しあわせの沸点
Never Enough 〜〜♪
という歌を、映画『グレイテストショーマン』の作中歌で聞いて震えた。
「満足しないの!?そんなに足らんの!?」と。
知人にもそんな人がいる覚えがある。
美しい容姿、豊潤な稼ぎ、可愛く賢い子ども達を得てしてなお、いつも不満を口にしていて、「もっともっと」と“向上心”に突き動かされている人。
持っているものはとっても素敵なのに、当人にはそれがほとんど見えていないケース。見えてないというか、見ないようにしてるのよね、そういう人たちは。
キナコはそういう人を見ると、確実に距離をとる。とにかく苦手なのだ。“大体不機嫌”な人が。
なにしろ私はしあわせの沸点が低い。
スーパーでハーフカット大根を買うとき、小ぶりな三浦大根一本分くらい重量があるのを見つけただけで、その晩、パートナーに“今日のビッグニュース”として語ってしまうくらいハッピーになれる。当たり前だと思っている事象がほとんどないからか、キリスト教教育を10年も受け続けたからか、何気ないあれもこれもが喜ばしくて、すぐにハッピーになれる。
他人のご機嫌をとるのは大変だけど、自分の機嫌は自由自在だ。
死ぬほど理不尽で酷い目に遭ったって、それを恐れて悲しんで生き続けるのか、笑い飛ばして楽しく生きるのかは、実は選べる。難しいし、大変だけど、頑張れば好転させることもできるんだ。
ただし、それが可能なのは自分だけなんだけど。
そう思って、子ども達に接していた。
かつて“せんせい”だったころ。
誰より面白い“せんせい”で、たくさんの子どもを笑わせたことだけは、自信があった。
懐かしいな。
そんな夜。
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