 もう夕方で空が赤くなり始めていて、傾き始めた陽が居間の畳に障子の影を落としていました。 会社勤めの父が帰ってくるのは19時過ぎ。

          テレビの中のおにいさん 【子供の頃の怖い体験】