見出し画像

19. 象徴音®が生まれた理由 ー 安藤コウの音の旅

私が「音」に魅了されたのは、特に記憶に残る瞬間がきっかけだったわけではありません。しかし、音楽や日常の音がいつも私の周りにあり、その影響を無意識に受けていたのは確かです。音は単なる背景やBGMではなく、もっと深く、もっと個人的な何かだと気づいたのは、広告業界でプロモーションの仕事に携わり始めてからでした。

その頃、私は数々のブランドや企業のキャンペーンを手掛け、視覚的な要素がどれだけ強力なツールであるかを実感していました。しかし、同時に視覚に依存しすぎて、他の感覚が軽視されていることにも違和感を覚えていました。特に「音」という感覚が、ブランドの個性やメッセージを伝える上でどれほど強力であるかを、もっと理解し、活用できるのではないかという考えが、次第に私の中で芽生えてきたのです。

象徴音®のコンセプト

象徴音®というアイデアが生まれたのは、広告代理店での経験や、デザイン思考を学んだことが大きく影響しています。デザイン思考では、ユーザーの体験を中心に据え、深い洞察を得ることが求められます。このアプローチを音の世界に応用したとき、「音」が持つ感情的な力をブランドや企業のアイデンティティに結びつけることができると確信しました。

象徴音®とは、企業やブランド、そして個人が持つ「物語」を音で表現する試みです。それはサウンドロゴやBGMといった表面的なものではなく、より本質的で、より深い意味を持った音です。象徴音®を通じて、ブランドの価値観やビジョンを人々に「感じさせる」ことができる。そんな音の可能性を追求するために、このプロジェクトを立ち上げました。

インスピレーションの源

私が象徴音®の開発に向けて最も影響を受けたのは、さまざまな音の体験です。自然の中で聴く風や波の音、都市の雑踏の中に響く車や人々の足音。それらはすべて、私たちが無意識に感じ取る環境音ですが、それがその場所や状況を象徴しているとも言えます。この「象徴する音」という概念をブランドや個人に適用できるのではないかと考えたのが、象徴音®の出発点でした。

また、企業やブランドが単なる商業的な存在にとどまらず、その背後にある物語や価値観を音で表現することで、より多くの人にその魅力を伝えたいという思いがありました。象徴音®は、音を単なる機能的なツールではなく、ブランドの本質的な要素として位置づける挑戦なのです。

音の未来へ

象徴音®は、私たちスポンジ バンッ バンッの一つの象徴的なプロジェクトであり、これからも成長していくことを目指しています。音の力を最大限に引き出し、企業や個人のストーリーを伝える手段として、今後もさまざまな挑戦をしていきたいと考えています。音が持つ深い感情的な力を信じて、私たちは新しい音の未来を共に創り上げていきます。

いいなと思ったら応援しよう!