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狙うは双方の化学反応?人気雑貨店×ガイドブックのコラボを分析
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
みなさんはこちらのコラボ、ご存知ですか?
「3COINS」と「地球の歩き方」のコラボです!
お馴染みの地球の歩き方の表紙やマップ、便利な旅グッズを発売中とのことで、気になりました。
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バラエティショップ・雑貨店ジャンルの中では「ハンズ」「LOFT」に次いだ3位の認知度で、満足度では「LOFT」に次ぎ2位となっています。
今回はそんな「3COINS」と「地球の歩き方」コラボを分析してみたいと思います!
こんなブランドもある?分析してみてほしいなど
リクエストいつでも受付中📪
今後の参考にしたいので是非気軽にコメントくださいね♪
3COINS
「3COINS」はアパレルを手掛ける株式会社パルが運営する、300円を中心とした雑貨ブランドです。
1994年に大阪梅田・茶屋町地区に1号店がオープンした「3COINS」は社内提案制度を利用して誕生したそうです。
生活雑貨・インテリア雑貨・服飾雑貨・モバイルアイテム・キッズアイテムなど、様々なアイテムを300円を中心に幅広く取り揃え、消費者の“ちょっと幸せ”をお手伝いするのがコンセプトです。
通常店舗の「3COINS」のほか、家具なども取り扱っている「3COINS+plus」、駅構内に展開する「3COINS OOOPS!」「3COINS station」があります。
2023年は47都道府県への出店を達成し、現在店舗数は309店舗(4月1日時点)あります。
購入者層分析
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3coins購入者のデモグラ構成比をみると30代後半~40代後半が多く、特に40代後半の割合が高く出ています。
男女比では女性が圧倒的に多いです。
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3coinsの7 Journeyを見てみると、認知率はやや高く、ロイヤル層の顧客も多いことが分かります。
ファネル分析では認知からの購入意向も90.4%と高く、また現在購買⇒リピート意向は98.6%とリピーターがとても多いです。
そのなかでやや好意的ではありますが最近購入していない巻き戻し層が高めです。
どんな人が利用してる?
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サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"自己愛強め”"都会派”な方が多いです。
社会価値観は"自分より家族優先”“トライブ重視”“家族と親密”が並んでいます。家族や他者との関わりを大事にしている人が多そうです。
消費価値観は"レビュー熟考消費""トレンド・限定重視消費”に次ぎ、“トレーサビリティ消費”が高いです。
購入者の消費行動に繋がる理由は?
サイコグラフィックで見えてきた価値観と3COINSが取り組んでいる内容で照らし合わせてみました。
・レビュー熟考消費=SNSを活用
「3COINS」はInstagram、X、Facebook、TickTokなど複数のSNSを積極的に活用しています。
Instagramでは新商品紹介や商品の具体的な使い方を動画で配信、Xでは情報発信だけでなく顧客や同ブランドの他アカウントとの相互コミュニケーションツールとして活用するなど、SNSによって使い分けたプロモーションを行なっています。
また社内インフルエンサー制度もあり、スタッフ個人によるInstagramの運用により消費者側に立った配信がコアなファン作りにも繋がっているようです。
・トレンド・限定重視消費=商品鮮度
「3COINS」ではいつ行っても常に新しい商品との出合いが期待できるよう、短いサイクルで商品を入れ替えているそうです。
基本的に新商品は2~4週間で売り切るように計画し、評判の高かったアイテムは定番商品として継続的に販売や再販を行うとのことで、上記のレビュー熟考消費傾向の消費者へのアプローチにも繋がりそうです。
・トレーサビリティ消費=生産者の顔が見える、消費者目線
低価格傾向にある雑貨業界であり、100円均一と比べられることもある「3COINS」ですが、安かろう悪かろうの使い捨て商品ではなく、トレンド感もありつつ、少しでも長く使えるものを提案しているそうです。
商品開発や改良においてはお客様の声だけでなく、バイヤーやスタッフが生活者の一人として商品と向き合っているそうです。
前述した社内インフルエンサーによるSNSも消費者目線に立ったものなので、それがトレーサビリティ消費傾向の方に選ばれる理由かもしれません。
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実際に3coins利用者の注目の意見を見てみると、100円均一と比較した意見が多く、100円商品よりもワンランク上のデザイン性や利便性が気に入って利用する方が多いようです。
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
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地球の歩き方
『地球の歩き方』は1979年の創刊以来45年の歴史を持つ海外旅行者向けガイドブックです。
2020年に新型コロナウイルスの影響で旅行が規制され、書籍の売り上げ激減などの危機的状態となりましたが、学研グループにグループインし、(株)地球の歩き方を設立して2021年にリスタートさせました。
その後、『地球の歩き方』は従来の海外版にとどまらず、都道府県版や市町村版などさまざまな視点で書籍を企画・発行。
現在は海外160の国と地域で約120タイトルと、国内16タイトルを発行し、2024年にはテレビドラマ化もされています。
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ちなみにガイドブックジャンルの中では認知度・満足度ともに「るるぶ」「まっぷる」に次ぎ、3位となっています。
購入者層分析
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地球の歩き方購入者のデモグラ構成比をみると40代後半~50代前半・60代前半が多く、特に40代後半の割合が高く出ています。
男女比では男性が多いです。
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「地球の歩き方」の7 Journeyを見てみると、認知率はあまり高くありませんが、離反が低いことから一定のファンがいそうです。
ファネル分析では認知からの購入意向も76.0%とやや高く、また現在購買⇒リピート意向は98.0%とリピーターがとても多いです。
また「3coins」同様、やや好意的ではありますが最近購入していない巻き戻し層が高めです。この要因としてはガイドブックは毎年買うものではない、コロナ禍での離れや円安の影響もありそうです。
リピーターは多いものの、購入意向→現在購入への転換率が低いので、地球の歩き方の課題としては認知度を上げることが重要そうです。
どんな人が購入してる?
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サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"倹約家”"アウトドア派”“健康志向”な方が多いです。
社会価値観は"おりこうさん”“ゴーイングマイチェイ”“出世優先”と正反対のクラスターが並んでいます。さまざまな職業や環境の方に利用されているのでしょうか。
消費価値観は"ノスタルジー消費""エシカル消費”“リターン期待型消費”が高いです。
今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ
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なぜ3COINS×地球の歩き方?
きっかけは熱い気持ち
コラボレーションのきっかけは「商品企画者の熱い気持ち」。3COINSのトラベルグッズ担当でもある企画者はかなりの旅好きで、昔から旅のバイブルは「地球の歩き方」。 いつか一緒に商品を作れたら…と、「地球の歩き方」が創刊45周年、3COINSがブランド誕生から30周年を迎えたタイミングでコラボ企画を打診!お互いの記念イヤーにタッグを組むことが実現しました。
アイテムたちは旅心をくすぐるラインナップを、それぞれ4種のデザインで商品化。 「地球の歩き方」の表紙を手掛けるカバーデザイナーさん描き下ろしのオリジナル地図やカバーイラストを組み合わせた総柄デザインなど今回の企画でしか手に入らない豪華なデザインをご用意しました!
「地球の歩き方」とのコラボグッズが販売開始より
今回30周年を迎えた「3COINS」と、商品開発担当者さんの旅のおともでもあった「地球の歩き方」も創刊45周年というタイミングが合ったのですね!
データから見るコラボ
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3COINS・地球の歩き方のどちらも巻き戻し層が多く出ていたので、それぞれのジャンルで相関分析を見てみると、地球の歩き方の巻き戻し層で3COINSは1位になっていました。
3COINS巻き戻し層では「地球の歩き方」は6位でしたが、それぞれの現在利用者のデモグラでは30代後半~40代後半・女性が多い3COINSに対し、地球の歩き方は40代後半~50代前半・60代前半・男性が多く出ていたので、それぞれの得意とする年齢層や性別に違いがあります。
またサイコグラを比較してみると、商品の利便性やデザイン性を重視している「3COINS」利用者に対し、「地球の歩き方」利用者は“ノスタルジー消費”“エシカル消費”が高く出ており、お馴染みの「地球の歩き方」の表紙のイラストが採用されていることで、現利用者だけでなく昔ながらの「地球の歩き方」読者にとっても懐かしさを感じる商品になりそうです。
その他にも旅行において“あったらいいな”というものが商品化されており、ただ単に懐かしいデザインのコラボだけではなく、実際の旅行でも役に立つ便利グッズはどちらの利用者にも刺さりそうです。
駅近や駅ナカにも店舗を構える3COINSなので、手に取ってもらえる機会も多そうですね。
さまざまなコラボをしている3COINS
商品鮮度にこだわっている3COINSですが、これまでもさまざまなコラボを行なっています。
当初はキャラクターものが中心だったそうですが、現在は“生活者目線”を大切に、コラボレーション先を決めたりアイテムを作ったりしているそうです。
一番最近では「クイックルワイパー」とコラボし、デザイン性と機能性を兼ね備えたおそうじアイテムを販売開始しました。確かに生活者目線のコラボですね。
また『TU DU KU(つづく) PROJECT』というサスティナブルシリーズのチャリティー商品では、売り上げの一部を子どもたちの貧困問題に取り組む団体の『Save the Children』に寄付しているそうです。
今後のコラボも楽しみですね。
Knowns Bizを使った資料を見てみたい方へ
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まとめ
「3COINS」利用者の特徴
・30代後半~40代後半、女性に人気
・自己愛強め・都会派
・家族や他者との関わりを大事にしている人が多い
・レビュー熟考消費・トレンド・限定重視消費・トレーサビリティ消費の傾向
「地球の歩き方」に利用者の特徴
・40代後半~50代前半・60代前半、男性に人気
・倹約家・アウトドア派・健康志向
・さまざまな職業や環境の方に利用される
・ノスタルジー消費・エシカル消費・リターン期待型消費の傾向
今回のコラボは、それぞれの利用者が少ない年齢層やサイコグラ、地球の歩き方の巻き戻し層に合っていたことがわかりました。
このコラボによって双方の認知や購入のきっかけに繋がりそうですね。
可愛い&機能的なコラボアイテムについての詳細は下記サイトをチェックしてみてくださいね。
筆者のひとこと
今回の分析で「地球の歩き方」の認知率があまり高くないことに驚きました。
私の学生時代はバックパッカーをする子は「地球の歩き方」派なイメージで、誰かがどこかの国に行った後はまた違う誰かに貸したり、情報量の分本が厚いので自分で切ってくっ付けてオリジナル地球の歩き方を作る人もいました。
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地球の歩き方利用者の注目の意見を読んで、確かに最近は色々スマホで調べられるしな〜と思う反面、本は形に残るので思い出として集めたり読み返したり、教養として読んだりするのも楽しいよね!とご意見に納得でした。
今回のコラボは人気の4都市「ニューヨーク」「ロンドン」「ソウル」「東京」とのことでしたが、いつか「ダナン」も選ばれるように!
在住者としてガイドブック著者(地球の歩き方ではないですが)の端くれとして、頑張りたいと思いました…!
📣ライターからのお知らせ
拙著の最新版の発売日が決まりましたので僭越ながらお知らせです…!
ぜひダナン・ホイアンへ、遊びに来てください!
≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
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