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文字からまち歩きの楽しみ方、再発見!“都農町よき文字”を訪ねて。

私が現在、まちづくりのお仕事で関わっている、人口1万人の小さなまち「宮崎県都農(つの)町」。足を運ぶうちに、いくつか、都農町のお気に入りを見つけました。

そのうちのひとつが、まちに溢れる文字たちです。

賑やかな観光地ではない都農町。古い建物や看板が残っていたりと、昔からの生活の営みが至る所に感じられ、どこか懐かしい気持ちになります。そんな、まちにちらばる「文字」たちから、新しいまちの楽しみ方を見つける取り組みを、はじめました。

“よき文字”と出会う。


町を歩いていると、思わずカメラを構えたくなる、どこか惹きつけられる文字たちを見つけることがあります。

これは、都農町の商店街のとあるお店の側面にあった文字。

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ちょっぴり癖が強くて、レトロな雰囲気を纏う文字。

店主のこだわりや、看板を作る人たちの思いが、なんとなく伝わってくる気がするのです。

いつからか、まち歩きをするときにこんな個性派な書体を探すのが日課になっていました。そんなときに出会ったのが、こちらの本。

ブックデザイナーの松村大輔さん(@cadono)が書かれた「まちの文字図鑑シリーズ ヨキカナカタカナ」まちなかに溢れる個性豊かなカタカナを切り取って、アーカイブしている一冊です(他にもひらがなシリーズなどもあります)。

松村さんはデジタルフォントで作られた看板ができる前からある、お店の職人さんが手作りした「とても表情豊かで個性的な文字」を「よき文字」と表現されています。

ひらがななら「よきかな」、カタカナなら「ヨキカナ」総称して「よき文字」だそう。

なるほど!確かに、“よき文字”だ!

どこか頭の片隅に残ったり、お店や職人さんのこだわりを感じたり、オンリーワンな文字たちは、まさしく“よき文字”。とってもしっくり来る呼び名に、わたしもその日から、松村さんの言葉を借りて“よき文字”ハンター(自称)として活動することに(笑)

都農町のまちを、注意深く観察してみると・・?


まるっこくも繊細に表現される「ぶんめいどー」。
伸ばし棒が粋です。
3時のおやつはぶんめいどーと口ずさみたくなります。

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クィーーーーン!となっているクィーン美容室。
躍動感たっぷり。効果音を付けたくなります。
クレオパトラ的ロゴも気になる。

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空を見上げてふと気づいた、「 町.54-1 」。
なんだか、素朴。

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見慣れたまちにも、たくさんの“よき文字”たちが生息していることに気がつきます。

デジタル化された今の時代にはもう作られていない、個性派書体。店主や職人の想いが宿る手作りの“よき文字”には、まちの歴史とストーリーが詰まっています。

「なんだか愛らしい文字だなぁ」
「どうしてこの文字にしたんだろう?」

ひとつの文字から、都農町の過去に思いを馳せたり、興味をもってみる。

まちの看板やサイン、電柱。いつも通り過ぎてしまう場所も、注意深く観察してみると、世界に一つだけのこだわりの文字に出会えるかも。

そんな文字たちを、都農町の若者からお年寄りまで。地元の人たちと一緒に見つけていきたいな、と考えています。

皆さんも、もし都農町にお越しの際に、“よき文字”を見つけたら、『 #都農町よき文字 』で教えてくださいね!

文字からまち歩きの楽しみ方を、再発見です。


最後に。

街の魅力を色々な角度から見つけるにはどうすればいいだろう?考えた時、"文字"から街の物語や歴史を知るのは、昔ながらの景色が残るこの街に、ピッタリではないか、と思ったのがはじまりでした。

名もなき個性派な文字たちに、"よき文字"という素敵な名前を授けた松村さんのことは、前から存じ上げていたため、#よき文字 をまちづくりに活用させていただけないか、と、ご連絡をしました。

すると、図々しいお願いにも関わらず(涙)すぐに快くOKのお返事をいただき、都農町のことをネットで調べて、早速商店街にあるよき文字を発見してくださったりと・・・本当に温かいメッセージをいただきました。

ぜひコロナが落ち着いたら、松村さんや街のみんなと一緒に、よき文字の宝探しができたら、いいなぁ、なんて思っています。松村さん、本当にありがとうございました。都農町のよき文字、たくさん発見していきます!


<お知らせ>

都農町の小さな小さな"文明開化"を見守るローカルメディア「BUNMEI」を立ち上げました。

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concept
知っているようで、知らなかったこのまちの良いところ。
美味しいもの、豊かな自然、温かい人たち。
「都農のここがいいよね」とちょっと誇らしくなったり、遠く離れた人に、少しでもこの小さなまちのことを知ってほしい。そんな思いで、都農町のローカルメディア「BUNMEI」は誕生しました。

食/教育/地方のブランディング
などを大きなテーマに据えて、新たに芽吹く、新しい文化のつぼみを育てる。

都農に住まう私たちが、暮らしの中で見つけた、“ちょっといいコトやモノ”まちの人たちと共に育てていく、新たなまちの魅力・・・。
小さな文化の種たちを、発信していきます。
宮崎のこの小さく温かいまちを、たくさんの人に見つけてもらえたら、
嬉しく思います。

都農町でまちづくりに取り組む、イツノマという会社のみんなで立ち上げたローカルメディアです。

正直なところ、都農町は観光地でもありませんし、旅好きの私ですら、働くまで読み方さえもわからなかった地域です。高齢化・過疎化などの問題も抱えていて、決して恵まれた「地方」ではないと思います。

それでも、多くの若いメンバーが移住をしたり、地元の高校を卒業したばかりの子が、働くことを決めてくれたりと、宮崎県の小さな街から、大きなチャレンジがはじまっているのです。

現地でまちづくりに奮闘する仲間たちをみていると、【面白い場所に人が集まるのではなく、たどり着いた場所・いまいる場所を愛して、面白くする】それが地方にとって大きなパワーと活気を生み出すのだなぁ、と実感しています。

遠く離れた人たちに、どうやって都農町を知ってもらうのが良いのか、まだまだ私たちも手探り・・・。

そんな失敗や葛藤、楽しさも含めて、等身大に、街の"リアル"を発信していければと思っていますので、温かく見守って頂けると幸いです。

<Instagram>

<ローカルメディア BUNMEI>
(イラストが可愛いくて、お気に入りです。)

少しずつ、都農町のことを紹介していけたらな、と思っています。

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kobamiho/ 小林未歩
いただいたサポートは、noteを書きながら飲む、旅先の珈琲に使わせて頂きます!