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高田馬場 - 早稲田松竹
かつて映写技師をしていた頃、興行パスというものを利用して無料で色んな映画館に出入りしていた。その頃一番お世話になった映画館が早稲田松竹だ。少なく見積もってもここだけで100本以上は映画を観ていると思う。
その早稲田松竹でトリュフォーのドワネルシリーズが上映されることを知った。
トリュフォーには余り思い入れがない。よくよく考えてみればヌーベルバーグの映画は数え切れないほど沢山観たけれど、その中で好きになった映画はほんの一部だけだ。余り相性が良くないのかもしれない。
それでも足を運んだ理由は「大人は判ってくれない」をいつかスクリーンで観たいと思っていたから。随分後回しになっちゃったなあ。他のドワネルシリーズは何本か観ているというのに。
トリュフォーの代表作にして出世作。これを観ていないがために余り大きな声でトリュフォーを語れない、という妙な後ろめたさのようなものがあった。
もっと早く観ておくべきだったな、この映画。
エドワード・ヤンの「牯嶺街少年殺人事件」や、カネフスキーの「動くな、死ね、甦れ!」に通じるものを感じたのは、いずれも少年の無邪気さ、狡猾さ、逞しさ、そして脆さを描いている作品だからだろうか。
続けて「二十歳の恋」と「夜霧の恋人たち」を観た。ドワネルシリーズは「大人は判ってくれない」を観ていなくても話は通じるけれど、観ているか観ていないかで全然印象が変わるんだな。
久々に充実した映画体験だった。