JRA×ポムポムプリン!意外なコラボの共通点は世代超えた推し活?
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
先日、SNSでJRA FUNのページを見ていたところ、"JRA ×ポムポムプリン&チームプリンが夢のコラボ!”というニュースがあり、びっくりしました。
以前「競走とワンカップのコラボ」について分析しましたが、サンリオキャラクターと競馬の組み合わせは意外に感じました。
≪競馬×ワンカップコラボの分析はこちら≫
今回「Knowns Biz」の億単位の消費者データを活用し、JRAとポムポムプリンのコラボの理由について分析してみたいと思います!
ポムポムプリン
ポムポムプリンはこげ茶色のベレー帽がトレードマークの、ゴールデンレトリバーののんびり屋な男のコです。
1996年にサンリオキャラクターとしてデビューし、「2023年サンリオキャラクター大賞」では第2位に入賞しています。
2023年には「ポムポムプリン」のお友だち「マフィン」「スコーン」「ベーグル」がサンリオピューロランドに初登場し、"チームプリン”と呼ばれ、SNSを中心に話題を集めています。
9月にはポムポムプリン公式Xで連載中の「チームプリン漫画」のコミックスが発売し、ますます人気を集めています。
ポムポムプリンに好感ありのデモグラ構成比をみると20代後半~50代前半が多く、特に30代の割合が高く出ています。サンリオに登場した時に幼稚園〜小学生くらいだった人が多いのでしょうか?
どのような人に選ばれる?
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は小さなことの積み重ねや自分へのちょっとしたご褒美に重きを置く"報われ待ち”に次ぎ、"自己愛強め”"完璧主義”な方が多いです。
また社会価値観は"自分より家族優先”"立場固定観念”"依存集中型”と、家族や他人を中心に考えている方が多いようです。
そして消費価値観はコミュニケーションの元になりそうなものを買う"ネタ消費"と"お得感重視消費”が高いことから、気に入ったものや面白いモノをよりお得に購入したい傾向がありそうです。
ぷりんぷりんけいば
今回のJRAとポムポムプリンによる限定WEBコンテンツ「ぷりんぷりんけいば」では、ポムポムプリンやチームプリンと一緒に競馬にまつわる様々なコンテンツが楽しめます。
・ポムポムプリンとけいばチャレンジ!
パドックからレースに出走する馬を選び、競馬体験ができます。馬によってスピードやスタミナも違い、コース解説に合わせて連打やタップをして遊びます。
・ポムポムプリンのけいばおしりとり
ポムポムプリンと一緒に競馬用語でしりとりで競うゲームです。
・JRAぷりんぷりん大レース
チームプリンたちの全力レース映像を観て結果を予想する参加型の映像コンテンツです。
東京競馬場ではポムポムプリンと会えるグリーティングイベントや、フォトスポットも登場しています。
また原宿の「ポムポムプリンカフェ」でも期間限定のオリジナルコラボメニューを提供しているそうです。競馬ファンだけでなく、ポムポムプリンファンも楽しめるコラボとなっています。
JRA FUNと東京競馬場
JRA FUNとは
JRA公式エンタメサイト「JRA FUN」は、初心者から競馬ファンまで楽しめるJRAの公式競馬エンタメ情報サイトです。レースだけでなく、競馬場で開催されているイベント情報、各種キャンペーンなどが紹介されています。
JRA FUN公式サイトでは自身の競馬レベルに合わせて自分に合ったコンテンツを紹介してくれるので、これから競馬をやってみたい人からファンの方まで楽しめるようになっています。
JRAに好感がある層のデモグラ構成比を性別と年齢でみると男性は30代~50代前半が多く、女性は20代後半〜40代前半の割合が高く出ています。
今回のポムポムプリンとのコラボは東京競馬場でオフラインイベントも行っているので、「東京競馬場利用者」についてもさらに細かく見ていきます。
東京競馬場利用者
東京競馬場利用者のデモグラ構成比をみると30代前半~50代前半が多く出ています。
また既婚・未婚では未婚が多いですが、既婚者の割合も少なくはなく、子供の人数でみると2人お子さんがいる方が多いようです。
「東京競馬場」の7Journeyを見てみると、認知率は低いものの離反が1.0%と低く、一定のファンがついているのでしょうか。
また"きっかけ待ち”や"チャンス”の率が高いので、潜在顧客が多いことがわかります。
東京競馬場はどのような人に選ばれる?
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"結果至上主義”"倹約家”"アウトドア派”な方が多いです。
また社会価値観は"おりこうさん”"ワーカホリック”"出世優先”と仕事に真面目なビジネスパーソンが多いようです。
そして消費価値観は"リターン期待型消費"と"ステータス消費”と、"エシカル消費”が高く出ています。
「東京競馬場利用者」のワードクラウドを見ると意外と"家族”や"綺麗”"子ども”の文字が目につきます。
実際に私も2022年に東京競馬場にG1を観に行ったのですが、意外にも家族連れの方が多く、また日本に住んでいた頃に行った時よりも設備もとても綺麗でちょっとしたテーマパークのような感じに驚きました。
東京競馬場利用者の意見でも"子連れ”や"デート”など、ひと昔前の競馬場のイメージとはだいぶかけ離れていることが伺えます。
実際、東京競馬場ではお子様向けの遊具や馬とのふれあいイベントなども充実しており、ギャンブル目的や競馬ファンだけでなく、家族や友人などと楽しめる工夫がされています。
また個人価値観では"倹約家”"アウトドア派”の方が多いと出ていましたが、東京競馬場は15歳以下は無料で入場することができるので、倹約家でアウトドアが好きなお子様連れの方にはぴったりな場所なのかも知れません。
イメージは変化している?
「JRA」と「東京競馬場」のイメージを比較してみると、JRAは"伝統がある”"誰もが知っている”"活気がある”が上位に来ており、東京競馬場は"期待感・ワクワク”に次ぎ、"伝統・頑固さ”も上位にありながら、"爽快感・エネルギッシュ”"インパクト・衝撃的”のイメージも。
これは競馬場のクリーン化が進んでいることや今回のコラボだけでなく、「JRA」がCMや年間イメージキャラクターに人気タレントを起用しているからかもしれません。ちなみに2023年は長澤まさみさん・見上愛さん・佐々木蔵之介さんです。
最近では一頭の馬が生まれてから競走馬になるまで、そしてその馬に各々の思いをのせて見守る関係者たちの多様な目線を描いたアニメーションCMも話題になっています。(とても感動的で涙が出ました)
イメージキャラクターの起用や心に残るCMなど、そういった取り組みも現在の東京競馬場のイメージの向上に繋がっているのだと思います。
競馬場のモデルチェンジのきっかけはバブルの崩壊?
では競馬場はいつからイメージアップを行ってきたのでしょうか?
スポーツメディア「VICTORY」によると、JRAの全盛期は1980年代後半から90年代にかけてのバブル景気であり、バブルの崩壊を機に馬券売り上げはピーク時の1997年を境に年々下降。
2000年代に入って以降厳しい状況が続き、2016年の年間売り上げは全盛期の約3分の2まで落ち込んだそうです。そしてここ数年でJRAは経営方針を見直し、まずは競馬場をリニューアル。
今まで来場が少なかったファミリー層をターゲットに、レース開催日以外の土日にも場内では乗馬体験や馬との撮影会などのイベントを積極的に行い、子ども向けのアスレチック、ゴーカートといった遊具も充実させました。
またレストランやファーストフードの店舗のバリエーションもここ数年で飛躍的に増加しています。
集客を全国にPRする「テレビCM」では1990年代中盤までは男性層に人気の高いタレントが起用されていましたが、2000年以降は複数の俳優、タレントを起用し、老若男女問わず支持されている著名人をキャスティングしています。
また東京競馬場は2021年のコロナ禍を機にパドックのコンセプトを"馬のパリコレ”として、主役の馬を引き立てるべく、花の彩や種類にも拘っているそうです。
実際競馬場に行くと、肉眼でももちろん、カメラを通しても馬体がパドックに映えたいい写真が撮れるので納得です!
まとめ
「ポムポムプリン」に好感を持つ者の特徴
・20代後半~50代前半に人気
・報われ待ち・自己愛強め・完璧主義
・家族や他人を中心に考えている方が多い
・ネタ消費・お得感重視消費の傾向
「東京競馬場」利用者の特徴
・30代前半~50代前半に人気
・結果至上主義・倹約家・アウトドア派
・仕事に真面目なビジネスパーソンが多い
・リターン期待型消費・ステータス消費の傾向
「東京競馬場」の7Journeyでは潜在顧客層が高く出ていましたが、認知率や好感率が高く、好感を持つ年齢層が幅広い「ポムポムプリン」とコラボを
することで新規顧客の獲得を狙っているのでしょうか。
前述したJRAのモデルチェンジでは"ファミリー層”の獲得を狙い競馬場のリニューアルなどを行っていましたが、今回のコラボは競馬に興味がない顧客層を狙ってのコラボのように感じます。
またサンリオサイドとしては、元々競馬という"血統スポーツ=世代”を通して推し活をしている競馬ファンに「ポムポムプリン」を知ってもらう・ファンになってもらうことが狙いかも知れません。
競馬もキャラクターも、"推してくれる人”がいてこそ成り立つことが共通点なので、今回のコラボの狙いは双方が新たな"ファン”の獲得を狙ってのコラボだと思います。
ちなみに JRAのマスコットキャラクター"ターフィー”は、JRAとサンリオの共同企画で誕生し、キャラクターデザインはハンギョドンやバッドばつ丸などを手がけた井上・ヒサト氏による製作なのです。
ターフィーは"キティちゃん”ともお友達なので、時々イベントやコラボ商品が登場します。そのような経緯もあり、今回はポムポムプリンでコラボを!となったのかも知れません。
「ぷりんぷりんけいば」ではゲーム感覚で競馬を学ことができるので、競馬に興味のある方やお子さんのいらっしゃる方も一緒に楽しめるコンテンツなので、幅広い層に競馬をアピールできるコラボだと感じました。
今後どんなコラボがあるのか楽しみですね!
ちなみに過去ピューロランドの記事でサンリオのキャラクタービジネスについても触れていますので気になる人は是非。
筆者のひとこと
「ぷりんぷりんけいば」…想像以上に競馬のお勉強になるコンテンツでびっくりしました。特に"ポムポムプリンのけいばおしりとり”は競馬用語を学べるのでお勧めです!
また私の友人にも"ポムポムプリン推し”がおり、競馬には全く興味がない人間でしたが、ポムポムプリンをみるために競馬場デビューをしていました…!
今回のコラボで、東京競馬場来場者数もさらに増えているのではないでしょうか。
実は私も推しが出走するので先日「ジャパンカップ」を観に行ってきたのですが、「ポムポムプリン」のフォトブースにはおそらくポムポムプリン推しの方々が集まっていました!
(競馬ファンの方々もそうですが、推し活で来られている方は持ち物にグッズがついているのことが多いのでわかりやすいです)
自前のプリンちゃんとフォトブースで撮影をされていて、楽しまれているようでした!
余談ですが今回のジャパンカップで推し2頭の電撃引退を経験し(何となく予感はしていた)、やはり推しは推せる時に推さなければならない、と競馬に行く度、実感しています…
ちなみにサンリオキャラクターの人気投票ですが、台湾・イギリスではポムポムプリンが1位になっています。「ぷりんぷりんけいば」ゲームがもし海外の人にもできるのであれば競馬ファンがもっと増えるかも知れません?!
≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
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