【物販】企業とコラボしたい若手クリエイターへ
今日は、将来的に企業からコラボレーションの依頼がくるくらい躍進したいと思っている、駆け出しのクリエイターさんにお伝えしたいことがあります。
自分で商品を作っている方。ハンドメイド作品を販売している方。絵を描いて売っている方。ブランドを立ち上げた方。知名度を上げ、販路を広げ、いずれは企業案件をやってみたい、そんな方に読んでいただきたいです。
1|クリエイターの「営業」って難しくない?
自分の感性・スキルでやりたいことがある!自分が生み出したものを世に広めたい!そんな思いでクリエイターを目指したと思います。ただ、好きなものを作ったり描いたりしているだけではご飯は食べられず、独立後に待ち構えているのが、その完成品を「ビジネスにしていく」ということ。ただ単に「創るのが好き、描くのが好き」で終わらせずに「生業」にした(してしまった)人の苦悩がここにあります。
そんな中で企業から声をかけてもらえたり、お仕事を相談されたりしたら、とても嬉しいですよね。しかし、アーティスト気質な方は、「営業」とか「提案」とか、自分の作品・技術をどう売っていけばいいのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
クリエイターのビジネスにおいて、収益化の方法は大きく分けて3つあります。
特に③、中でも企業からの依頼は将来的に目指したい方も多いと思います。大勢の同業者の中から選んでもらえたら喜びもひとしお。誰もが知る企業とのコラボは憧れですよね。
企業コラボを目指している方に、私の経験から一つお伝えしたいことがあります。それは「お仕事をもらう立場だからと、相手に迎合しすぎないでほしい。」ということ。私がそう感じるようになったエピソードをご紹介します。
2|どうしたら、声をかけられる人になれるの?
私はそこそこ大きな小売店の運営を経験する中で、多種多様な商品を仕入れてきましたし、オリジナル商品の開発も行いました。若手クリエイターさんをフィーチャーしたイベントを行ったり、限定商品の制作を頼んだり、デザインを依頼したり、様々な方に声をかけさせていただきました。
毎回、オリジナリティーあふれる商品を並べることができたり、目をひくパッケージをつくっていただいたり、お店に個性豊かな彩りが加わってとても感謝しています。
さて、企業側はどんな方に声をかけるのか。気になるところではあると思うのですが、それはその方の「個性」が魅力的に見えるかどうか、に尽きるかなと思っています。
お一人お一人が作り出す世界観が、自分たちのカラーと合うのか。そして、新しいスパイスをくれそうか。そんなことを考えながら、「この方とお仕事してみたい」と思う方に声をかけさせていただきます。
この、「新しいスパイスをくれそうか」というところがポイントで、その方の「個性」が、私たちだけでは越えられないラインを突き破る役割を担ってくれるのではないか、ということを期待しているのです。
3|企業からの依頼に自分の個性を出していいの?
例えば、あなたは「こんな商品ができますか?」「こんなことができますか?」と相談されたとき、どんなことを思いますか?
「依頼者が好みそうな提案にすれば、受注できる確率が上がるはず!」
そのような思いで、一生懸命相手の言っていることに合わせて提案書を作っている方がいたら、振り返ってもらいたいのは、そこにあなたの「個性=世界感」は残っていますか?ということ。
昔ある方に、依頼内容に対する提案書をいただくも、残念に思ったことがあります。なぜなら、私達のためを思って、依頼された内容に沿うアイディアをまとめてくれたのは伝わってきたのですが、言ってみれば迎合しすぎててその方の良さ=個性がすっかり消えてしまっていたからです。これは依頼であって、作品発表の場ではないので、こちらの意向を完全無視するようなことは避けてほしいところですが、もう少しご自身の個性で嚙み砕いて昇華させてほしかったのが本音です。それだけ、その方のユニークな作風に魅力を感じていたのです。
世界観のあるクリエイターさんに対して、いち作業者になってもらうために依頼しているのではありません。まだ駆け出しの方は、自分で自分のものを売るのはいいけれど、依頼だと「企業」と「自分」のポジションが同等ではないのではないか、と謙遜してしまう方もいるかもしれませんが、なぜ自分に話が来たのかということを考え、ご自身の魅力的な世界観に自信をもって、その個性をぶつけていただきたい。そんな風に思っています。
4|まだ世界観がないときはどうすればいいの?
まずは、魅力的に思ってもらえる唯一無二の個性を磨くこと。様々なパターンで創作されている方は、これだ!と思える作風を一つに絞って固定させ、いくつかのストックを作ってみてください。そうすることで、次第とあなただけの世界観ができあがってくると思います。
加えて、作ったものを発信し続けること。世界観は壊さず、並べるものは同じトーンになるように。
そして将来、あなたのその個性に惹かれてお声をかけてくれる方が現れたなら、ぜひ自分の世界観を保ちながら提案書をまとめてみてくださいね。