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『diamond web』について

noteで募集し展覧会にて展示させていただいた作品のうちの一つです。昨年主催した「記事から絵」の日本画バージョンです。ご紹介記事をアップされてる方のみご本人の記事リンクを貼っています。

今回はこちら


この絵の元の記事は、オンライン上で存在を認知しているだれかをふと思い出して読みたくなることがあり、読み返して自分が救われることもあるし人を救うこともある、支えられている…といった内容です。(だいぶぼんやりさせた要約です)

なので「ウェブの繋がり」をキーワードの主軸にしました。背景の線はそれですね。他の記事を読み、内容や文体などから依頼者さんの色のイメージや服装を決めて展開。

最初は猫なしで描いていたものの、それだとネットワークだけになっちゃって「つながり」がわからず冷たい印象になるなあと思い記事にあった猫さんをいれました。ふわふわねんねしててかわいいですね。

にゃん

ギミックはネットワークを模した背景です。
依頼者さんの誕生石であるダイヤモンドの結晶構造とネットワークを掛け合わせています。結晶構造は線と丸だけなのに案外書くのが難しく、下絵を作る前に鉛筆で小さく書いて何回も練習しました。小学生の字みたいな図がいくつも誕生しました…。

構造ひとつ描く→デジタルで増産して配置決定→見ながら本画に手描き

ネットワークを小さなイヤホンに繋げて穏やかになれたような表情にしています。ヘッドホンだと音楽を想起させてしまったり、塞ぎ込みすぎちゃうので、程よい距離感の片耳イヤホンでおしゃれ感も出してます。

技術面では、服の下地と髪に赤系の紫を使っています。
緑の服は赤紫の上から粒子の細かい松葉緑青(スモーキーグリーン)を被せて色味に複雑さを持たせ、髪は青寄りの紫を全体に少し乗せてから髪の先にポイントで金茶を入れています。締めに描く輪郭線も金茶+錆茶で明るめに。背景に置いた水色の補色を意識して選びました。

タイトルはシンプルにモチーフ名です。誕生石とウェブ。
語呂も良く、意図も織り込めたのでかっこいいなと思ってます。


いまここまで書いてきて、文に出来そうなので書き留めますが、ご依頼品の場合、依頼者本人に寄り添う絵を描いています。もっと強く言うと「依頼した本人だけが全てを読み、感じ取れる絵」です。なので、他の見る人にとっては雰囲気を楽しむにとどまるのかなあと感じました。どうなんだろう。

見る人は感じる範囲をめいっぱい楽しんで頂いて、依頼者さんにとっては大切にして頂けたら本望です。

ご依頼、ありがとうございました!


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清世/画家
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