4年ぶり制限なし開催で盛況 第12回紫熊祭レポート 1日目【写真特集あり】
待ちに待った紫熊祭が幕を開けた。第12回紫熊祭は4年ぶりの無制限開催となり、初日は平日にもかかわらず多くの熊大生の他、周辺の中高生や地域住民が訪れて盛況となった。紫熊祭は4日(土曜日)まで3日間開催される。
1日目の今日、メインステージではオープニングから書道部や歌うま王などの企画が盛り上がりを見せた。「歌うま王」では参加者6名の歌唱が終わったあと、余興として紫熊祭実行委員長がコスプレをしたバックダンサーを引き連れてサカナクションの新宝島を熱唱し、観客を盛り上げた。
各サークルなどが出店した屋台周辺は売り子や客で賑う大盛況ぶりだった。このうち書道部ではホットサンドを販売。ドリンクを注文した際、紙コップに書道部員が客がリクエストした言葉を筆ペンで書くサービスを実施して、客を楽しませた他、各サークルでは販売員が趣向を凝らした宣伝で客を呼び込むなど、昨年よりも格段に活発な光景が見られた。
全教棟や野外では様々なサークルが企画や展示が行われた。
天文部の企画ではプラネタリウムと物品販売、スペースファイターというカードゲームが開催された。プラネタリウムでは、春夏秋冬それぞれの星空の上映をしていた。ドームやピンホール式投影機は全て部員の手作り。ドームの明かりが消され暗闇になった時、20人ほどの観客から歓声があがった。カウントダウンののちプラネタリウムが点灯され、一面が星に包まれると再び歓声があがり、部員によって夏の大三角やさそり座、射手座といった夏の星座の解説が行われた。
また、さそり座にまつわる話として、力持ちで強いことで調子に乗ったオリオンという男が神々の怒りを買い神が遣わしたさそりによって殺されてしまった話をあげた。故にオリオン座はさそり座が沈まないと姿を現さない。実際に投影機を回してさそり座が沈むとオリオン座が昇ってくることを確認すると一段と盛り上がりをみせた。
土木建築学科では毎年行っている「建築展2023」を企画。「熊本でオリンピックが開催されたら」という設定で建物や都市設計を行い、半年かけて作り上げたジオラマを展示した。代表者は「毎年3年生が創意工夫をして作り上げている。授業とは関係なく、学生の自主作成でやっているので、力が入っている」と自信を見せた。
化学実験場(重要文化財)では「恐竜化石コラボ展」が開催されており、御所浦、御船町、甑の3つの博物館と熊大理学部による協力で、熊大による調査・発掘の成果報告を豊富な展示物とともに行い、会場の真ん中に展示された「エドモントサウルス」の化石標本に参加者からは「大きい」「こういうのを見るとテンションが上がる」などの興奮した声が聞かれた。
熊本大学文書館は企画展として「熊本総合大学期成会資料展」を開催。戦後の学制改革により1949年に熊本大学が成立していく過程の中で、県および県内市町村や第五高等学校などの前身諸学校の代表者らが活発に陳情や計画策定などを展開したことから、熊大成立期の貴重な資料を展示し、熊本大学誕生の道筋を紹介した。
映画研究部撮影班は新作3本のプロットや制作風景、出演者のコメント、撮影機材などを展示し、映画鑑賞や撮影の楽しみをアピールしていた。美術部と教育学部美術科はそれぞれ作品展示と物品販売を行い、美術科の学生は「ほぼ4年ぶりの参加だが、思ったよりも来場者が多い」と笑顔。美術部の物品販売ではポストカードやイラスト入りカレンダーなどが人気だという。
実行委員会主催の「お笑いライブ2023」では吉本興業の「アキナ」「ゆにばーす」の2組が登場。明るく元気に会場を盛り上げた。会場には笑い声が響き、ライブの最後には来場者のうち抽選で4名にサイン入り色紙が手渡された。
1日目は平日とあって来場者は学生が主体であり、ある理系学生団体のテントでは「人数的には今日はたいしたことじゃない。金・土曜日こそが本番だ」との声が聞かれた。一方で、学生が大半とはいえ、入場制限があった昨年とは段違いの人出で、文化系サークルのテントで話を聞くと、「4年前と同じ数(去年の数倍)を用意している。全て売り切る」との意気込みが聞かれた。
一方で、昨年よりも3倍近いテントが出店しているため、販売する食べ物が被る事例もあった。他にもテントでは食べ物販売がメインであるため、テント間で「販売競争」が生じているのも昨年との大きな違いとなっている。学生が複数のテントで一つずつ購入して食べ比べ、味などの評価を友人に共有する、という姿もみられた。4年ぶりにテントを出展したサークルの代表者は「以前と同じ量を用意したが、正直今年がどれくらい売れるかわからない。ノウハウが途切れているから手探り状態」と語る。
ノウハウの問題は実行委員会も同様のようで、昨年と比べて企画数や規模などが大幅に拡大した関係で、部署間の連絡がうまくいかなかったり、サークルや一般参加者向けの会場内ルールを規制があった前年通りに発表してしまうなどのミスがあった。法学部の学生はパンフレットの誤植の多さなどを指摘した上で、「(誤植の件は)実行委の方ではかなり慌てたと思う。経験者がいないから、記録や伝承に頼らざるを得ないところはどの団体も同じだが、来年以降の紫熊祭が円滑に運営できるように、今年がノウハウや実績を築き直す機会になればいい」と意見を述べた。
夜になると五高記念館もライトアップされ盛り上がりは最高潮に。教育学部・松永教授の企画によるジャズ研の演奏とライトアップのイベントには多くの人が訪れた。初日で650食以上を売り上げたテントもあり、紫熊祭1日目は大成功を収めたと言っていいだろう。
明日はメインステージで午前10時から熊大お笑いサークルによるライブが開催されるほか、午後3時45分からはミスター熊大コンテスト、午後5時30分からは武夫原会グラウンドで夜の筋肉祭NEOが開催される。また、サークル企画や展示はほとんどが3日間を通して行われる。興味がある方はぜひ足を運んでみて欲しい。
(第12回紫熊祭取材班)
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