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春野 惠
2021年4月27日 23:47
山茶花を一本手折らん繁りあう枝より青き空に手を入れゆるゆると壁這う蜘蛛の小さきは止まりてただに汚点となりぬ短夜の童子の時を悲しみて樹木は齢をふかめいるらん遥かなる記憶ゆすりて脳髄を突き抜けてゆく野風春風血を流さず河の流れに逆らわず生きるや我は人形となりて
2021年4月10日 23:50
カラカラと紡ぎいる糸切れたままオイテケ堀に沈む夕焼け誰彼のせいにしてしばし忘れたるも逃れられ得ぬ自らのことPCに埃たまりていることも寂しさのひとつ寂しさを拭くアスファルトの下は全部土である・・・想い想われ九重連山「鄙びた」とう演出もよし旅人である私は秘湯に浸る誰よりも君の味方であることを忘れてないか今日問うている
2021年4月7日 22:30
風に舞うさくらひとひら地に還り何もなかったように時過ぐ過去となる時の宿命(さだめ)を閉じ込めて物語りせん古きアルバム空澄みてあるかなきかのたまゆらの風のかけらが髪に残りぬ残業の疲れを纏う男らと並びぬホームの風を受けつつ
2021年4月4日 21:57
瞑想もいいが寂しき公園の膝を折りたる駱駝の背中革ツナギ吊るせば丸き吾のかたち残しておりぬ抱き寄せてみんブタ草の季節にズーズー鼻鳴らす花粉症時期ブタと化したり不思議なることのいくつか調べずにいれば神秘は神秘のままで横長のバスタブ浅く湯を張れば日本列島の形に沈む鉛筆を削れる世代というよりは器用な我と不器用な君乗り越える少しの力の源は引きずるものの負荷にこそあれいつだって中途