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『Kalki 2898 AD』
監督:Nag Ashwin
出演:Amitabh Bachchan、Kamal Haasan、Prabhas、Deepika Padukone、Disha Pataniなど
公開:2024/6/27
制作費60億ルピー(今のレートで約110億円)のテルグ映画。
これは現時点でインド映画史上最高額の制作費となっており、公開前から大きな話題を呼んでいた。
公開初週ですでに興行収入が48億ルピーを突破し、今年(2024年)公開されたインド映画のトップに。
7月15日現在の興行収入は100億ルピーまで伸びている。
まず、出演者が豪華すぎる。
世界一有名なインド映画俳優と言っても過言ではないAmitabh Bachchan(81歳!)、南インド映画界を代表する大ベテラン俳優Kamal Haasan、『バーフバリ』で世界中にファンを獲得したPrabhas、世界的にも知名度の高い名女優Deepika Padukone……。
まあ、よくこれだけ集めたなという感じ。
いわゆる汎インド映画というか、インド映画版オールスター感謝祭だ。
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この映画のあらすじを紹介したいところだが、難解すぎたので書かない(書けない)。
そのうち日本でも一般公開されて『RRR』のときみたいに話題を呼ぶだろうから、インド映画や文化に詳しい誰かが正確なあらすじを書いてくれると思う。
タイトル通り、映画の舞台は2898年。
荒廃した世界で繰り広げられる争いを描いた圧倒的スケールのSF映画。
一人の女性(Deepika Padukone)と彼女が身ごもっている胎児を巡って、6,000年前の戦争で不死身になったAshwatthama(Amitabh Bachchan)と賞金稼ぎのハンターBhairava(Prabhas)、最後の都市カーシーを支配する神王Yaskin(Kamal Haasan)が三つ巴で戦うという話。
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で、この映画がなぜ難解だったかというと、インドの叙事詩『マハーバーラタ』の延長にある話だったから。
『マハーバーラタ』から着想を得た、とかではなく、世界観や主人公が『マハーバーラタ』の延長にあるものだった。
だから、ある程度『マハーバーラタ』の知識がないと、この映画の根っこの部分が理解できない。
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映画を観た後、本屋に行って子ども向けの漫画を買って読んでみた。
なるほど、Ashwatthamaはここで出てくるのか!と納得した。
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この映画に限らずだが、インド映画はインド神話や叙事詩がテーマに組み込まれていることが多い。
だから、そこら辺の素養がない他の文化圏の人にとっては理解がしづらく、映画の表層の部分だけが注目され、その結果インド映画はイロモノ扱いされてしまうんだろうなと思った。
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