本の挿絵が好きだ。
本を読んでいると、
「あと何ページあるんだろう。」
という気持ちになる時があります。
イマイチ乗ってこない本、相性の悪い本がそうです。
読み進めるのが辛くなってしまい、つい残りページが気になってしまう。
そこで読むのをやめてしまう時もありますが、世間で名著とされていたり、〇〇の金字塔などと言われている本だと最後まで読んだ方がいいように感じてしまいます。
それだけ評価されているのでしたら、これから面白くなるはず。
ですが、気持ちは国際線の飛行機で長時間エコノミーの狭い席にいるような気分です。
早く降りたいなー、と思って目的地までの距離を見てはウンザリするような。
そんな時に私を救ってくれるのが本の挿絵です。
挿絵は邪魔と感じる方もいると思いますが、私は好きですね。
そこに描かれた物語の情景が、自分の想像と同じであろうと無かろうとホッとした気持ちになります。
砂漠でさまよい絶望する中でオアシスにたどり着いた旅人のような気持ちでしょうか。
ここで一息つくわけです。
この挿絵は作者さんもオーケーしたのかな。
もしそうなら作者のイメージ通りということか。
自分が思っていたのと少し違うな。
など考えながら、安全地帯であるそこにしばし滞在します。
そしてリフレッシュして気分を盛り返すのでした。
ただ、いつまでもそこに居続けるわけにはいかず、先に進むことになります。
また苦しい旅が始まり、私は次のオアシスである挿絵を目指すのでした。
ところが、いつまで経っても次の挿絵にたどり着けない場合があります。
そうなると辛さが好奇心を上回り、、、。
「あー、もういいや。」
ページを飛ばして次の挿絵までワープします。
そうなるともういい加減なもので、遂には読むのをやめて、Wikipediaであらすじを解読して完了。
一応ですが、その名著がどんな話だったかは機械的に理解したことになりました。
ところで、私は子供の頃から「シートン動物記」とか「ファーブル昆虫記」などの自然科学系の本や、「月世界旅行」とか「ロビンソンクルーソー」などのアドベンチャー系の本が好きでした。
その中で時折り出てくる挿絵のページが大好きだったのです。
特に好きだったのはモノクロのペン画でした。
文庫本は大抵の場合はモノクロ印刷ですから、ペン画はとてもいい味を出してくれます。
リアルな劇画風の挿絵を見ては興奮したものです。
子供の頃は探検家や動物学者になりたいと思っていましたが、今は会社員として人間社会をサヴァイブしています。
文+イラスト : ケーモティック
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