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ミリオタで平和主義者、宮崎駿のジレンマ
スタジオジブリの「ジブリ」はモロッコの強風から名前を取ってます
建前ではそうなってます。
でも宮崎駿が先に「じぶり」という音を聞いたのはイタリア軍の偵察飛行機のほうだと思います。
彼は「自然を守ろう」「争いは良くない」「命は大事だ」「生きろ」そういいながら、
過去にはムーミン谷に戦車を登場させたことがあります。もちろん原作にはありませんし、ムーミンの作者とその思想を受け継ぐトーベ財団?からしたら「ふざけるな!!」ですよ。かなり怒られたそうです。スナフキンのような反抗は美徳とされましたが実際の戦争を想起させるものなんてとんでもない!(笑)
それぐらいミリオタなんですよ、彼は。でも同時に(年齢的に従軍はしてないが)戦時下の記憶がある世代です。戦争がどんなに嫌なものか、実体験で骨身に染みるほど知ってもいる。
私の記憶が確かなら、宮崎駿さんはかつて飛行機工場の息子として生まれ、でも敗戦が近づき、疎開しよう!と車にぎゅうぎゅう詰めに乗り込んだときに荷台から
「僕も乗せて」と言っている少年を見殺しにした大人たちをその目で見ているんです。
そして、何もできなかった自分も見てる。
なのに今もミリオタ(笑)
紅の豚で「これじゃ戦争の空中戦の動きだ!違う!」ってスタッフの作画をボロクソに言いまくった。そのこだわりを通したからあの傑作が生まれたのだけど…普通に実弾入ってる飛行艇だからね?
なんというか彼の中にある矛盾が、魅力的な作品につながっているのだと思います。
私がジブリ時代(二馬力含む)の中で一番「あー、ミリオタの血だ」と感じるのは「天空の城ラピュタ」です。
もともと「冒険活劇を描きたい!」というコンセプトでやってるので敵には強い軍事力をもたせないとダメなのですがモブの兵士たちがボルトアクションのライフルを連射するシーンとかは楽しかったのではないでしょうか?もちろん「なぜかドーラ一家に当たらない(ギャグシーンでもあるから)」なのですが、あの銃器や装備品はイギリス軍というよりプロイセン時代のドイツ軍をモデルにようにも感じます。
案外、シュワルツネッガーの「コマンドー」みたいな能天気な戦闘アクションものも息抜きに見てるんじゃないかな?
たまにはガス抜きしないと(笑)