若い女性に大人気!いま話題のQoo10ってどんなサイト?
こんばんは、Inokamiです。
突然ですが、みなさんはインターネット上で買い物しますか?
欲しい商品を家で探すことができる、買うことができる、のはとても便利ですよね。そんなECサイト(通販サイト)がいまとても話題になっているんです。
上のデータからも分かるように、ECサイトを含んだEC市場は年々増加傾向にあります。特にコロナが流行したことで、家で過ごす時間が増えたためにインターネット上でお買い物をする人が爆発的に増えました。
今回はそんなECサイトを取り扱っている「モール型通販サイト」の中でも、「Qoo10」というブランドに注目して取り上げたいと思います。
皆さんは「Qoo10」をご存知でしょうか?
私はこの記事を作成する前は名前しか知りませんでしたが、調べていくと凄く話題性のある、興味深いECサイトでした。
ですので、どんなブランドなのか・強みはどこにあるのかを、Knowns Bizを用いて他のブランドと比較しながら紹介していこうと思います!
モール型通販サイトについて
モール型通販サイトとは
実店舗が集まるショッピングモールのように複数の店舗が集まって形成された、インターネット上の仮想ショッピングモールのことです。有名なブランドでいえば、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが挙げられます。
日本でECサイトが本格的に始動したのは1996年頃だとされており、最初にECサイトを開始したのは「楽天市場」でした。
出てきた当初はネット上でお買い物をするというのは全く理解されず、世間では「インターネットで人はものを買わない」と言われていました。
しかし、時代とともに、徐々にパソコンやインフラの整備が行われたことで、インターネットを簡単に利用することが可能となり、ECサイトも発展するようになりました。
近年では、コロナの流行によって家でお買い物をする人が増えたことで、ECサイトの注目度は一気に高まりました。
急激に高まったECサイトへの注目にはどういった背景があるのでしょうか。ECサイトの中でも、モール型通販サイトの魅力として以下が挙げられると考えました。
利用者側
家でお買い物ができる
出店舗や商品数が多いため欲しいものを買える
会員やポイントを活用できる幅が広い
販売側
高い集客力を活用できる
サイトによっては出店が容易にできる
手厚いサポートがある
このようにモール型通販サイトには、自社ECサイトに無い魅力が多く存在するんじゃないでしょうか。
モール型通販サイトの満足度×認知度
データから分かるように、満足度と認知度ともにAmazonと楽天市場が、かなり高い数値になっているのが分かります。実際にネットショッピングを行う時に、この2つを用いている人も多いのではないでしょうか。
ということで、今回はQoo10とモール型通販サイト市場を牽引するAmazon・楽天市場のそれぞれサービス面や会員制度、利用者のデータなどで比較して、Qoo10の強みや今後の課題を見つけていこうと思います。
Qoo10ってどんなサイト?
Qoo10とは、eBay Japan合同会社が2010年から運営している日本国内向けのECサイトです。
2023年9月の時点で会員数は約2000万人を超えており、現在も会員数は上昇傾向にあります。
Qoo10利用者の特徴とその理由
このECサイトの特徴の1つとして、若い女性の割合が高いことが挙げられます。
このデータでも、若者や女性の利用者が多いように見られます。その理由は、大きく3つ挙げられます。
1つ目は、販売されている商品の圧倒的な価格の安さです。
販売側は店舗を持つことなく商品を売ることができるため、テナント料を抑えられることや、販売期間内にショップ側が指定した販売数に達すると、通常より安い価格で購入できる仕組みの共同購入制度を設けていることが要因となっています。
2つ目は、クーポンやセールが豊富にあることです。
Qoo10では、定期的にクーポンの配布が行われています。また、約3か月ごとに「Qoo10メガ割」という特大セールが開催されており、内容としては美容品や食品などでメガ割対象となる商品がすべて20%OFFになる割引クーポンが9枚配布されます。
3つ目は、SNSでの宣伝に力を入れていることです。YouTubeやInstagram、TikTok、X(旧Twitter)など様々なSNSを活用して、知名度の向上を目指しています。
特にXの公式アカウントは、フォロワーが67万人(2023年10月現在)を超えており、定期的に新商品の宣伝やプレゼントキャンペーンを行っております。
現在ほとんどの若者がSNSを利用していることから、宣伝の影響力はかなりあると考えられます。
そして、他にも挙げるのであれば、韓国や中国などの美容系アイテムを中心とした品揃えが豊富なことも理由の1つです。
しかし、商品数が増えることや海外の商品を安価で購入することができるメリットがある反面、粗悪品や偽物のアイテムが存在している点や、配送に時間がかかる場合があるというデメリットがあるのも事実です。
会員特典やメリットは?
次に会員の特典やメリットをご紹介します。
Qoo10は無料で簡単に会員登録することができます。会員登録をすることによって、クーポンやタイムセールの割引などの特典を利用することが可能で、商品購入に伴ってポイントも獲得することができます。
他にも「Qスタンプ」や「まめQ」など、会員になることで多くの特典を利用することができるようになります。
また、Qoo10には会員ランク制度が導入されています。
Qoo10では4種類のランクが設けられており、1番良いランクは「VIP会員」と呼ばれ、毎月3000円分のクーポンを手に入れることができます。
詳細は以下からご覧ください。
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
Qoo10×Amazon
現在、モール型通販サイト市場で最も影響力のある「Amazon」とまずは比較してみます。
Amazonとは
Amazonは2000年に日本に上場してから、約25年間で日本を代表するECサイトとなりました。
現在ではモール型通販サイトにおいて、「認知度1位、満足度1位」となっております。近年のECサイトにおける国内シェア率では28.2%と、楽天市場を抑えて1位となっている点も注目するべき点です。
多くの国でAmazonが大人気である理由として、物流網の整備を完全に自社で行っていることにあります。
自社で仕入れた商品の販売をするため、全国に倉庫を保有していることから全く違ったジャンルの商品とも同じタイミングでの配送が容易になっております。
また、大量に商品を仕入れるほどコスト削減することが可能になり、競合他社には真似できない物流の効率化を実現しています。
またAmazonの魅力の1つとして、会員になることで得られる特典の多さがあります。Amazonでは「プライム会員」と呼ばれる会員制度を導入しています。この制度は、Amazonの強みを紹介するうえで必要不可欠なほどに重要です。
まずはプライム会員が利用できる特典やサービスを簡単に紹介します。
このように月額税込600円(年間プランなら税込5,900円)を支払うだけで、これほどの特典やサービスを利用できるのは、Amazon最大の魅力であることは間違いありません。
特典の詳細が気になる方はアマゾンのヘルプページをご参照ください。
様々な特典の中で最も魅力的と言えるのが、特典1でも紹介されている「Amazonが出荷する商品の配送料が無料/各種配送オプションが無料」という点です。
通常では、注文当日の配送や2,000円以下の商品の注文を行った場合には、送料が発生します。しかし、プライム会員になることで、すべての商品の送料が無料になるので、とてもお得な特典になっています。
他にも無料で過去の映画やドラマを見るため、音楽や書籍を楽しむためにプライム会員になる人も多くいます。
Qoo10との違いは?
次にQoo10とAmazonを、様々な視点から比較していきたいと思います。
Amazonでは「良いもの良い価格消費」や「良いモノ長もち消費」が上位にきていることから、価格ではなく品質を重視した買い物をする利用者が多いと考えられます。
また、「リピート消費」の割合が高いことも注目するべきポイントです。
Amazonでは「定期おトク便」というサービスを実施しており、このサービスを設定すれば、定期的に自動で日用品や飲料などを「最大10%OFF+通常配送のため送料無料」という特典付きでお届けしてくれます。
私生活が忙しい人や移動に手間がかかる人はこのサービスを利用しているといった人も多いのではないでしょうか。
Qoo10では「お得感重視消費」が1位に来ていることから、やはりQoo10の強みでもある、商品の低価格であることが関係していると考えられます。そして注目していただきたいのが「レビュー熟考消費」が上位に来ていることです。
実際に消費者の声として、
などと、商品の品質への不安が書かれたレビューも少なくはなく、レビューを参考に購入する人が多くみられています。
販売されている商品には韓国や中国からの輸入品も多く、価格面の魅力がある反面、品質への信頼が他のサイトと比べて低いのは、Qoo10の課題の1つかもしれません。
次に年代別比較をしてみます。
世代別比較では、Qoo10は若者の数値は高い水準でありますが、年齢層が上がるにつれて割合が減少しています。
対して、Amazonではどの年齢層でも認知率は90%を超えており、購買経験率や現在購買率など、どの値をとってもQoo10より高い数値となっています。
Qoo10がさらに認知率や購買率を上げるためには、若者以外にも注目されるような品揃えやサービス、会員特典などが必要かもしれません。
Qoo10×楽天市場
次に楽天市場との比較をしてみましょう。
楽天市場とは
楽天市場は、1997年に誕生した楽天グループが運営するサービスの1つです。現在では国内に1億人以上のユーザーを持つ巨大なECサイトとなっています。
楽天グループがこれほどのユーザーを獲得できた要因として、**楽天経済圏(楽天エコシステム)**が大きく影響しています。
楽天経済圏とは、楽天グループが運営する70種類以上のサービスを楽天会員と有機的に結びつけることで、効率的に楽天ポイントを貯めたり使用したりするサイクルを形成したものです。
そして、サービスを活用すればするほど、ポイントの還元率が上がる仕組みになっています。
また楽天グループもQoo10と同様に会員のランク制度を導入しています。
このように5種類のランクに分かれており、それぞれ過去のポイント獲得数や獲得回数によって、昇格・降格が行われています。
また、楽天グループがここまでの集客力を持っている要因として、この楽天ポイントが大きく関わっています。
現在、楽天グループでは、16個のサービス利用におけるポイント倍率の上昇を実施しています。サービスを利用すれば利用するほど、お得であることが分かると思います。
例えば、上記を条件としたAさんとBさんが楽天市場でお買い物をすると仮定します。
Aさんは100円で1ptの還元であるのに対して、上記のサービス4つを同時に利用しているBさんは100円で7.5ptも還元されます。(楽天モバイル=3.5倍、楽天カードの所持=2倍、楽天銀行+楽天カード=1倍、楽天ひかり=1倍、であるため、3.5+2+1+1=7.5倍となる。)
また楽天市場では、多くのイベント・セールが開催されており、ダイヤモンド会員であればイベント・セールによっては最大53.5倍のポイント還元も可能になっています。詳細が気になる方は以下からご参照ください。
ポイントは1pt=1円で使用することができるため、楽天経済圏のサービスを利用すればするほどお得ということです。
実際に楽天グループが発表した楽天会員のサービス併用率は76.7%と、多くの会員が楽天経済圏の中を回遊していることになります。
イベント・セールのたびに「購入する→ポイントがいつもの〇倍貯まる→もっと貯めたい」と思うユーザーが増え、集客力も高まる好循環を作り出すことで多くのユーザーを獲得してきました。
消費者の声でも「楽天ポイントがとても貯まる」という声も多く、楽天グループにとって最大の魅力といっても過言ではありません。
私もダイヤモンド会員ですが、すぐにポイントが貯まるので、つい買い物をしすぎて後悔する時が多々あります…。それほど魅力的なサービスなんです!
Qoo10との違いは?
まずは下のデータをご覧ください。
実はQoo10から見て、楽天市場は最も相関性のあるモール型通販サイトのブランドなのです。その要因としてQoo10と楽天市場には、大きな共通点がいくつかあります。
無料で会員登録ができるという点
会員にランク制度が設けられている点
イベントやセールが多いという点
この3つの共通点は、それぞれのブランドの強みでもあるため、ライバル意識は高いと考えられます。
しかし、共通点ではありますが内容を見ていくと大きな違いがあります。
上の表を見て分かるように、Qoo10は商品の数では多いものの、会員数や流通総額には圧倒的な違いがあることがわかります。
両ブランドにおいて共通点はあるかもしれませんが、会員になるメリットやイベントの規模など、スケールの大きさにはまだかなりの差があるように感じられます。
Amazon・楽天市場が成功している要因
2つのブランドが成功している要因の1つとして、ECサイト以外にも事業を行っていることだと思います。
Amazonであれば、AmazonプライムやKindleなど。楽天市場であれば、楽天経済圏など。会員やリピートユーザーになることで得られるメリットがQoo10よりも圧倒的に多いということです。
また、ユーザー数や流通総額がQoo10よりも多いのも要因です。
利用者が多いことや流通総額が高いことは、ECサイトのブランド力や利用する際の信頼にも関係してくるはずです。
上のデータを見てください。認知の差があるため分かりにくいかもしれませんが、注目していただきたいのは「顧客」と「ブランド選好率」です。
現在利用している割合を示す「顧客」では、数値にかなりの差があります。Qoo10の「顧客」の割合から、現在利用している人の割合が少ないことが分かります。
そして、「ブランド選好率」も同様に数値の差が大きくあります。よって、購入意向のある人の割合が他2つと比べて低いことが分かります。
つまり日常生活から利用しているECサイトとして、Qoo10はあまり選ばれていません。つまり、割引クーポンや「メガ割」などのイベント以外での利用をしている人は少ないのではないかと考えられます。
実際に、Qoo10のイメージ分析では「コスパ・経済性」や「話題の・流行っている」などブランドの強みである部分の割合は高いですが、「利便性・合理性」「ベーシック・定番的」といった、日常的に利用するサイトであれば割合が高いはずのイメージが、低い数値として表れています。
今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ
まとめ
今回の分析から以下のことが得られました。
Qoo10の特徴
若い女性に人気のECサイト
安価な商品が多い
韓国や中国の店舗も多く点在
Amazonの最も大きな特徴 → 会員による特典の豊富さや利便性の高さ。
楽天市場の最も大きな特徴 → ポイントシステムによる集客力の高さ。
Amazon・楽天市場と比較して分かったQoo10の課題
商品や販売店舗への信頼が弱いこと
利用者が若者の女性に偏りすぎている
会員になるメリットをさらに増やすべき
EC市場で大きな影響力のあるブランドになるためには、多くのユーザーにリピートしてもらうことが重要だと考えられます。
Amazonと楽天の企業理念で共通しているのは、顧客を大切にすることを重視している点です。顧客の信頼を得て、日常から利用される・親しまれるサイトを目指して活動しています。
Amazonでは、様々なサービスを提供することで利用者の日常の一部として溶け込み、さらに生活を豊かに・便利にするような取り組みを積極的に行っています。
楽天では、多くのサービスを利用することでポイントを貯めながら楽しくお買い物する場を提供し、私生活での消費をお得にするような取り組みが多く行われています。このように2つのブランドは違った形で顧客に寄り添っています。
Qoo10にも多くの魅力が存在するのも事実です。その強みを活用して、さらに利用者を注目させるような取り組みを行えば、ECサイトとして成長していくのではないでしょうか。
今回は、3つのECサイトを紹介させていただきました。気になるサイトや利用してみたいサイトはありましたか?それぞれのブランドのHPを記載しておきますので、気になる方はぜひ調べてみてください!
◆Qoo10
◆Amazon
◆楽天市場
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