なんで君たちすぐ首もっていくん【ファムファタルとサロメ】「クリムト/ユディトⅠ」
こんばんは、如月伊澄です。
久しぶりに美術シリーズです、次回で終わりかな。
今回もクリムトの作品なので、前提となる話は上記を確認下さい。
また、今回もこちらの本を参考にさせていただいております。
ついでにこちらも。
3冊本を読めばその分野についてはある程度の知識がつく、という話を信じて3冊美術関係の本を読みましたが(これは嘘。読み切ったのは1冊だけ)、「美術?なにが面白いの?」な方は「死ぬまでに観に行きたい世界の有名美術を1冊でめぐる旅」をまず読んでみるのをオススメします。
”誰でも知ってる作品”を美術館ごとに解説してくれているのと、それを”13日に分けて紹介してくれている”ので、1日ずつ読み進めて半月で「なんとなく美術に詳しくなれた」気になれるので、無理なく絵画を楽しめるようになります。
知らないことは機会を失うこと。
ぜひ、読んでみて下さいね。
本を買うのは・・・・・・という方は、如月伊澄さんのnote芸術シリーズを読んで下さいね。
↓マガジンにまとめました。
ちなみに最期の1冊はこちら。
西洋美術、日本美術ときて、現代美術。
かつて石川の21世紀美術館で「?」となっていた私はもういないぜ。
3冊読むことで素人なりに自分なりの「芸術とは」が見えたので、それもいずれ記事にしたいな。
【ファムファタル】
さて、本題。
今回取り上げる絵画はこちら。
右下をご覧下さい。生首です。
旧約聖書の中で描かれる「ユディト」と呼ばれる女性が、敵将ホロフェルネスに対して、色仕掛けからの斬首で街を救った物語を描いたものです。
ユディトは通常、凜とした表情で英雄として描かれることが多く、このような恍惚とした表情でどこか退廃的に描かれることはほとんどなかったそう。
では、なぜクリムトがこのような絵を描いたかといえば「ファム・ファタール」が流行っていたからです。
さて、聞き慣れない単語が出てきました。
ファム・ファタールとはどのような意味なのでしょうか?
私の中でファムファタールと呼ばれる存在は「サロメ」という女性が浮かびます。
すべてはこの本が原因です。実は今回の記事は、絵画というよりこちらの土千早茜先生の「眠りの庭」について書きたくて記事を書いてます。
眠りの庭については後で存分に語るとして。
サロメについてはこちらの絵画をご覧下さい。
(絵画だけは用意できませんでした)
また生首が浮かんでいますね。
こちらは新約聖書の方で語られる物語で、母に教唆されヨハネの首を褒美として願ってしまった女性こそ「サロメ」です。
彼女もまた「ファム・ファタール」と呼ばれる女性であり、運命の女性、すなわち男性の命を奪う悪女と言われています。
純粋故に己の意思なく悪女として語られるサロメ。
彼女のことは、ぜひ「眠りの庭」で十分に味わっていただければと思います。
【眠りの庭】
出会いは東京に行った夏のことでした。
夏文庫でたまたま見つけた「眠りの庭」。千早茜という名前も知りませんでしたが、名前の響きに惹かれつい購入してしまいました。
帰りの新幹線の中、夜の闇の中で読み進めましたが、結論から言えば楽しかった旅行の思い出を、しっかりどろりとした赤色に塗りつくしてくれました。
読んだのはもう5年以上も前なので、どんな感想を抱いたかは思い出せませんが「なんてものを読ませるんだ」という想いはずっと残っています。
ここから千早茜先生の作品にはまり、それまで刊行された作品はすべて、新作も見かけたら即文芸書で買うくらいには、脳を焼かれています。
それだけの魔力がある一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
あなたも「ファムファタル」の沼にはまりましょう。
それでは。
【おまけ】
千早先生の作品ならこちらもオススメ!
この記事を書いていることで、初めて新刊が出ていたことに気づきました。いますぐ買います、楽しみ。
これね、記事書いてよかったー!
2年前に出てました、本屋退職してから新刊に対するアンテナが終わってる。
オススメしようと作品いろいろ見返してきたけど、ぜんぶいいんだよなぁ・・・・・・ってなって一つに絞れなかったので、以前人に貸し出した一冊をチョイス。
読み終わると「キラキラしたお菓子」が食べたくなります。
↑こういうの
伊澄さんは読み終わってからコンビニにスイーツを買いに行き、エクレアを買って帰ってきました。ゼリーじゃ無いのかそこは。
【おまけ2】
この記事書くまで「ファムファータル」だと思ってたし、一回「ファムファータル」で全文書いて、ふと調べ直したら「ファムファタールだぞ」とのことで、書き直したのは秘密だぞ!
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