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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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#移民

悪意で燃やそうとする奴らへの消火活動/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(25.2.9-25.2.15)

あからさまなヘイト煽りを小火の段階で取り上げるのって、結局は自分も燃料投下してることになりません? なるよね? たとえばこの記事の顛末、ふだんからブロックしている界隈で盛り上がっていたせいか、それとも言うほど盛り上がっていなかったのか、まるで存じ上げず。知らんうちに鎮火したようだったので焦げ跡を見て回りました。 この会合がキレイゴトしか言わない。ってあたりが火種なんですかね。 配布資料を読んでいくと、それこそ解体業も含むはずの業界が「持続的に働き手を確保していくために何が

地上波ドラマ『東京サラダボウル』第5話の重箱のスミ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(25.2.2-25.2.8)

かつて「MIU404」第5話をリアルタイムで見たとき(2020年7月)元技能実習生が徒党を組んで犯罪に走るその設定ちょっとフィクションみが過ぎるんだが。と思っていたら現実がドラマを後から追いかけオミソレした記憶、いまだに薄れなくて(群馬のアニキと称したベトナム人コミュニティの話がメディアに出てくるのは同年10月)。 そこで2月4日OAの「東京サラダボウル」第5話について、なんですが。 と一応ふわっとした感想をblueskyには残したのですが、せっかくなので「ケチのつけどこ

外免切替を枕にヘイトを煽ろうとする風潮/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(25.1.26-25.2.1)

だいたい2024年10月からゼノフォビア文脈で言われるようになった話題に、外国人が日本の運転免許に切り替えるとき、住所欄をホテルで申請しても良いらしい。けしからん。というやつがあります。 今週もまたぞろ同工異曲のテキストが、と目を通していたらちょっとだけ真っ当な書きぶりだったので取り上げておきたく。 ちょうど神奈川県在住のインドネシア人の切り替えを手伝っているところなんですけどね、まず運転免許センターで書類提出が必要で、その予約の電話が基本つながらず、直接足を運ぶことになる

Undocumentedとillegalの違いを説かねばならないのは日本も同じ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(25.1.19-25.1.25)

珍しくクルドという文字が川口市以外の自治体とセットで報道されてるな、でも埼玉県だな。と思ったらヘイト新聞がヘイトで小銭を稼ぐいつものやつとは違って公的機関の対応がヒドい。という話でした。 記事にある通り、このテイタラクを推奨する日本社会の情けなさをわれわれが直視するハメに。強いてヨカッタ探しをするなら、上記報道を受けて早々に修正が為されるらしい、というそこだけ。 渦中の教育委員会、そもそもどういうつもりか。とウェブを見に行ったら「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関して識

孤立出産は罪か/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(25.1.12-25.1.18)

あまりにも事例が多いので見過ごされてしまうニュースたち。 これは1年前、福岡でベトナム人技能実習生が死産したことが罪に問われているもの。 これは先月、鹿児島でインドネシア人技能実習生が。という話。 前者は事象から1年の間に、ひと通りの情報が出ているのですが 個人的には ・罪を問われている女性の証人として、これまで同局面でほぼ登場した例がなかった交際相手の男性が出廷している ・その彼も技能実習生で、これまで黙っていることを日本社会から期待されていた属性なんですよ ・つまり

ラオスは良いところだがそういう意味じゃない/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(25.1.5-25.1.11)

ラオスが貧しい国であるのをいいことに系のニュースが話題になっていました。 私、アジア各国まわってどこがいちばんよかったですか。と聞かれると間髪おかず「ラオスですね!」って答えて久しいんですけど(サムネイルは2018年)「ビエンチャンはどうでもよくてルアンパパーンがべらぼうに素敵なんです」まで、これからは言わないと誤解されそうでイヤだな。って思った内容。本連載が取り上げるのは移民の話で、くだんのニュースはただただ恥ずかしい日本人、というものなのでここでは示しませんが。 人が朴訥

たんたんと続ける/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.12.29-25.1.4)

年をまたいだからといってこの界隈に大きな変化はないですね。相変わらずヘイトをまき散らすことに生き甲斐を見出すメディア、嬉々として囃し立てる者、彼らを「調子に乗せずに」そうした現況をどう記録していくかに毎週考え込む私。 埼玉県越谷市の昨年12月市議会において 「近隣市では一部外国人による迷惑行為により安全な市民生活が脅かされる事件が発生し、本市でも同様の事件等発生を危惧した市民から不安を訴えるご意見」(令和5年9月定例会、市長答弁より) を述べた実績ある議員の発言がヘイトスピ

差別意識が自分の中にないか。を考えるテキスト/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.12.22-24.12.28)

はてな匿名ダイアリーに興味深い投稿がありました。 もっぱら「なんだよ男女の話かよ」派と「だとしてもこの書き手の行動はエラい」派が小競り合い、といういつものインターネットだったんですけど私の感想は終始変わらず、で。 いや、冗談でもなんでもなく、ウクライナじゃなければ絶対に違うコメントが主流になるじゃないですか。その、みんなたちのココロで浮上しない意識について、もっと真顔で考えるべきだと思ったんです。 ■たとえばこういう話のことを私は言っています ■さて。今週の時事ネタで

移民社会≠共生社会/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.12.15-24.12.21)

ちょっと話題になった記事。 個人的に気になったのは会長? 出世した? ってところで、前回目にしたときは違う肩書きだったよね。という記憶があったからなんですけど、探したら3年5ヵ月前は副社長でした。うむ。 その前回記事では湧いていないゼノフォビア・コメントが今回記事に少なくない数、ついているのは移民というワードが彼らを刺激するからであることは明らかですが、そして何度も申し上げている持論ですが、とっくに日本社会=移民社会なんで。さーて、いつまで現実から目を逸らし続けることがで

隠すより現る/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.12.8-24.12.14)

共同通信のヘイト問題取材班が公式にリンクを貼っているのが山陰中央新報だったので、その記事を紹介するのですが。 なんで栃木のメディアがもっと大々的に採り上げないん。 続報を待ちたいと思います。 ■朝日新聞の難民記事が今週なかなかの力作揃いだったので引用が増えてしまう。 入国時に「難民」と言えば退去か収容? 支援へのアクセス困難に:朝

ネットde真実民育成事業としての報道/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.12.1-24.12.7)

先週も書いたし飽きてるんですけど、放置しておくと育っちゃうやつなので草の根活動的に採り上げざるをえない、某紙「今週のクルドヘイト」案件。 だが奴らのPV稼ぎに協力したくはないので、言及されていた埼玉県議会本会議一般質問を紹介しておきたく。 あくまで議員の質問予告の見出しですが、実は令和5年6月の定例会議事録に同一議員の質疑は掲載されており、どういう予断がそこにあって、こうした質問をしたのか、推して知ることは出来ます。原文確認はリンクからどうぞ。 この質問をもってヘイトだ

今週も目立つヘイト煽り/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.11.24-24.11.30)

稼げるからヘイトを煽る、でおなじみの媒体が今週もエンジン全開でさまざまな記事を公開していて、しかしBlueskyのアカウントでは「そんなこと言ってませんよ?」な顔をしていて苦々しい。 繰り返し当欄でも主張していますが、ヘイト煽り論説がガンガン露出される世で、対抗する勢力がペイウォール越しになんか言ってる光景、某県知事選であらためて我々が直面させられた「ネットde真実勢の育成」に後者も加担している、とイコールなんですよね。良くない。 たとえばこの東京新聞記事、有料会員じゃなく

特定国を対象にヘイトを煽りたがる某媒体、その情熱は恋と呼ぶべき/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.11.17-24.11.23)

日本語についての記事が日経と産経で複数出るなか、両媒体の趣の違いは当然あきらかなので、さて、どの記事がどこ発でしょう。 うん、こう並べてみるとやっぱり「日本語が出来ない奴ら」への優越感、みたいなものがベースにあるんじゃないですかねえ某紙。 ■その某紙が熱意をもって伝えていた件 「この結果、同市は特別対策地域となった」って重々しく書いてるけど前月は三郷市、その前月は上尾市、さらにその前月が越谷市、それぞれ特別対策地域となってるので君が言いたいことは分かるよ。って顔にしかな

入管春の渋滞予報とか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.11.10-24.11.16)

入管からお触れが出ていまして。 相変わらず入管窓口、担当者個人の当たり外れが大きいわけですけれど、そのなかでの繁忙期予報なので、目を引きました。これ誰がいちばん困るって特定技能の資格で国内転職を考えているひとたち。 転職先が在留資格変更届を申請するんですけど、たとえば1月に審査を依頼して通常でも3~4ヵ月要するところ(首都圏)プラス3ヵ月だと半年、宙ぶらりんになってしまうリスクがある。 (しかも人材紹介エージェントがその辺を理解していないことが圧倒的に多いのよーあんたたち仕