いつかのあなたと。
「入学式で見た時にさ、なんて綺麗な子なんだろうと思ったんだよね」
二杯目のサングリアを飲みながら、彼女はそう言った。
高校の卒業式から早十年。入学式からは十三年になる。
女子高時代の友人たちは皆いい意味で自由で、派閥争いやマウント合戦が繰り広げられることもなく、どのテーブルからも笑い声が絶えない。
「そうだったの?全然知らなかった。」
わざと目を伏せて、意味もなく箸の包み紙をいじる。
「ほんとだよ。ふわふわの長い髪が、天使みたいだなと思った。今はストパーかけちゃったんだ、でも