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僕らの日々

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#振り返りnote

とあるデートの記録

とあるデートの記録

来る9月26日、前日の25日に記念日を迎えた僕らは夜に思い立って次の日にデートをする事にした。きっかけは彼女の唐突なお誘いだった。

"明日スタバでモーニングしたい"

柄にもなく彼女が朝から動こうと言うのだ。これは只事ではない。僕としてもデートをしたいのは山々だったので快く承諾し、計画を練る事にした。

朝から街に出てカフェに行き、街をぶらついた後ランチをする。その後プリクラを撮ってもいいし、あ

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憧れを首元に

憧れを首元に

これは彼女がまだ幼い頃。
彼女の母親の首元に揺れていたネックレスのお話。

この日は彼女の元上司とその奥さんとひょんな事からランチに行く事になり、急遽電車で小旅行ばりの移動をして普段絶対に行かない街へと足をすすめた。彼女の昔馴染みの店に行き、その後お茶をした。

彼女の元上司はかなり気さくな人で奥さんもまた、話の面白い人だった。なるほど彼女がこの2人を"パパママ"という愛称で呼ぶのが分かる。とても

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後悔をしない為にさ

後悔をしない為にさ

彼女はそう言って僕についさっき関わった事故の話を少し震えながらしてくれた。これは僕が彼女の家に着いて彼女を待っている間の出来事だ。

"事故処理してておそくなる!ごめんまた連絡する"

短い電話だった。一瞬彼女自身が事故に巻き込まれたのかと心配したが、さっきからやけに道路を救急車やパトカー、消防車が走っている。きっとどこかで起きた事故に遭遇したのだろう。

"別にいい人ぶる訳じゃないけどあの事故を

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アルエ

アルエ

白いブラウス似合う女の子
何故いつも悲しそうなの?
窓際に置いたコスモスも
綺麗な顔項垂れてる

青いスカート似合う女の子
自分の場所を知らないの
窓際に置いたコスモスも
花びらの色を知らないの

いつか君はブランコに揺られて
幼気な目を少し伏せて
悲しい顔で俯いた
アタシは1人で平気なの

そんな歌があった。この作詞者は当時アニメのヒロインに宛ててこの曲を書いたというが、こんなにも誰かさんに対し

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昼下がり、ベンチにて。

昼下がり、ベンチにて。

最近よくこの公園に来る。そばに川が流れていて、昼間でも外で過ごしやすくなった最近は僕にとって絶好ののんびりスポットだ。風に乗って微かに川の匂いがする。それも良い。今日はここで記事を書こう。

昔からの癖で何か熱中するものがあると文字通り寝食を綺麗さっぱり忘れて何時迄も続けてしまう。プラモデルなんか16時間ぶっ続けで作っていた事もあるし、ゲームなんか3日間寝ずに攻略法を探したりしていた。今の僕にとっ

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食べてる君の顔が好きだから

食べてる君の顔が好きだから

彼女が喜びの舞をしている。あまり喜びを露わにしない彼女がこうまで喜んでいる。そう、コンビニの惣菜コーナーにバターチキンカレーを見つけたからだ。

ここ3日間程彼女はバターチキンカレー連続記録を更新し続けていた。(昨日1日空いてしまったのが非常に残念という他ないが)

そして来る今日。色々あって僕は彼女と一緒に家を出た。だらだらと電話をしていたのだが僕が駅に着いてすぐに彼女から豪速球キラーパスの依頼

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ロードトゥ彼女ん家

ロードトゥ彼女ん家

電車が嫌いだった。いや、正確には出勤の時間帯の電車が嫌いだった。そもそも他人の臭気というか気配というか、そういった類のものが僕は元来好きではないからだ。群れるのも基本的に好まないし、より大勢の人との関わりを持たなくては!といった強迫観念じみた、あの人脈至上主義みたいなものはちょうど僕が二つ前の仕事を辞める時に捨てた。

何より人と関わるとそれだけ面倒事が増える。日常生活に置いて無用なトラブルはなん

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はんぶんこ。

はんぶんこ。

僕と彼女は気持ち悪いくらいに似ている。それでいてあり得ないくらいに正反対の部分を持っている。次話す言葉が分かったり、流してもいない曲の同じ部分を歌い始めたり、ふと口から同時に溢れる言葉が一語一句間違わずに同じだったりする。かと思えば僕は物事をすぐに分解して深く考えたがるのに対し、彼女は見たまま感じたままの直感タイプ。

そんな風な僕らだからたまに意見が合わない時もある。何かを半分こしようとすると、

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現実と彼女信仰

現実と彼女信仰

昔から神社は好きだった。地元の神社は子供達の(少なくとも僕の)神話体系においてかなり重要な役割を持っていたと思う。それは未知への畏怖で、同時に人外の偉大な力に守られると言う安堵感だった。特に信仰があるわけでもない僕だが、古くから人々が心の拠り所にし、何かあれば祈りを捧げていた神社仏閣に壮大な歴史と人々の想いを感じる。それに想いを馳せるのが好きだ。

ところで、日本古来のシャーマニズムは神に姿を持た

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13畳ワンルームで僕らは旅をする

13畳ワンルームで僕らは旅をする

布団は床に敷く。ベッドフレームは僕ら2人を抱え切れるほど強くなかった。愛し合うたびに彼は悲鳴を上げてその悲痛な叫びが部屋にこだましていた。流石に可哀想だと思った。

この13畳のワンルームは彼女の部屋であり、僕らの動く城であり、互いを閉じ込めておくための牢獄であり、そして何よりもう一つの隔離された世界だ。ここに居れば外界からの全てを断ち切って2人になれる。世界に2人だけみたいだねなんて言える。雨が

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僕らは夜のコンテナ置き場

僕らは夜のコンテナ置き場

夏の前の静かなコンテナ置き場には中身が抜かれた空っぽのコンテナ達が暗い海を寂しそうに見つめるばかりで何もない。そう。何も無い。少し蒸し暑くて夏へと羽化する春が発する少し湿った甘ったるい匂いが立ち込めている以外何も無い。だから僕らはそこに惹きつけられたのかも知れない。

彼女の家の最寄り駅にある居酒屋で飲んだ次の日の事。次、いつあえる?なんて言われた僕は(本来なら駆け引きとかそう言った観点から少し焦

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