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未来を自分ごとにする方法?都市の課題解決に市民を巻き込むには!? 最新研究を深掘り

「未来のこと考えろ」って言われても、正直ピンとこない…なんてこと、ありません? 地球温暖化とか、エネルギー問題とか、なんか他人事みたいに感じちゃったりして。でもね、最新の研究によると、未来をより良くするカギは、意外と身近なところにあるみたいなんです。

今回注目したのは、学術誌『Cities』に掲載された論文「Envisioning alternatives in pre-structured urban sustainability transformations: Too late to change the future?」(代替案の構想:既定路線上の都市のサステナビリティ変革において、未来を変えるには手遅れなのか?)。ちょっぴり難しいタイトルだけど、内容はめっちゃ面白いんです。この論文では、都市が抱える課題を解決するために、私たち市民がどう関われるのか、その可能性と課題を、これでもか!ってくらい詳しく分析しているんです。

執筆したのは、アストリッド・C・マグナスさんをはじめとする、都市計画とか市民参加の専門家集団。彼らは、ヨーロッパのスマートシティプロジェクト「IRIS」を舞台に、ちょっと変わった実験をしてみました。それは、市民参加型のワークショップを通して、未来の都市の姿をみんなで描き、具体的な解決策まで考えちゃおう!っていう、ワクワクする試みなんです。


未来をデザインするってどんな感じ? 体験型ワークショップに潜入!

この研究のすごいところは、「Ladderモデル」と「Scopeモデル」っていう、2つのオリジナルツールを開発して、ワークショップで実際に使ってみたところ。参加者が主体的に未来を想像し、議論し、具体的な計画にまで落とし込めるように、工夫が凝らされているんです。

Ladderモデルとは?

例えば、「Ladderモデル」は、市民参加の“深さ”をはかるモノサシみたいなもの。一方的な情報伝達から、市民がガッツリ意思決定に関わる段階まで、プロジェクトの内容に合わせて、どのくらいの参加レベルが適切なのかを考えます。具体的には、プロジェクトにおける市民の関わり方を、いくつかのレベルに分けて明確化します。

  • 情報提供: プロジェクトの内容を市民に知らせる段階(例:ウェブサイトでの公開、説明会の開催)。これは、あくまで“知ってもらう”ことが目的ですね。

  • 意見聴取: 市民から意見や要望を聞く段階(例:アンケート調査、意見交換会)。ここでは、市民の声に耳を傾けます。

  • 協議・対話: 市民とプロジェクトの関係者が、互いの意見を出し合い、話し合う段階。より双方向的なコミュニケーションが生まれます。

  • 共同作業: 市民がプロジェクトの計画や実行に、主体的に関わる段階。アイデアを出し合ったり、実際に手を動かしたりします。

  • エンパワーメント: 市民がプロジェクトの意思決定に、大きな影響力を持つ段階。市民が主導権を握るようなイメージですね。

Scopeモデルとは?

「Scopeモデル」は、アイデアを具体的な行動に移すための“設計図”みたいなもの。プロジェクトの進行をいくつかの段階に分け、それぞれの段階で必要な活動内容や、担当者、必要な資源などを具体的に書き出していきます。未来のビジョンを描くだけでなく、「いつ、誰が、何をするのか」を明確にして、実現可能性を高めるのが狙いです。

  • アイデア創出: 新しいアイデアや解決策を生み出す段階(例:ブレインストーミング、ワークショップ)。

  • 企画・計画: アイデアを具体的な計画に落とし込む段階(例:目標設定、スケジュール作成)。

  • 実行・実施: 計画に基づいて、実際に活動を行う段階(例:イベント開催、システム構築)。

  • 評価・改善: 活動の成果を評価し、改善点を見つける段階(例:アンケート調査、効果測定)。

まず、「Ladderモデル」で目指す市民参加のレベルを明確にし、そのレベルに合わせて、「Scopeモデル」で具体的な行動計画を立てていく、という流れだと思うとわかりやすいかも!


理想と現実の距離は? ワークショップで見えたホンネと課題

研究チームは、フランスのニース、スウェーデンのヨーテボリ、オランダのユトレヒトっていう、ヨーロッパの3つの都市で、実際にこのワークショップを開催。それぞれの都市が持つ文化や課題、市民の意識の違いが、ワークショップの結果にどう影響するのか、徹底的に調べ上げました。

ワークショップの結果からは、理想と現実のギャップも、正直に見えてきました。ニースでは、すでに都市開発の計画がかなり進んでいて、「今さら市民が意見言っても…」みたいな雰囲気もあったみたい。一方、ヨーテボリは、市民参加には積極的なんだけど、ワークショップが1回きりで終わっちゃって、「それで、これからどうするの?」みたいな課題が残ったようです。

でも、ユトレヒトでは、ワークショップでの市民のアイデアが、スマート街路灯の計画にちゃんと反映されたんです! 夜道の安全性とか、省エネとか、市民ならではの視点が盛り込まれた、本当に住みやすい街灯が実現しそう。この違いを生んだのは、研究チームによると、次の4つの要素なんだとか。

  1. 制度設計の妙 = プロジェクトが始まる前から、市民が参加できる仕組みがどれだけ用意されているか。

  2. 地域に根付く参加意識 = どれだけ多くの人が「自分たちの街は自分たちで良くするんだ!」っていう気持ちを持っているか。

  3. 計画の初期からの市民参加 = プロジェクトの最初っから市民の声を聞く余裕があるかどうか。

  4. 未来を語るための“お膳立て” = ワークショップの手法が、参加者の創造力を刺激し、具体的な行動に繋げられるように工夫されているか。

これらの要素が絶妙に組み合わさることで、ワークショップの効果が大きく変わってくるってことみたいです。なんだか、料理のレシピみたいで面白いですよね。


この研究が教えてくれる、未来を面白くする方法

この研究のすごいところは、これまで学者が「成功の条件」ばかり語っていた中で、「制約がある状況でも、どうすれば市民の力を最大限に引き出せるか」っていう、めっちゃ現実的な視点をくれたところ。

これまでの研究だと、「市民参加には時間もお金も必要!」とか、「市民が乗り気じゃないと無理!」みたいな、ちょっと諦めムードな意見も多かったんです。でも、現実はいつも理想通りとは限らない。この研究は、そんな制約がある中でも、知恵と工夫次第で、未来は変えられるんだって教えてくれます。

例えば、もう計画がガチガチに固まっているプロジェクトでも、ワークショップで市民の声を聞けば、「それ、ちょっと使いにくいかも…」みたいな、改善点が見つかるかもしれない。一回だけのワークショップでも、その後に継続的な話し合いの場を設ければ、市民のモチベーションを維持できるかもしれない。

この研究って、都市計画とか環境問題だけじゃなくて、いろんな分野の課題解決に応用できそうじゃないですか? 大事なのは、「どうせ無理だ」って決めつけちゃうんじゃなくて、今の状況を冷静に分析して、市民のアイデアや情熱を最大限に引き出す方法を考え抜くこと。

「未来って、誰か偉い人が勝手に決めるもんじゃない。私たち一人ひとりが、もっと積極的に関わって、創っていくものなんだ」。この研究は、忘れかけてた、そんな大切なことを思い出させてくれる、未来への希望に満ちたメッセージなのかもしれません。

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