
ビジネスの「よくあるケース」から「目指す姿」に変えていくためには?
「新製品のアイディアが出ない」
「いい商品なのに思ったほど売れない」
「データに基づいた商品企画なのに当たらない」
…
といった声を様々なところで伺います。
お話をよく聞いてみると、以下のようなコメントが:
「ビジネス上の顧客がベンチマークとしている、人気の商品・カテゴリーを参考にした」
「品質は高く、価格とのバランスもいいと思うのに」
「POSデータを基に、売れ筋を分析して商品開発した」
…
上記の状況、図で表すと以下のようになります。

①:消費者と実際に接しているメーカー・流通がPOSなどの結果から消費者の傾向・嗜好を分析し、それを基に
②:そのメーカー・流通が取引のある企業に対して「こういうものを作って(or 作るための原材料が)ほしい」と依頼する。
=「メーカー・流通」からのスペックに基づいた提案となり、複数社による競合となる場合も多い(=「ベンダー/クライアント」の関係)
なお、この①においてPOSやID-POSがわかるのは
「何が(デモグラフィック的な誰に)売れているか」「何が売れていないか」
なのですが、実は
「なぜその商品を買った・買わなかったのか」
「その商品をとても欲しくて買ったのか・欲しかったものがなかったから仕方なく買ったのか」
はわかりませんし、
「他にこういうものがあれば買っていた」
ということも把握できません。
それが、最初に記したようなコメントにつながっていることが多いと考えます。
それに対して、下の図のような形が、流通・大手メーカー、そしてそこを顧客とする企業の目指す姿なのでは、と考えます。

①消費者が興味を抱き共感する商品を、流通・大手メーカーを顧客に持つ企業が(もしくは流通・メーカーと共に)、消費者の潜在ニーズやインサイトに基づいて把握する
②その潜在ニーズ・インサイトを基に、その消費者が独自性のある価値だと感じてくれる商品・商品コンセプトを開発し、それを顧客である流通・大手メーカーに対して提案する
③直接消費者との接点を持つ流通・大手メーカーが、その潜在ニーズ・インサイトを基にしたストーリーと共にこの商品を販売する
※これはその流通・メーカー自体の他社との差別化・独自化にもつながる
④この結果が評価されることで、流通・大手メーカーと彼らを顧客とする企業とが、他の課題に関しても双方で議論・相談し、その課題に関する①の消費者の潜在ニーズ・インサイトを見つけていくことで、解決策を一緒に探っていく
=「パートナー」の関係へ
では、
この消費者の潜在ニーズ・インサイトをどうやって探り
それを誰がどのように商品(コンセプト)として開発し
そしてその商品(コンセプト)の魅力度・共感度をどのようにして評価し
実際に開発した商品が消費者からそのコンセプト通りだと評価されるかを確認・修正し
なおかつ上記を限られた人員・予算の中でどう実現していくのか
上記に関することなどを、これからこのコラムにおいてお話ししていきたいと思っています。
(「待てない!」という方はメールをこちらまでぜひ! suzuki.taku@kirikuchi.co.jp)
※キリクチのウェブサイトでの上記のオリジナル記事はこちら