ブランドを強くするステップ2つ
「ブランドを強くする2つのステップ」についてお話します。
空はなぜ青いのか
太陽光にはさまざまな波長の光が含まれていて、その波長によって色が違う。
波長が一番短いのが青。
昼間の空は青い。
太陽光が空気分子にぶつかって四方八方に分散されるから。
夕方は波長の一番長い赤が残る。だから夕焼けは赤い。
空気のある地球だからこそ成立する空の青。
火星の夕焼けは青い。
太陽光がぶつかる分子の都合だろうね。
火星、行ったことないからわからんけど。
以上、ドラマ『宙わたる教室』第一話を参考にしました。
この、光の性質はa priori(ア・プリオリ)先天的、論理的に証明できる。
a priori(ア・プリオリ)先天的
と
a posteriori(ア・ポステリオリ)経験に基づく
の2つがある。
「三角形の内角の和は180度である」 ア・プリオリ
論理的に証明できるし、非・属人的。誰がやっても同じ結果になる。
地球に住んでいる人全員、
「空は青い」。
一方
「ディズニーシーは楽しい」はア・ポステリオリ
経験に基づく。人によって楽しいか、楽しくないか変わる。
マーケティングやビジネスで「これは正しい」とされていることが、実はア・ポステリオリであるにも関わらずア・プリオリなものになっていると危険だ。
たとえば;
「消費者は合理的な判断をする」
「SNSでバズらせたらもっと売れる」
「フォロワー数が多いほど良い」
「せめてインスタくらいはやっておかないといけない」
どれも「場合による」「業種による」。
ぼくがコンサルティングするとき、最初にするのは、「ア・プリオリ」と「ア・ポステリオリ」を明確にすること。
「それって、ほんと?」
物理は高校時代から好きで、ずっとやってる。最近ハマってるのが量子力学で、勉強すればするほど、ぼくたちの常識がいかにニュートン力学に縛られているかわかって面白い。
ソウルの、意識高い系の人が通うPyunkangyul Flagship Store(肌に優しいスキンケアコスメ)。
借景が美しい店内、おしゃれですっきりし、世界観が反映されている。
動画で見る限りなのだが、ぼくが直観するのは
「あ。ここ、固定費型ビジネスだな」
個々の商品の粗利は高いけれど、たいていは観光スポットとして訪問し、せいぜい一つお土産に買って帰る程度だろう。そうすると、なかなか損益分岐点を超えない。
フラッグシップストアと位置づけているから、おそらくここは広告宣伝メディア。
実際の毎日の売上は別の流通戦略をとっているに違いない。
バランスシートも予想がつく。
これなどは、YouTube動画を見るだけでわかる。とはいえ、これは空が青い理由と同じア・プリオリではない。あくまでぼくのビジネス経験が言わせるア・ポステリオリに過ぎない。
ヤマサ鮮度生活 丸大豆しょうゆ
のパッケージはスヌーピー。
かわいい工夫が山盛りされている。
が、一番重要なのは「鮮度をいかにキープするか」というスペック部分であり、さすがヤマサ、ちゃんと機能配慮している。
開封後、常温保存で120日間酸化を防いで、しょうゆの鮮度キープ。
そのための工夫がボトルデザインされている。
2重構造になっていて、かつ、中栓がないためすぐに注げる便利さも。
スヌーピーの可愛いデザインはあくまでもアイキャッチなのだ。
「ボトルデザイン+中栓なし」はヤマサの長年のしょうゆへのア・ポステリオリな知見・経験が注入されており、「買う理由」「選ぶ理由」になっている。
ということは、
第一に;業界のア・プリオリな「常識」を疑い、捨て、
第二に;自社の蓄積してきたア・ポステリオリな知見・経験をいかに「買う理由」「選ばれる理由」に仕上げるか
ということが、ブランド強化のステップだとわかった。