時代が移り価値がかわる。ジェラピケから見る今の健康とおうちじかん
連日猛暑の今夏。家にいるとき、皆さん何を着ていますか??
部屋着、パジャマのブランドと言えば真っ先に浮かぶのがジェラートピケ。
6月、ジェラ―トピケから父の日ギフト特集が出ていて思ったのですが、ここ数年"部屋着・パジャマ市場"が結構盛り上がっている気がするぞ、、
GUやUNIQLO(以前UNIQLO×mameの記事を書きましたが、部屋着と外着の境界線をなくすというコンセプトだった)、フランフランなど様々なブランドで部屋着やパジャマに力を入れているし、最近ではリカバリーウェアや着圧系のものも多く目にするようになりました。
今回はジェラートピケを中心に部屋着・パジャマ市場について調べてみたいと思います♪
こんなブランドもある?分析してみてほしいなど
リクエストいつでも受付中📪
今後の参考にしたいので是非気軽にコメントくださいね♪
ジェラートピケの誕生
ルームウェアブランド、ジェラートピケがスタートしたのは2008年。今年で16年とまだ新しいともいえるブランドです。
つまりルームウェアというジャンル自体も登場してから約15年ほどということになります。
ふわふわ、もこもこ。ジェラートピケといえば!というあの素材。登場した時は気持ちよすぎてずっとスリスリしていられる♡と思ったものです。
当時はまだ市場として確立してなかったルームウェアというジャンル。
レディースファッションフロアではなくリビング・ホームフロアにあったような印象で、売り場面積も広いとは言えなかったと思います。
そんなニッチなショップを初めて目にしたときの私の感想がこちら↓↓
「かわいすぎる!けど高い!誰が見るわけでもないのにこんな金額出せない!よし。誕生日プレゼントで欲しいとねだろう!」でした笑(当時高校生)
ブランドコンセプトは「大人のデザート」ということで、ご褒美だったり、喜びだったりを通して特別感が表現されているブランドです!
特別感という意味では、自分へのご褒美やプレゼントでの利用が多い印象があります。実際どうなのか?分析してみましょう。
ジェラピケの分析
男女比は圧倒的に女性の方が多く7割を占めています。
年齢分布は20代後半が一番多く、次が30代前半、20代前半と30代後半は同じ数字となりました。
20代30代の現在購入層は合計55%超に達しています。
7 J別に詳しく見てみると、積極的ロイヤルは20代が32.5%、30代が28.5%と20代の方が高い割合に。30代は消極的ロイヤルが20代よりも多く、ロイヤル層全体でみると20代と30代の割合はほぼ同じという結果です。
認知から実際に購入に至る割合が20%と高いとは言えない数字ですが、そのためにシーズンイベント商品やコラボ商品を多く出し、購入するきっかけを作ったり、リピートしてもらえるようなチャンスを提供しているのかなと思います。
また、現在購入からリピート意向への転換率は97.5%と非常に高く、離反予備軍が0.2%とかなり低いです。
沼が深いようですね。
ジェラートピケのイメージは上位3位が突出して高く、その項目は"可愛い・萌え"、"ラグジュアリー・贅沢"、"映え系・いいね"となっています。
ジェラートピケのブレない世界観が、イメージ分析に上がっている項目から想像できるようで、それだけ解像度が高く消費者にもその世界観がしっかり伝わっているという印象を受けました。
ジェラートピケの現在購入層には、"自己愛強め"、"物欲旺盛"、レビュー熟考消費"、"ネタ消費"、"トレンド・限定重視消費"、"ブランド消費"等の価値観があるようです。
自分へのご褒美に購入したり、コラボやシーズン商品、またはブランド力に魅力を感じる方が多いようです。
自分で自分を甘やかすことでしか得られない種類の多幸感ってありますよね!わたしはあの感覚が大好きです。笑
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
ジェラートピケがもたらしたもの
ルームウェアがファッションアイテムに
学生の頃の体操服や文化祭Tシャツなどを部屋着にしている方、正直に手を挙げてみてください。けっこういるのでは??
ほらやっぱり。笑
わたしも着てますよ。旦那の高校のジャージもわたしが部屋着にしてます。笑
だけど、そんなひと昔前は"干物女"と言われたような類のわたしも、ジェラピケ持っています。
過去には「誕生日プレゼントとしておねだりしよう」と思った、ずるがしこい?セコい?わたしも、今や自分で買ったジェラピケがあるし、子供にもジェラピケを買ったことがあります。
この15年でわたしのなかで変わった感覚、それは「部屋着にもお金を出せるようになった」こと。
これは、お金に余裕ができたとかそういう話ではなくて、部屋着=ダル着みたいなイメージが部屋着=快適に過ごせるもの(それこそQOLをあげる)という概念が生まれたことが大きな理由だと感じます。
そしてこの感覚を生んだのは昨今のルームウェア市場なのだろうなと思うのです。
そして、大きなリード力があったのはジェラピケじゃないか?と。
先ほど申し上げたように、もちろん毎日ジェラピケを着て部屋で過ごしているわけではありません。スウェットの日もあればジム着の日もあります。
煎餅の気分の日もあれば、ヨーグルトを食べたい日もあって、でもやっぱりマカロンが食べたい気分の日もあるのは自然なことですよね♪
ちょっと前置きが長くなりましたが、何が言いたいのかというと「ルームウェアをファッションアイテムに押し上げた」のはジェラピケの功績が大きいのではないかということです。
その日の気分で何を着るか決めたり、着るもので気分が上がったり。それって=ファッション。そう思います。
Knowns Bizに寄せられた口コミの中でも、自分に自信がつく。や、ファッション性の高さを評価するコメントがありました。
また、ルームウェア・パジャマ市場が盛り上がった背景には、「丁寧なくらし」「プチ贅沢」が流行ったことも関連していると思います。
それに加え、ステイホーム期間を経てテレワークが広まり新しいルームウェアの概念がどんどん広まっていったように感じました。
家で過ごす時間が増えたことで生活の質を上げる一つの要素として、ルームウェア・パジャマ市場が注目されたことは必然だった様に思います。
ギフト需要とコラボ文化
ルームウェアの新しい在り方を提示したことがジェラート・ピケの大きな功績だったと話してきましたが、もう一つの大きな功績として語りたいのがプレゼントとしてのルームウェア需要です。
上図はジェラートピケに寄せられたコメントの頻出ワードを可視化したものです。プレゼントという単語が目立っているのが分かると思います。
シーズンイベントごとに限定商品が発売され、毎回とても人気で売り切れ続出。冒頭で触れた父の日の商品もそのひとつです。
価格帯的に自分には買わないけどプレゼントにちょうどいいというような声も多く、カップルでおそろいのものやベビー用品もたくさんそろっています。
実際に私も子供が生まれた時にプレゼントをいただいた経験も、友人の出産時にプレゼントした経験もあります!
特にクリスマスシーズンや人気コラボ商品が発売されたときはいつもお店も大混雑しています。
記憶に新しいのは、ポケモンやスーパーマリオとのコラボ。
高値転売がニュースになるほど人気で売り切れ続出の人気商品となり、賞も受賞していました!
日本への観光客が増えているため、世界手系に人気なキャラクターとのコラボはインバウンド消費も大きな存在感を示したことともいます。
コラボはキャラクターなどポップなジャンルにとどまらず、ロマンティックな絵画や高級飲食店などまで幅広く行っています。
余談になりますが、海外のルームウェアはレースとかサテン素材のセクシー要素が強いものが多いのに対し、ジェラピケはモコモコ。
パステルカラー。(ロブションは白黒ですが)日本らしい"カワイイ"と言ってしまえばそれまでですが、実はたくさんこだわりがあったことを今回調べていて知りました。
モコモコ素材の中にも様々な種類があったんですね!
ある程度金額が張るため、素材へのこだわりには企業側からの誠実さが見える気がします。
ジェラピケに続くブランドたち
「ルームウェアをプレゼントとして贈る」ということを広めた存在としてジェラートピケを語ってきたのですが、最近は競合もたくさん出ていてさらに市場が広がっています。
2015年に登場したプライベートスプーンクラブというブランドがあるのですが、そこも大人っぽいけどかわいくて見るたびにきゅんきゅんします。
さらに、ジェラートピケはコラボルームウェアを広めることにも貢献したと思います。
冒頭でも触れましたが、GU×SABONの冷感パジャマ。
UNIQLOのパンどろぼうコラボ、ちいかわ×サンリオコラボ。
ピーチジョンとジルスチュアートのコラボ。
他にもたくさんのコラボルームウェア・パジャマがあります。
以前NIKEとsacaiやUNIQLOとmameなどコラボ商品についての記事をいくつか書いていてそこでも話したと思うのですが、コラボというのはそれだけでまず話題性があります。さらに両社の顧客層にアプローチすることが可能なため自ブランドの宣伝にもなります。
情報過多な現代において、消費者の目に触れることはとても重要です。
そういった意味でもコラボ商品を発売するというのは企業において様々なメリットがあるため、多くのコラボ企画が上がってくるのは納得ができる気がします。
また、消費者側から見るとコラボ商品は買ったことのないブランドを買ってみようと思うきっかけになったり、好きなものを身に着けられるという点でとても魅力的だと思います。
とくにルームウェアやパジャマでは人目を気にしなくていいため、キャラクターものや自分の趣味に全振りしたようなものを気兼ねなく着ることが出来ますよね♪
リカバリー市場
リカバリーウエア
ルームウェア・パジャマ市場というと、最近よく見かけるようになったなと思うのがリカバリーウェアというジャンル。
これは寝ている間(着ている間)に血行が促進され疲労回復が期待できるというものです。
2021年にはワコールからもリカバリーウェアが発売されています。
これがなかなか高くて相場2万円程するんですが、なかなか盛り上がっている市場なようです。(2020年には市場規模14兆円を超える予想)
リカバリーウェアが流行った要因は、リモートワークで家にいる時間が増えたこと、QOLやタイパコスパの価値観の広がり、健康志向の高まりなどだと考えますが、全て近年出てきた流れですのでとても現代的な商品だなと思いました。
大谷選手という天才があれだけ睡眠の質にこだわっているのを見ると、一般ピーポー的にはリカバリーウェアにめちゃくちゃ期待しますよね!
これ着て寝たら次の日2倍速で動けるのでは!?(すみません怪獣8号にハマって防衛隊スーツと混同しました笑)
2万円のリカバリーウェアが売れるのも、ジェラートピケなど高級ルームウェアである程度できあがった市場があったのも大きいと思います。
リカバリーマットレス
先ほど大谷選手の名前を出しましたが、大谷選手が睡眠にこだわっているというのは有名な話。睡眠時間を多くとるだけでなく、睡眠の質を上げるためにマットレスにもこだわっているそうです!
私現在32歳なのですが、最近身をもって睡眠の大切さを感じています。
10年前は3時間睡眠でも元気だったし、車中泊とかカラオケのソファで寝たってそんなにダメージはありませんでした。
けれど今は3時間しか寝れなかった日は昼間すごく眠くなるし、寝室でしっかり寝ても朝疲れが取れていなくて体が重たい日が少なくありません。
シモンズ等の高級マットレスやSNSでよく見かけるコアラマットレスなど、睡眠の質を向上させるマットレスがとても魅力的に見えるようになりました。
一つの例としてコアラマットレスのデータを見てみると
男女比は男性の方が60%以上と多く、年齢分布では25~39歳がボリュームゾーンとなっています。
サイコグラ分析で割合が高く出ていた項目は、自分を労わるという意味で”自己愛強め”、購入に至る際によく吟味する(試しに120日使ってから購入を決められるサービスがある)傾向が現れている”レビュー熟考消費”や”失敗回避型消費”、そのものの性能やブランド力、所有することで得られること等を重視にする”モノ重視”や”ブランド消費”、”リターン期待型消費”等がありました。
また、現在利用している人たちはいち早く取り入れている人たちであるため、”イノベーター消費”の価値観も見られました。
“アウトドア派”のパーセンテージが高いことに一瞬驚きましたが、外で疲れた身体を効率よくいやすためのマットレスと考えればとても納得できました。
この合理的な考え方は、イメージ分析にも現れていました。
“利便・合理性”が3番目に入っています。”リラックス・リフレッシュ”は言うまでもないですが、2番目に”安心・安全”がランクインしていることから、ノンホルムアルデヒドで安全性が高いことが評価されていると分かります。
快眠ブームはマットレスだけにおさまらず、関連商品は枕や睡眠アプリ、ヤクルト1000など幅広く注目されています。
ポケモンスリープ
質のいい睡眠をサポートするアプリは多く出ていますが、最近話題になったのがポケモンスリープ。ポケモンということで今まで「睡眠管理なんて”意識高い系”~」と思っていたような、あまり睡眠について考えなかった人にも気軽に使いやすくなっているのではないかと感じました!
実際にデータを見てみましょう。
男女比は男性が56.7%と多くなっています。年齢層は20.30代がメインの層です。
ポケモンスリープに好感を持っている人、どちらかというと好きという層のサイコグラ分析では、自己愛強め、チャレンジャー、報われ待ち、トレンド・限定重視消費、イノベーター消費、ネタ消費などの項目の数値が高くなっています。
自己愛強めはコアラマットレスと共通していますね。
チャレンジャーやトレンド、イノベーター、の項目に関しては、いち早く使ってみたり話題のものに敏感だったりする消費者のアンテナの高さが現れていると思います。
ネタ消費は皆さんも想像がつきやすいのではないでしょうか?SNSに書き込んだり、コミュニケーションのための話題として消費する価値観を指しています。
報われ待ち=小さいなことの積み重ねを大切にし、自分のやっていることがいつか報われるはずと良いことが起こるのを待っている受動型。とありました。
日々の睡眠の質を高めることで健康になったり、ストレスが軽減されたり、仕事の効率があがったり、様々な効果を期待するユーザーが多いと思われます。
QOLは最近の消費活動の大きなキーワードになっていると感じますよね!
ポケモンスリープのイメージは、ほのぼのする、心温まるなど癒し系のワードが上位に並んでいます。睡眠のイメージともリンクしていますね。
ポケモンとジェラピケのコラボについて前述していますが、7/26には新コラボシリーズも出ています。
アニメキャラクターの枠に収まらす、生活の一部としてどんどん溶け込みつつありますね!
リカバリーサンダル
リカバリーウェアと同時期もしくはそれよりも少しだけ早く流行の波が来たような気がするリカバリーサンダル。
ウ―フォスというブランドをきいたことがあるでしょうか?夏に入る前に買わないとサイズや色によっては売り切れ続出の人気サンダルです。
とっても歩きやすく長時間はいても疲れないためわたしはすでにこのサンダルの虜になっています。笑
1足目は出遅れて欲しい色が手に入らず妥協して購入したのですが、2足目の今年は3月くらいに欲しい色、サイズ、デザインのウ―フォスをゲットしました!
最近ではオリエンタルトラフィックやワークマンなどからも発売されており、ますます広がりを見せている印象があります!
疲労回復効果があるということで、リカバリーサンダルを室内履きとして使う人も増えてきているとか??
リカバリースリッパとして毎日おうちで履くというのは、たしかにかなり合理的で賢い使いかたなのではないかと思いました!
数年前はリカバリー製品というのは、プロスポーツ選手の疲労回復のためのものくらいの認識でしたが、気付いたらこんなに一般的に広まっていました。
住環境や健康への意識の高まりが生んだ現代の新しいマーケットだなという風に感じます。
今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ
まとめ
ジェラートピケを中心にルームウェア・パジャマ市場についてみてきましたが、最後にジェラートピケについておさらいしておきます。
顧客は7割女性
20、30代がメインの顧客層
認知から購入に至るハードルは高いが、リピート率が非常に高い。
かわいくて高級感があり映えるというイメージがある=着ていると気分が上がる
コラボやシーズン商品が多くプレゼント利用も多い
ルームウェア・パジャマ市場をけん引するブランド
今回ジェラートピケをリサーチしていて感じたのは、立ち上げ当初から続くその世界観は一貫していて決してブレていないんだなということ。
挑戦することは止めず進化し続けても決して変わらない、時代を読むことは妥協せずでも時代に流されない。
ふわふわとはかなげに見えるこのブランドのイメージとは裏腹に、内側には確固たる強いアイデンティティが流れているということがよく分かりました。
また、今回は部屋着・パジャマからおうち時間→睡眠→リカバリーと分析を広げてきました。
マーケットはその時代の人々の価値観に合わせて消えたり生まれたり、広がったり縮んだり、まさに生きているんだなということをすごく感じた分析になり、学ぶことが多かったです。
特にSNSなどの影響で価値観の多様化が進み、変化のスピードも早くなっていると思うので、市場分析もスピード感をもって追っていくことが大切だと感じました。
筆者のひとこと
最近寝苦しい日が続いていますが、皆さん冷房どうされていますか?
うちは除湿モードにして、サーキュレーターを回しています。子供に挟まれて寝ているからか、今年が暑すぎるのか、本当に暑くて、、、
部屋着やパジャマも長袖などは着ることができず短パンタンクトップ。(一説には長袖長ズボンの方がいいという話もききますが)
冷房代を気にしつつエアコンをフル稼働している毎日です。
そこで今年導入しようと購入したのが
体感-10℃というひんやりマット。
まだ届いていないのですが、これを睡眠のお供に素敵なパジャマなんて着たいな、、と夢見ている今日この頃です。
たとえばこんなパジャマ、、かわいすぎる!!!
がしかしお値段92,400円!!高すぎる!笑
≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
この記事を読んで「面白かった!」「参考になった!」と思っていただけたら、スキを押していただけると嬉しいです。
他にも色々なジャンルの記事がありますのでフォローもお待ちしてます!
Knowns Bizを使った資料を見てみたい方へ
実際に資料で使うイメージがつかない。
戦略策定にはどのように活用するのかを見てみたい。
そんなときに参考になる「戦略策定フォーマット」をご用意いたしました。
無料でお渡しいたしますので、気になる場合は是非気軽にお申し込みください。
Knowns Bizとは?
Knowns Bizは、「消費者のイマ」を知ることができる、消費者データを大量にストックしているデータプラットフォームサービスです。ブランドやアニメ、タレントなどのデータが揃っているのでデータ取得の手間なくすぐに使用することができ、デモグラや価値観の属性データと掛け合わせることで、あらゆる切り口で分析可能です。データサイエンスを扱いやすく、もっと身近にすることで、思いもよらないマーケティングの文脈を創出し、新しいマーケティングアイデアを生み出します。
詳細・お問い合わせは