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『桜遊び』について
2022年1月の展覧会での展示と2月に行った自主企画「第二回絵から小説」に合わせて描いた3枚のうちの1枚です。
絵から小説…わたしの絵からイメージした小説や物語・詩を書いてね、という企画では明確なメッセージを持たせないようにしています。あくまで創作物同士の対話が主旨であり、わたしがこの絵ではこういうことを伝えたいんですよとはっきりさせてしまうのは一方通行となり、対話が成立しないからです。企画公開時ではタイトルも公開せずそれぞれA・B・Cと呼んでいました。これも主旨に沿っており、文を綴る側の想像に制約と先入観を避けるためです。
今回はBと呼んでいた『桜遊び』について喋ります。
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これは企画の中でも「キャッチ―枠」です。書きやすそうなやつ!を前提としてつくりました。
実は3枚中これだけ着想元があって、大人になってから知り合った人と小さい時に出会っていたらこんな感じかなあというイメージです。なので左側の子どもはわたしの2~3歳頃の髪型(こけし系ショートボブ)にしています。ちょっと顔が大人びてしまい、気分次第でおばあちゃんに見えなくもない…。
右側の子は左側の子よりも少し上の年齢で、よく喋りそうな雰囲気にしました。お山つくりで「ここはさあ」って主導してる感じです。背中の曲がり具合や寝ぐせのぴょんとしたところ、フードにひらりとついてる桜の花びらなど、細部でその人っぽさを出しています。左手に握っているのはユニの鉛筆ですが、画面が小さすぎて精細に描けず木の棒にも見えますね。投稿いただいた作品はこちらの予想通り幼馴染の物語が多かったように思います。
小さい時に遊ぶといえばわたしの年代は公園で砂遊びだったので、お砂場に。「何か春を想起させるものを」とも考えており、砂場がぜんぶ桜だったらどんな音がするかなあと思い桜で遊ぶ光景にしました。参考にした資料は海と砂浜です。
背景は想像の幅が出せるよう、現実味をなるべく減らしています。少し日が暮れたような空色は黄砂の独特の色合いも意識し、賽の河原・三途の川などもイメージソースにしています。ここにピントを合わせた方もいらっしゃって、なかなか面白かったです。
額縁は閉塞感・箱庭感が出るように厚みがあるもの(約10cm!)をセレクト。他のと厚みが合わないので梱包が大変でした。
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