自己紹介と結婚式
今日は姉の結婚式でした。その振り返りをしながら、自己紹介をします!
1. 朝 - 過去
結婚式といっても、そんなに豪勢なものではなく、新郎新婦含め10人のこじんまりとした式だった。
春に婚約者がいると聞いてから、婚約者の方と私側の家族で2回ほど食事をした程度の関係性だったし、大学に入ってから姉との関わりはほとんど無くなっていたので、前日までどんな姿勢で結婚式に臨もうかと考えていた。
ただ、意識すべき点はあった。
それは、左脚の折れた父――事故があったのはたった6日前の金曜日――と、身体の節々の痛みに加えて認知症も進行している90歳の祖母という、車椅子に乗った2人の補助だった。
車椅子の扱いがほとんど未経験で、初めて訪れる式場という不慣れな環境の中、2人の安全を守りきることが、どう楽しむとか、なにを伝えるかとかよりも大きな、私の最優先事項だった。
朝、父と兄が乗る車が実家に到着してすぐに、父は「〜〜の紙とってきて」と少し怒鳴るように言った。父と祖母をサポートするため、色んな準備を頼まれていたのだが、それが不十分だったらしい。それほど重要な物ではないので、「妙に高圧的だな」とも思ったが、片脚を固定されたベッドで過ごす入院生活のストレスのせいだと推察できたので、二つ返事で引き受けた。
よくあることなのだが、その時の私の頭には、この図が浮かんでいた。
この世には様々な立場の人間が存在しており、日々ありとあらゆる発言が何百億、何千億と生じている。そして、その全てはポジショントークである。
これは、私の大切にしている思想の一つである。
まず、ポジショントークとは?
ポジショントークとは、自分の立場、立ち位置に由来して発言を行うことである。 転じて、自分の立場を利用して自分に有利な状況になるように行う発言のことも指すようになった。(Wikipediaより)
人は誰しも、価値観や文化、社会環境と関連づけられながら生きている。
そしてこれらは、何らかの「ポジション」に立つことにつながっている。
例えば、サラリーマンという職業に就いているだけで、「労働者である」「収入がある」「男性的な側面を関連づけられる」など色んな条件を背負いながら生きることになる。そうなると、その人の発言には、これらの条件が必ず結びついてくるのである。
このように、父も色んな人生経験を経て、思想・価値観が形成され、私との関係性を築き、あらゆる発言を生み出している。そんなことを考えていると、たいていのことは受け容れられるのである。
私たち家族は、ありふれたような家庭を築いてきた。
5つ上の兄と3つ上の姉がいて、父方の祖父母も同居していた。私が小学校を卒業するくらいまでは、『ちびまる子ちゃん』の一家のような、「すごく仲が良い訳ではないけれど、それなりに信頼関係のある家族」だったと思う。兄とゲームをしたり、姉とはテレビのチャンネル争いをしたり、家族でレストランに行ったり、旅行をしたり、どこにでもいそうな家族だったと思う。
ただ、私が中学に入った頃から、兄が京都で下宿をして、姉は高校に入り、私たち家族は「家族の一員ではない私たち」として過ごす場面が多くなった。5人それぞれ、趣味やライフスタイルも違うので、食卓はだいたい母と姉と自分の3人だった。高校生の頃は姉も大学生になり、私と姉と父それぞれが母に対して、毎日異なったタイミングで接するようになっていた。
でも、それが嬉しいわけでも寂しいわけでもなかった。
私にとって家族はそんな、大切なのかどうかよくわからない存在だった。
父もまた、その一人であった。
2. 昼 - 現在
式はとても順調に進んだ。11時に会場に到着し、荷物を置いたり、リハーサルの間に海を見ながら散策したりしている内に、式が始まる時間になった。
ガラス張りの会場に入ると、数分も経たない内に始まった。
独特の緊張感に包まれながら、司会の方の進行や神父さんの指示があった。
その中で、一番印象に残っているのが、新婦である姉の入場だった。
大きな白い扉がひらくと、緊張しながらも微笑んでこちらを向く姉がいて、なんというか、すごく綺麗だった。
ヴァージンロードを共に歩くのが車椅子の父の代わりの兄であったことは少し奇妙だったが、「自分の姉は、こんなに優しい表情を持っていたのか」と、なんとも感慨深い気持ちになった。
その後も、テレビで見たことがあるような賛美歌や誓いのキスなどがあり、その一つ一つが、二人の夫婦としての絆や、親族がそれを受け容れる心を育んでいるように思えた。誓いの言葉の意味が少しわかった気がした。
(↓こういうの)
病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
妻として愛し、敬い、
慈しむ事を誓いますか?
その後は会食があり、新郎新婦が選んだメニューを穏やかな雰囲気の中でいただいた。そして、人数が少なかったので、最後に一人一人新郎新婦にメッセージを送った。
相手方の家族は全員初対面ではあったものの、新郎さんへかける一つ一つの言葉が、じんわりと心に染みるように伝わってきた。
3. 夜 - 未来
帰り道、自分が結婚式をするなら、こんな風にしたいなあと考えていた。
1. 参加者のWorksを展示・紹介
2. 和洋中など5~10地域の料理(余ったら持ち帰れる)
3. 360°スクリーンで、待ち時間は常に思い出の映像やメッセージを流す
4. 友達の音楽家を集めて、好きな曲をカバーしてもらう
5. 衣装は和と洋、私服の3パターン
6. その場にいるあらゆる人生を祝福する
7. 参加費やご祝儀は、参加者の意思に委ねる
でも、そもそも「婚姻」という法的手続きや「結婚式」という社会的儀礼を行いたいかどうか十分検討できていないし、ただ自分がやってみたいイベント像のようにも思えてきた。
この7つを抽象化してみると、「広い範囲で多様な良さを引き出し、伝え合うこと」「誰も排除しないこと」が出てくる。
私のMissionは「常識を見つめ直し、インクルーシブで優しい世界をつくる」なので、そこが起点になっているのかなー。
そんな訳で、noteはじめました!!
同志社大学社会学部3年、NPOアイセックの広報 きのぴーです。
日頃考えていることや学んだこと、心に触れたことなどを綴ります。
関心があるのは、この辺です!
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常識を見つめ直し、インクルーシブで優しい世界をつくっていきます!
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