まあるい木

わたしのお家のお隣の、道路のすれすれに
まんまるな木が生えています。
突然現れたそれは、
昼寝しているトトロのお腹のように
毎日ちょっとづつ まあるく、まあるくなりました。
第1発見者はパパでした。
見つけた時のパパの目といったら、
それはまた、まんまるな目でした。
みんなで見に行くと、
やっぱりわたしもママも妹も、
まんまるな目になりました。
木はあまりにまんまるで、わたしたち一家は
一撃でその木のことが大好きになりました。
どうやら、お隣さんの庭から種が飛び、
そんな訳で 道路のすれすれに生まれたという木です。
葉っぱはふわふわで、車が通るたびに
ほょん、ほょん、
といいます。
わたしはだから、わたあめやマリモのようだと思ったけど 
でもママが触ってみると、
葉っぱは意外にもごわごわずっしりしていて
ぼぉん、ぼぉん、
という感じだったそうです。
台風がきたとき、わたしのパパは
あの木は大丈夫だろうか…
と、何よりも あの木を心配していました。
でも、その通り 葉が丈夫だから
ぼぉん、ぼぉん、
と揺れるだけで 
朝には1枚の葉も落ちてはいませんでした。
あのまあるい木は
わたしたちにとって大切な木です。
木は、もうすぐ色を変えるそうです。
今か今かと楽しみにしています。
特にママが1番楽しみにしています。
明日もまた、会いにいきたいと思います。