期待大!HUB×netkeibaコラボが狙うはコアターゲット?
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
みなさんは「英国風パブ HUB」に行かれたことはありますか?
今回たまたま目にしたのが"HUB×netkeiba 競走馬コラボ”。以前もネットか何かで拝見したことがあるのですが、その時期に日本に帰る予定がなく残念に思った記憶が…
何度か行われている模様のこちらのコラボ。今回は「英国風パブ HUB」と「netkeiba」のコラボについて分析していきたいと思います!
英国風パブ HUB
HUBの歴史と歩み
1980年ダイエー創業者の中内功氏はイギリスを訪問し、英国PUB文化に感銘を受け、この文化を日本で広めたいとダイエーの子会社である「ハブ」を設立しました。
1986年に旧ハブは解散し、キャプテンクックに事業を引き継いだ後、1989年に居酒屋事業者である「りきしゃまん」に営業を譲渡しました。1997年には「HUB池袋東口店」をオープンし、現在のHUBの原型を確立していきました。
そして1998年には再び設立されたダイエーグループの新子会社である「ハブ」に事業を譲渡。
その後は、2002年に加ト吉グループ(現・テーブルマーク)の連結子会社となり、2010年にはロイヤルホールディングスが親会社となりました。またやや遡って、2006年に当時の大阪証券取引所「ヘラクレス」市場に上場したのち、2017年には東証一部への市場変更を果たしています。
82ALE HOUSEとは
「82ALE HOUSE」も同じく株式会社ハブの運営する英国風パブです。
創業当初「HUB」は若い人向け、「82」は比較的高い年齢層向けと各ブランドを展開していたそうです。
現在は「HUB」はカクテルが豊富で核となるブランド、「82」はシングルモルトウィスキーが豊富なのが特徴で、ウィスキーの文化を日本に広めるブランドとして展開しているそうです。
※今回は、以下82も含んで「HUB」でご紹介させていただきます。
HUBの特徴とは
HUBでは"キャッシュ・オン・デリバリー・システム”を採用しており、注文と会計はその都度、レジカウンターにて済ませます。そして"No Charge" なので、食べたい分・飲みたい分だけその都度お会計をする仕組みです。そのためお財布の中身と相談しながら楽しめるのが特徴です。
また、気軽さとオープンな雰囲気でパブならではの使い勝手の良さも特徴です。サクッと利用や一人での来店など、様々なシーンで利用することができます。
利用者層分析
HUB利用者のデモグラ構成比をみると20代後半~50代前半が多く、特に30代前半~40代前半の割合が高く出ています。
男女比では女性がやや多いです。
「HUB」の7Journeyを見てみると、未認知率が79%と高めで意外に感じました。しかし離反が1.3%と低いので、一定のファンがついているお店であることがわかります。
どんな人が利用している?
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"倹約家”"アウトドア派”に次ぎ、便利さや華やかさを好む"都会派”な方が多いです。
都会派・倹約家が上位にきているのは、HUBの「キャッシュ・オン・デリバリー・システム」や、店舗立地条件にある「駅から5分以内の店前通行量の多いビルインや商業施設」「店前通行量17時~22時まで1時間当たり1千人以上」と関連がありそうです。
また社会価値観は"ワーカホリック”"出世優先”とビジネスパーソンに多く利用されているようです。
消費価値観は"ハラオチ型消費""ステータス消費”が高いことから、気に入ったものやモノの良さや、ファンとしての価値を感じて消費行動を起こす傾向がありそうです。
netkeiba
「netkeiba」は、1999年12月より開始した株式会社ネットドリーマーズによる運営の競馬情報ポータルサイトです。
競馬ファンはじめ競馬業界、馬産地、競馬国際化に貢献する"インターネットを活用した新しい「競馬メディアの発展モデル」”を常に追求しているのが特徴です。
サービス内容は幅広く、スマートフォン・パソコン・携帯電話向けに、最新ニュース、レース情報、著名人コラム、40万頭以上の競走馬データベース、海外・地方競馬情報など幅広い競馬コンテンツとともに、競馬ファン同士がつながる競馬コミュニティを提供しています。
国内最大級の競馬ポータルサイトとして、競馬ファンや競馬関係者から厚い支持を得ていて、総ユーザー数は月間約870万人だそうです。
利用者層分析
netkeiba利用者のデモグラ構成比をみると20代後半~50代前半が多く、「HUB」と同じく、特に30代~40代前半の割合が高く出ています。男女比では女性がやや多いです。デモグラではHUBと似たような結果が出ていますね。
「netkeiba」の7Journeyを見てみると、未認知率が84.7%と高めです。そもそも利用する方が限られるのでこのような結果なのでしょうか。
離反は1%以下と低いので、こちらも「HUB」と同様、一定のファンがついていることがわかります。
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"結果至上主義”"倹約家”"八方美人”な方が多いです。また社会価値観は"ワーカホリック”"マインドフリー”"おりこうさん”と仕事を頑張りつつ、人との繋がりを重視する方に多く利用されているようです。
消費価値観は"リターン期待型消費""ステータス消費”が高いです。競馬ファンとして独自の価値を感じて利用している方が多いのでしょうか。
"結果至上主義”や"リターン期待型消費”はギャンブルのポータルサイトなのでこのような結果が出るのかと予想できます。
今回のコラボの狙いは?
HUB×netkeiba 秋GIコラボドリンク
今回の「HUB」×「netkeiba」の秋GIコラボドリンクでは、競走馬コラボドリンク5種を期間限定発売しています。
競走馬コラボドリンク1杯ご注文につき、特製コースターを1枚ランダムでプレゼントと、競馬好きには嬉しい企画です。GIレースは「HUB」店舗内でも放映もあるので、現地入りできないファンも楽しめます。
また競馬場へコラボキッチンカーでの特別出店も時折行われ、現地観戦のお客様向けにその場で使えるクーポン配信なども行なっていました。
デモグラや7Journey、サイコグラフィックでも「HUB」と「netkeiba」は比較的共通項が多かったですが、イメージ分析でも同様に"期待感・ワクワク”がどちらも上位になっています。
上記のことから、今回は新しい層の獲得というより特定のファン層に向けてのコラボなのかもしれません。
また、「netkeiba」利用者の声を見てみても、オンライン上で馬券が買える・オッズや情報が見られることに定評があります。
「HUB」では店内放映もあることで、競馬に少し興味がある方や競馬場に現場観戦に行かない競馬ファンの方でも、ハードルが下がり気軽に利用ができることがポイントなのかと思いました。
その他コラボも
今回比較してみたnetkeiba以外にも、「HUB コラボ」で検索をするとアニメやゲーム、イベントなど様々なコラボをこれまでも行なってきていることがわかります。
最近では漫画家・峰倉かずやさんによる大人気作品「最遊記」より500年前を舞台に三蔵達の前世と悟空を描いた「最遊記歌劇伝-外伝-」とのコラボも行なっており、コラボメニュー&コラボグッズも充実しています。
最遊記のデモグラ構成比をみると20代後半~50代前半が多く、またしても「HUB」や「netkeiba」と同じく、特に30代~40代前半の割合や女性がやや多いです。
また最遊記視聴者のサイコグラフィックを見てみると、"モノ重視”や"ブランド消費”"ネタ消費”の比率が高く、推し活で消費行動を起こす方が多いイメージできます。
一方HUBのサイコグラフィックでは倹約家、アウトドア派、都会派やハラオチ型消費、ステータス消費が上位にきていたのでその点は異なります。
よってこのコラボではターゲットが同じ年代でも、これまでHUBを利用したことがない新規顧客や顧客以外の層へのアプローチも同時に期待できそうです。
「HUB」の行う独自のポジショニング
コラボ以外にもHUBは居酒屋とは違う、独自のポジショニング戦略を行なっていますので紹介していきたいと思います。
スポーツ観戦からスポーツチームとの協業
「HUB」と言えば"スポーツ観戦”という方も多いのではないでしょうか?モニターが多数設置されている店内で、サッカー、野球、ラグビーなどさまざまなスポーツ観戦が楽しめる、スポーツバーの側面も持っています。
私も今回の分析で初めて知ったのですが、HUBはMIXI GROUPと業務提携を行っているそうです。
mixiとの提携
業務提携の一例としてはmixiが運営する検索サービス「Fansta(ファンスタ)」ではスポーツ観戦できる飲食店をエリアや放映予定でも検索できるサービスですが、店内のスポーツ観戦に強みを持つHUBと手を組むことで、スポーツ観戦の文化を広げていくことができます。
また、クラブチームのアウェー戦におけるマネタイズにも力を入れており、クラブチームの応援ドリンクを販売することで、その売り上げの一部がクラブに還元され、クラブの収益機会を増やすきっかけ作りにもなっているそうです。
企業情報を見ると認知率が70%以上と高く、また企業イメージでは"親しみを感じる”"個性的である”"誰もが知っている”と前向きなイメージが高く、「HUB」の認知率やイメージをプラスしていく意味もあるのかも知れません。
SNS運用や会員特典によるイメージ推移
「HUB」の公式Xではイベントやコラボ、キャンペーンをSNSで拡散することにより、さらにコラボ相手を拡大しているそうです。
なんと公式Xのフォロワー数は9.6万人もいました!(2023年11月現在)
また「HUB」ではメンバーズシステムも導入しており、全店で飲食が5%OFFになるだけでなく、ポイントで飲食券を貰える、利用頻度に応じさらにお得なゴールドカード会員になるなど、他キャンペーンの案内や新メニューのお試しクーポンを発信しているそうです。
現在総メンバー数はなんと24万人もいるそうです。
「HUB」の時系列イメージ分析でも、"リラックス・リフレッシュ(29.0%)”がこの1年間〜半年間で上位になっており、その他"期待感・ワクワク(25.8%)”、"個性的・他にない(22.6%)”が上位に来ており、利用者の声でも"パブリックビューイング”についてや、"気軽に楽しめる”"海外感・英国風パブ”について触れているものが多かったです。
こうしてみると今回のコラボや上記のような戦略が独自のポジショニングに成功しているのかもしれませんね。
まとめ
HUB利用者の特徴
・30代~40代前半・やや女性のビジネスパーソンから人気
・倹約家、アウトドア派・都会派
・ハラオチ型消費、ステータス消費
netkeiba利用者の特徴
・30代~40代前半・やや女性から人気
・仕事や人との繋がりを重視する方が多い
・リターン期待型消費、ステータス消費
「HUB」「netkeiba」利用者と今回のコラボに関連する"競馬”を好む人は仕事熱心、倹約家という価値観が似通っていることがわかりました。
今回の競走馬コラボはの両企業のメインの顧客層である30~40代をターゲットにし、イメージの向上やファンに対する還元も狙っているのではないでしょうか。
また「HUB」自体も様々なコラボを行なっていることから、今後どんなコラボをするのか楽しみですね。
筆者のひとこと
私の周りでも、「HUB」も「netkeiba」も利用する友人が多いのですが、今回の分析にマッチしていて驚きました。
「HUB」では毎日ハッピーアワーを実施しており、飲み会前の0次会として利用している方も多いのではないでしょうか?(私自身、よく利用しておりました笑)
ワンコイン以下でサクッと飲めるので、待ち合わせなどにも使いやすいですよね。
また「netkeiba」は買い目(馬券の番号の組み合わせのこと)の計算も簡単にできるので、自分の選んだ買い目がいくらになるかなどがすぐにわかり、初心者にも優しいのが特徴です。
競馬に興味のある方はぜひ、無料で利用できるので使ってみてくださいね。
≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
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