長野 千畳敷カール
千畳敷カール。ネットで検索し写真を見ては、「行きたいな…..でも行くには少し大変そうだしな」をエンドレスで繰り返しなかなか行くことができなかった。
家でだらだらしながらスマホを見ていると、TVの天気予報で「駒ヶ岳方面は雲一つない青空」という予報が流れ、今しかないと考えて勢いで行くことを決めた。
当日は朝早く起き、千畳敷カール行きの専用バス、ロープウェイを乗り継いで千畳敷カールを目指すことにした。
朝早かったにも関わらず、すでにバスは満席。見送ろうと諦めていると、見るからに登山慣れした初老の男性が席を空けてくれて、なんとか乗車出来た。その男性は「こういう旅先の出会いも旅の醍醐味ですよね」と笑顔で言い、話し込んでいるとあっという間に現地に到着した。
ロープウェイを降りて、千畳敷駅(標高2612mm)に到着。ここの駅は日本で最も標高が高い「日本最高所駅」らしい。よくこんな場所に駅を作れたなと感心してしてしまった。
千畳敷駅は少しだけひんやりとして空気が美味しい。そして目の前に広がるこの壮大な景色。人間は年齢を重ねるにつれて感動のハードルは上がっていくと思うけど、この景色を見た時には思わず「…すごい」と自然と声が出てしまった。
写真だと大自然のスケールが伝わらないのがちょっと悔しいけど、実際に現地に来て味わって見てほしい。
ちなみに千畳敷カールは氷河時代に形成されたカール地形(半円状の窪地)が由来で、畳を1,000枚敷いた広さがあることから「千畳敷カール」と呼ばれているらしい。実際に見てみると、言葉で表現できないほどの雄大さがある。
現地に着いてからは、ロープウェイ乗り場から1時間ほどで到着する乗越浄土という場所を目指すことにした。一応軽登山できる格好で行ったけど、運動不足なこともあってなかなかきつい。喉もカラカラになりながら、どうにか到着した。ここからさらに進むと木曽駒ヶ岳や中岳に行けるらしいが、装備的にもここが限界と考えて、折り返すことにした。とはいえ、標高が2800mmを超える場所。とにかく気持ちがいい。風を全身で感じながら、持ってきた麦茶をごくごく飲んでいた。
1時間ほど滞在し、ゆっくりと下山することにした。スタート地点を遠くから眺めていると、よく登ってきたなと感心してしまった。
ようやく千畳敷駅に到着し、名物?であるカレーパンもゲット。パクパクと口に頬張って、帰りのロープウェイへと飛び乗った。
松本市内に到着する頃には、すでに日が沈み始め、街は夕陽の色に染まり始めていた。帰りに松本で有名なトンカツ屋でカツ丼を食べて帰ることにした。登山後のご飯ってどうしてこんなに美味しいんだろうね。今日もいい旅だった。