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【SFショートストーリー】人間の正体

それは
宇宙に存在する
ある一定の
生命体の住む惑星が
罹患する
よく見られる
感染症の一種
20万年程前に発生し
数万年かけて
惑星を徐々に
覆っていった
それは
ある時期から
爆発的に増え
あらゆる場所に
現れ他の生命体を
過剰に摂取し
資源を吸い付くし
環境を破壊
その感染症は
やがて惑星を
生命体の住めない
場所へと変えてしまう
可能性が出てきた
感染を意識した
惑星全体を司る
見えない意思が
増えすぎた
それに対する
ワクチンを作った
それは
増えすぎたそれに
感染し
それの生命活動に
重要なガス交換に
携わる臓器を破壊する
ワクチンは
変異しながら
それを次から次へと
感染をさせた
それは
自分達を排除する
ワクチン等とは
つゆ知らず
新型ウィルスと呼び
逆に
ワクチンを作ったが
変異するワクチンに
ワクチンは効かず
それは
劇的に数を減らした
数百年かけ
惑星の感染は治癒に
向かった
感染症の末期に
よく見られる
惑星から感染源が
別の惑星へと
飛び立った
それは
惑星間飛沫感染
または
宇宙咳と呼ばれる

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