顧客起点を理解する

ポイ活ってのがあるらしい。
朝、出がけ、テレビの情報番組で特集やってた。
Google AIに聞くと;

ポイ活とは、買い物などでポイントを貯めたり、貯めたポイントを活用したりする活動のことです。

とのことらしい。他にもいろいろ記事が出てくる。

この前、起点が大事って話をしました。

この時、「売る」側の起点の話だったんだけど、当然ながら「買う」側にも起点があるよね?
買う理由。

ポイントを貯める・使う
というのは、ポイントそのものが起点になってるわけで、そうなると、商いやる側の世界観とか価値観は全く関係なくなる。

商いやる人・店・会社は山ほどある。
「世界観なんてのは考えたこともねーや」
なんて人も、いる。
そういう店でも、これまではなんとか商売やってられた。
極端な話、「安いだけ・他に何の取り柄もない」ネットショップでもやってこれた。

でもぼくがここんとこよく言う「インフレ×連休11回の2024年」経済においては、家計の実収入が下がるから、「しょうもないもん、買うの、やめよう」という心理が働く。

だから昨年秋以降、特に今年になってから顕著だが、「安いだけ・他に何の取り柄もない」ネットショップは坂道転げ落ちるように売上落としてる。

これらの商いには自分に起点がない。
買う側の「ポイント使う・貯める」起点で細々と売れてるが、こういうのを商売とは言わない。

ネットショップてのは、アマゾンしかり、楽天しかり、「届けてくれる便利」が買う側の起点だった。

日本に普及して20年、もはや生活インフラになった。蛇口ひねれば水が出る、という感じの「あたりまえ」に。

そうすると、「届けてくれる便利」起点だけでは売れない。

一休が売ってるものは「ホテル予約の便利さ」。利用客にとってはこれが起点になる。ただ、ホテル予約サイトは他にもあるし、ホテル自身「当サイト予約が最安値!!(最低価格保証)」と叫んだりしてる。

榊淳社長が「戦略変数、ものすごく狭い」とおっしゃっているのは宜(むべ)なるかな。「バリューチェーンがものすごく薄い」とも。わかります。

顧客起点(買う理由)を考えると、次の一手が見えてくる。

データがいろいろある。
そのデータのカタチがどうあったらお客さんが喜んでくれているんだろう
と考える。

通常は、データを見て、分析するよね?
そうじゃなく、顧客起点(喜ぶ理由)が満点になったら、どんなデータのカタチになるのか。逆転させる。

これはぼくが会社の財務諸表、とくにバランスシートでやってる。

健康的な経営、キャッシュのあり方だったら、バランスシートはどんなカタチになるか。

現時点、JOYWOWのバランスシートはその理想形になってる。

明日から出張。

ミニサイズのマウスウォッシュ買いたい。ミニサイズはふだんよく出入りしてるコンビニやドラッグストアには置いてない。どうするかなあ。

入ったことないドラッグストアにさしかかった。「ここにあるよ」と閃いた。

入ると中島みゆきが「時代」歌ってる。
早朝に「時代」は重い。
どこかでおばさんが二人、元気にしゃべってる。
「時代」とおばさんのおしゃべり。かなりシュールだ。

ミニサイズ、あった。ついでだから二つ、買っとこう。

このぼくの「買う理由」は、「たまたま」であり、レジ担当二人のおばさんが私語で盛り上がってようが何であろうが、起点にならない。

リピートは、ない。

ただ、このドラッグストアのような「起点理解」(または起点音痴)はいまの日本のメジャーだ。コンビニ、スーパーマーケット、ホテル・・・

ホテルの売りは、「顧客起点を読み取って、オリジナルにアレンジする」
はずだった。

こんな体験をしたことがある。2008年ごろだ。帝国ホテル(東京)で友人の誕生日祝いをやることにした。鉄板焼レストラン、その後ティーラウンジでバースデーケーキとカードの披露。
レストランを予約したついでに、同じ電話で館内にそういうこと(ティーラウンジでバースデーケーキとカードの披露)のできる店があったら一緒に予約して欲しいと相談した。できた。

10分後、ティー・ラウンジから電話。

「せっかくご予約いただいたのですが、鉄板焼をお召し上がりになったすぐ後に、アフタヌーン・ティーではおなかが一杯ではないかと存じまして・・・」

たしかに。

「小さいケーキをご用意しておきますので、当日お好みのお茶でお楽しみいただく、という計画ではいかがでしょう」

素晴らしい! さすが帝国ホテル。

帝国に限らず、一昔前はどこのホテルでもこういうサービス・アレンジ提案をしてくれた。

ところが、いまは。
決まった商品をただ売るだけ。
商いする側の起点が弱まってるか、なくなってる。

だから、顧客側も、起点が「価格だけ」になってしまってる。
星たくさんのホテルですら。

長くなったね。今日はこのあたりでお開きとしましょう。

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