パパはなんでも知って・・・いない!
「推し」の子が目の前、手届くところに。
「キャー!! シュントー!! シュントー!!」
前のめりになり過ぎ、倒れかかった。
前の人にかぶさる・・・瞬間、足指グニッ。
BE:FIRSTライブ。ぼくの隣で叫び続けた妻の話。
以来、左足をかばうように歩いてる。愛用のおしゃれスニーカーでは痛い。
買いに行きましょう、どこか相談乗ってくれるシューフィッターさんいるでしょう。梅田出た。念のため、自転車で。帰り、足が痛くて歩けない場合のため。
最初に行った阪神百貨店で彼女の直観が働いたらしく、ついていくとハルメクのコーナー。
靴がある。
接客に出てくれた女性シューフィッターさんに事情を話す。
彼女はハルメクの靴のメカニズムを詳しく説明してくれる。
売り込み、ではない。
あくまでメカニズム。
「・・・ということなのですが、お客様のお話をお聞きする限りでは、ひょっとすると合わないかもしれません」
売り込みしない。
履いてみる。さっきまでの痛みが消えた、という。
お気に入りの黒をその場で買うと決断、「このまま履いて帰ります」。
担当者、戸惑って、「慣れるまで、まずはご自宅の中で何日か履いてみて、それから外に出ていただくのが理想なのですが・・・」
それでも履いて帰る、と言うと、「わかりました。少しでも違和感を感じることがありましたら、今日履いて来られた靴に履き替えていただけますか」
彼女は、プロフェッショナル。気持ち良い。
その後、半日、かなり歩いた。10,000歩以上歩いた。全く痛みがないという。歩き方も、自然になってる。
ハルメク、すごい。
妻いわく、以前からハルメクは知っていた。でも、「私より年配の人たちのもの、っていうイメージがあって・・・」簡単にいうと、「ババ臭い」んじゃないかと抵抗あったらしい。
もちろんいまでも自分はターゲット外の若者と思っているが、今回「シュント名誉の負傷」をカバーするため、「やむなく」買ったとのこと。
マーケティング実務者として、気になるので調べてみた。
なんと、雑誌が右肩下がりの中、『ハルメク』誌は発行部数日本トップ(46万部)。
書店では買えず、年間定期購読契約した家庭へダイレクトに届く。
読者参加型の誌面作り、商品企画をしている。読者から手書きのご意見ハガキが毎月2000通。全部に目を通し、読者=顧客のホンネ(悩み・困りごと)を探る。それに的を当てて商品企画。できた商品について読者モニターから意見をもらい、改良する。
1999年、書き下ろしデビュー作『パーミション・マーケティング・セミナー』で「これからは顧客参加型市場になる」と予言した。本が出たのは2000年4月だが、原稿書いたのは1999年末。今から四半世紀、25年前だ。
これまでは商品の提供価値を企業がつくった。
提供価値の成分の100%が企業。
これからは提供価値の成分に顧客の意見が入る。
これが本来の的を外さぬ姿であり、これまで企業は、当たるも八卦当たらぬも八卦、ストラックアウトやってた。
ところが企業は顧客のことを知っているようで、知らない。
顧客成分を入れることで、確度が高まる。そして、インターネットというインフラが浸透すればするほど、顧客参加型市場は充実していく・・・
ハルメクは「歩き方」などの特集で、読者を巻き込む。歩き方指導を受けるビフォアフター、実際の写真を掲載し、本人の感想も掲載する。
読者は自分がモデルになれば、確実に、買う。読む。
70代の読者モデル、かつてはJJの読者モデルだった人たちだ。
そりゃ売れるよ。
そしてぼくはこんな予言もしてた。25年後、現実化している。
『ハルメク』、紙の雑誌であり、商品お店で買ってもアプリで登録、とはなってない。電話番号が顧客IDになり、ポイントも管理される。
なんでもかんでもアプリ、スマホ、ではない。internet-less。
46万人の読者はみんなまだアナログだ。ちゃんとそこ、つかんでる。
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