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ゲームセンターでの思い出を保存する
ゲームセンター
縁がある人はとことんある場所だし、縁が無い人はほとんど関わりがない場所でもある。
私にとっては思い出の詰まった場所。
私は小さい頃から親と一緒にゲームセンターで遊ぶことが多かった。
買い物が嫌いで、親の買い物が長引くと機嫌が悪くなった厄介な幼少期の自分。
親は買い物の最後にスーパーの片隅にあるゲームセンターへ私を連れていくことで機嫌をとり、なんとか買い物を済ませていた。
ゲーセンに着くと100円を手渡され、コインゲームのメダル交換所へ。
100円で交換できるコインの量はたかが知れているけれど、子供の自分にとっては十分な量。
「今日はどのゲームで遊ぼうかな」
金魚すくいや射的のコインゲームでハラハラドキドキ。
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そんな時、大学生くらいの年齢の男の子たちに囲まれて
「お嬢ちゃん、お兄ちゃんたちにコイン分けてくれない?」
と声をかけられる。
今思えばカツアゲだ。
ただ、幼い自分はカツアゲされていることに気付かず
「そこにいるお母さんに聞いてから、お兄ちゃんたちにあげるね!」
と母親を呼びに行った。
顔を真っ青にしたお兄さんたちは、走って逃げていく。
母親が「コラー!あんたら!」と怒りながら、カツアゲ軍団を追いかけていた。
母、強し。
そんな思い出も含めて、ゲーセンはとても楽しい場所だった。
小学生になると『オシャレ魔女ラブandベリー』にハマる。
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母親も着せ替えゲームが大好き。
私の遊ぶゲーム画面を見ているのが楽しいようで、積極的に遊ばせてくれた。
父親は父親で『三国志大戦』というカードゲームにハマっており、カードゲームには理解があった。
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そして大学生になる。
すると大学のすぐ近くにゲームセンターが…
やることは一つ。
大学終わりにゲームセンター
空きコマにゲームセンター
『ガンスリンガーストラトス』
『コードオブジョーカー』
これらのオンライン対戦ゲームに夢中だった。
大会に出るため、友人たちと1日中練習したり
ゲームオタクにとっての青春だった。
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そういったオンラインゲームやコインゲームのフロアでは常連のプレイヤー同士が交流し活気はあるものの、
『一見さんお断り』かのような、近寄りがたい独特な雰囲気が漂う。
でもそんなゲームセンター特有の、アンダーグラウンドな雰囲気も好きだ。
今となっては『ラブandベリー』『ガンスリンガーストラトス』
父親が愛した『三国志大戦』
全てなくなってしまった。
それどころかゲームセンター自体失われていく。
九龍城やサイバーパンクの雰囲気が大好きな自分の聖地であるゲームセンター
『ウェアハウス川崎店 電脳九龍城』
も2019年に閉店してしまった。
ゲームセンターの文化は失われてゆくのだろうか。
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少し前に夫とゲームセンターに行った。
久しぶりのゲームセンターは、海外の観光客がほとんどで観光スポットと化していた。
オンラインゲームの種類も減り、UFOキャッチャーがメインとなりつつあるゲームセンター。
「なんだか自分の知っているゲームセンターと雰囲気が変わってしまったなぁ」なんて思った。
そんな中で見慣れた筐体が目に入る
『ハウス・オブ・ザ・デッド ~SCARLET DAWN~』
ワラワラ湧き出るゾンビを、銃で倒していく爽快感のあるシューティングゲームだ。
夫と2人でゾンビをなぎ倒す。
すると筐体の外では海外観光客のギャラリーができていて、盛り上がっていた。
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ゲームが終わって周りを見渡すと、目を輝かせながら『電車でGO』を遊ぶ幼い海外観光客の姿。
『ストリートファイター6』の対戦に熱中する海外格闘ゲーマーたち。
客層や雰囲気は変わったかもしれないけど、みんな楽しそうに遊んでて素敵な空間じゃないか。
そういえば自分は懐古厨(昔は良かったと嘆く人間)だったな…
そうは思いつつも、あの頃のゲーセンはもう見れないのかという寂しい気持ちもあった。
よく知っている場所なのに、自分の居場所ではなくなってしまったような感覚だった。
ゲーセンの変わってない部分と変わってしまった部分を見てごちゃまぜになった感情を、なんて表せばいいんだろう。
そもそもこの先の未来にゲーセンは存在し続けるのだろうか…
この感情もゲームセンターがなくなると、失われてしまいそうな気がして。
忘れっぽい自分がどうにか忘れないように、この気持ちを言葉にして保存しなきゃと思った。
そんなことを思った後、スーパーの片隅にある寂れたゲームコーナーを見つけた。
100円を取り出さずにはいられなかった。
ゲーセンは行けるうちに行こう。