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【響け ~ La mia voce ~】ろう難聴者のこえ

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軽度難聴・教員の立場から感じたこと・考えたこと、日常のちょっとした出来事を綴っています。
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#ろう者

Vol.9 その時 歴史は動いた!Part3 「口話〜発語編」

その時、歴史は動いた! オトナになってから入った「大学」で知った、衝撃の事実について、いくつかのトピックを立ててお送りします。 Part3は、「発語(発音・発声)」「言葉」についてです。 (私自身は、ろう学校に通ったこともなければ、専門機関にて熱心な口話教育を受けた経験もありません。“口話”それ自体に賛否両論があることは承知で書いています) 手話、口話、音声を使う人…など、聴覚障害者のコミュニケーション方法は、個々によって様々であることは、これまでに幾度なく、お伝えして

Vol.7 新国立劇場「観劇サポート」の体験記

今回は、Vol.7「観劇サポート」についてお送りします。 「舞台観劇」と言うと「何だか堅苦しいなー」と思われるかもしれませんが… 歌手のコンサートやライブなどの音楽演奏、演劇(オペラ、オペレッタ、ミュージカル、人形劇、能、狂言、歌舞伎、文楽、落語、大衆演劇、バレエ、日舞など)があげられます。 「見ること」「聞くこと」に何の支障もない方は、個々の「視覚」と「聴覚」を存分に用いて、日常とは異なる世界を楽しむことができるでしょう。 特別なその時間を、誰もが同じように楽しむこと

Vol.6「聞こえるとか…聞こえないとか…」ハラスメント編

今回は、皆さんお待ちかね(笑) 「聞こえるとか…聞こえないとか…」第二弾をお送りします。 エアコンなしでは、生活できないほどの暑さが続いておりますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか? 私は、仕事に、余暇にと、充実した日々を過ごしています。 新たな出会いを求め、あちこち駆け回っているのですが、私は、「聞こえる人」「聞こえにくい人」に関わらず、初対面の方には、自分の難聴について伝えるようにしています。 大人だけでなく、新年度、初めて担当する学級の子どもたちにも、自分で作成

Vol.5(1/2)聴覚障害者の「情報支援」について

皆さん、こんにちは。 梅雨があけそうで、あけないこの時期。いかがお過ごしでしょうか? 休日は、室内で余暇を過ごされている方も多いのではないでしょうか? 今回は、Vol.5聴覚障害者の「情報支援」について、2回に分けてお送りします。 「聞こえる」皆さんは、 どのような方法で情報を得ていますか? テレビ、ラジオ 、新聞、本、雑誌、SNS、ネットニュース、井戸端会議(笑)…など。 文字情報ももちろんですが、 多くの皆さんは「音声」を用いたコミュニケーションを頻用しており、

Vol.3「聞こえるとか…聞こえないとか…」夏ヴァージョン 

今回は、少し指向を変えてVol.3をお送りします。 気が付くと、もぅ6月も半ばになってしまいましたね…。 6月と言えば… 毎年のように、あちこちで台風が発生し、 「ジメジメ」「ジトジト」、何となく気分も晴れない… そんな梅雨の時期がやってきます。 大人になると嫌悪感を感じる雨。 しかし…子どもの頃、私にとって雨は、 「最高の遊び相手」であり、「音楽」であり、「楽しみ」のひとつでした。 雨が降ると「T-シャツ」と「パンツ一枚」になり、自宅の屋上へ一目散に駆けて行き、

Vol.2 聞こえる人たちがもつ「聴覚障害者のイメージ」から「当事者の障害認識・表現力」へとつなげる

皆さんは「聴覚障害者」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか? 例えば「テレビドラマ」や「映画」などを通じて、 聴覚障害者は「耳が聞こえない」「話せない」「手話を使う」といったイメージが、多くの皆さんにあるのではないでしょうか? しかし、近年は、人工内耳の進歩によって「話せる聴覚障害者」も増えている現状にあり、聴覚障害者の多様化が認められるようになってきました。 ひとくちに『聴覚障害者』といっても、以下に示した組み合わせによって、様々なタイプがあります。 *専

Vol.1(1/2)ろう難聴者に「聞こえなかったら、分からなかったら、質問してね…」と声をかけることについて

響け ~La mia voce ~こんにちは。 本日から、「ろう・難聴」を主題に、ろう者・難聴者を取り巻く社会や状況、さまざまな事柄について、軽度難聴・教員の立場から感じたことを、定期的に配信していきます。 本日は、記念すべき第一回目ということもあり、少々意気込んだせいで、長大になってしまいましたので…(笑)、2回に分けてお届けしたいと思います。 どうぞ、最後までお付き合いください。 (*ここに記載している内容は、あくまでも、わたくし個人の立場から述べた意見であることを、

Vol.1(2/2)ろう難聴者に「聞こえなかったら、分からなかったら、質問してね」と声をかけることについて

続き… 少し、話しは変わりますが… 私は、自分自身の難聴に気づいたのが小学校3.4年生の時でした。それまでは、家族も自分も「聞こえにくい」ことに、全く気づかず生活していました。 対面での会話は、問題なくできるのに、少し離れると名前を呼んでも来ない。「聞こえているけど、聞こえていない」。そんな状況に自分も周りも気が付いていなかったので、「(あなたの)名前を呼んだ」「呼ばれていない。聞こえなかった」と絶えず親子で言い争っていました。 まさか、自分が「聞こえていない」とは思いもし