徒然|本の装ひ堂を知ってもらうために。
本の装ひ堂のブックカバーを取扱いたいとのお申し出をいただくことが多くなった。
手放しで喜びたい気持ちはあるが、現実はそうはいかないことが悲しい。
当店のお客さまが少ないエリアでは、かなり厳しい結果になるからだ。
誰も知らない地で開催することは一見、可能性を多く見出せるような気になるけれども、ある程度既存のお客さまがいてくださらないと、話は広まらないものなのだ。
また、その地で開催することを喜んでくださるお客さまの顔が見えなくて、装ひ堂本人も苦しい。
当店のブックカバーは、布製のカバーの中では値が張る方だと思う。なので、装ひ堂式の存在や工程の多さ等を知らなければ、他の布製ブックカバー屋さんの商品に流れていく。
当たり前だ。
私でもその部分の説明がなかったら、違いなんてわからない。
数年前、大阪の(皆さまお馴染みの)とある書店さまから取り扱いのお話をいただいたときも、私は「スタッフさんのお手を煩わせる商品ですよ?」と答えた。
今よりももっと本の装ひ堂や装ひ堂式ブックカバーのことを知っている人は少なかったし、『一見何の変哲もない布製のブックカバーがこの価格である意味』を説明してもらわなければ、お客さまには見向きもされないとわかっていたからだ。
そんな風に付きっきりにならないと売れない商品なんて、作った本人が手売りする以外に道はないと思っていても仕方がないこと。
だからこそ、その書店さんの売上げ数に驚愕したし、屋号や機能を多くの方に知っていただくことで、ジレンマから解放されていくのだと知った。
装ひ堂式ブックカバーをイベントでお買い上げくださるのは、当店のことを既にご存じである方が殆どだ。
その場で『初めて知りました』という方がお買い上げくださるのは、たぶん全体の10%にも満たない。
通りすがりに買うには、価格がネックなのだとわかっているからこそ、事前に装ひ堂式の機能や縫製のこだわりなどを知っていただき、価格を知った上で検討するというワンクッションが大事なのだと思っている。
だから私は、事前の告知をしつこいくらいやるのだ。
来店くださる方と出店する私のお互いにとって、一番ストレスになるのは、価格についての気持ちのすれ違いだから。お互いが納得できる場合のみ、売買成立できればいい。
文庫サイズ…2,530円〜2,860円
S文庫サイズ…2,750円〜3,080円
新書サイズ…2,750円〜3,080円
ポケミスサイズ…2,750円〜3,080円
🆕御書印帖専用サイズ…2,860円〜3,190円
ビジネス書サイズ…3,080円〜3,410円
ハードカバーサイズ…3,630円〜3,960円
弊店のお客さまは、事前に価格を知ってくださっているから、お買い物が計画的だ。
本当に感謝しかない。
この価格は、本の装ひ堂が本の装ひ堂を長く続けていくためのもの。
気になる方は、ぜひ文学フリマにお越しくださると嬉しい。
【文学フリマ東京38 出店します】
📍ブース:ち-35〜36
🗓5/19(日) 12:00〜開催
🏢東京流通センター第二展示場 Fホール(2F)
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