スキルの対象性と、ファシリテーションの極意
北村さんの会議、参考になりました!
先日の会議後にこんなことを言われた。よくよく話を聞いてみると、会議をうまく進行していたり、資料の準備が当日の議論をうまく踏まえたものになっているからとのことだった。
当日は、『Agu.』ブランドの今後について検討するため、フランチャイズのオーナーさんにも集まって頂き、4時間以上熱く議論していた後だけに、胸の奥からふつふつと嬉しい感情が沸き上がってきた。
今回は自分の中で、何を大切にしているのか、かき進めたい。
情報やスキルの対象性をもて!
プロジェクトや会議などメンバーと何かを始めるときに、これを意識できるかどうかは大きい。つまるところ、協同作業におけるメンバ-の発揮する得意分野はできるだけ異なり、補いあう方が良いということなのだが、なかなかすぐに「それが何か」は見つからないことも多い。
そんなときは、自ら作りたい。何かを始めるとき、そのテーマの専門家や経験者がグループ内にいないことの方が多いと思う。であれば、最初にすこしだけ経験するなり、勉強することで、先駆者になれる。
スキルにしたってそうで、口で何か言える人は多いが、実際に経験した人は少ない。議論で詰まっても「実際の経験から~」と言われると疑いようもない。だからこそ、議論をどう持っていきたいか「流れの検討」だけでなく、情報のインプットやスキルの習得を少しでもやっておくと良い。
実は、この考え方は、最初に入社したコンサルティング会社で、上司がボソッと「なんとかして、クライアントに対して情報の非対称性を作りたいよね」と言っていたことが大きな影響を及ぼしている。
当時の文脈としては、業界に精通したクライアント(社長)に対して、新たな示唆や発見を提供し、中期計画の大きな方向性に対して有意義な検討がしたかったからで、当時の自分は、クライアントの業界情報に追いつこうとするのにやっとだった。完全に追いつくことは困難だし、求められていない中で、新たな価値の提供をどうするのか?
個人的に、とてもありがたい独り言だった!
ファシリテーションする上で意識すべきこと
結局は慣れかもしれないが、『目的の明確さ』と『問いの精度』の2つを強く意識している。
『目的の明確さ』は、プロジェクトや会議のゴールである。「砂漠の中でオアシスを探せ」と言われるのと、「砂漠の南西の方角にあると言われるオアシスを探せ」だとどちらが早くオアシスを見つけられるだろうか?
何のためにやるのか?ゴールのイメージは?
そういったことがメンバーに共有されていれば、説明がどんなにつたなくても、メンバーがその拙い部分を補ってゴールに進んでくれる。メンバーもきっと多様な経験を積んでいるので、むしろファシリテーターが拙いほうが上手くいくことも多々ある。仲間を信じて、ゴールイメージの共有に力を入れる。
5W 1Hを使って言葉(見えるビジョン、聞こえる音、そのときの感覚などで共有する)で表現しても、写真を駆使してイメージで共有するのでも良い。とにかく、ゴールについて、全員が想い描くビジョンを共通化していく。
次に大切なことが『問いの制度』である。私たちの行動や言動のすべては『問い』から始まる。ランチに何を食べるかを決めるのも『問い』からで、「今日は何を食べよう?」からである。プロジェクトや会議についても、ゴールにたどり着くためには、必要不可欠な検討が存在する。
それが何か?
その検討こそが『問い』から始まるのだ。だからこそ、ファシリテーターがどんな問いを落として、議論を進行するのか。もちろん積極的にインプットを提供するとか、事前に宿題をやってきてもらう等、やり方は多々ある。ただ、1つの問いを検討し、その後、何を検討すべきか?
事前に準備できることも多いが、やはり臨機応変に再設定することも重要な要素である。そして、その問いの精度は、資料作成をすることで磨かれる。アジェンダを作成し、資料を作成する際に必ず「何を伝えたいか」と「何を検討して欲しいか」を考えることになる。それを繰り返すことで思考力があがる。
実践に勝るものはないが、どれだけやっても難しいと感じる人は、上記2つの視点を踏まえて、資料を作り込んでもらいたい。そして、できることなら、上司などに2つの視点を聞いてもらい、他人に説明することで、さらに磨きをかけて欲しい。
ちなみに、冒頭の写真で話しているのが、kitamurakujiraなる人物です(笑)