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良い時のために使うお金

備えることが大事だなぁとしみじみと感じている。

僕が備えに関して十分なことができなくなったのは理由がはっきりしている。


以前はお金を使う場所がなくて貯まる一方の時だって僕にはあったのだ。
働いたお金をちょくちょく貯めていって、ある時からパタリとその良い流れが止まってしまった。
そう、月に3万とか5万くらい貯金していたのにだ。

え?そんなに余裕があったのに、どうやったら貯金がなくなって生活が辛い状況に陥るのかって?
僕にもそんな風になるとは思わなかったんだが、ちゃんと考えないで行動してしまった結果だ。


そう。貯まったお金で僕は…

車を買ってしまったのだ!!!!!


なぜか急に自分の車が欲しくなってしまって、貯まったお金で車を買おうと考えるようになる。
そして、あっさりと“新車”を購入してしまったのだ!


そう。

よく考えると、これが僕の貧しい生活への第一歩だった。


当時僕は18歳で、車の免許証を取ったばかりだった。乗れるようになったのなら当然ながら欲しくなる。
だけど僕の場合車なんてあんまり好きじゃなかったし、新車を買う理由なんて無い。おまけに職場は自転車でも行ける距離で、わざわざガソリンを使って行くような場所ではなかったのだ。

誰もがこの条件を聞くと、質問するだろう。
「なんで車なんか買ったの?しかも新車?」


今考えると馬鹿な選択をしたと思っているし、後悔もしている。
もしもタイムマシンがあるなら、車を買おうとしているところに戻って過去の自分を銃で撃ち殺してやりたい。弾倉の中全部を使って。できるならマグナムで。

使うならまだしも、たいして使わない物を、そして興味本位とか出来心で、更にはそれを買うことで自分の生活がどんな風に変わっていくのか考えたり計算したり想像したりして深く考えることなく買うものではない。


ちゃんと必要な能力の必要なものを必要な時に、必要なだけ、必要なタイミングで、自分に合った収入やこれからかかるだろう、それの保持できる能力や時間が自分にあるのだろうか?と、しっかりと考えて、誰かしらに相談したり一緒に考えてもらった方が良かったに違いないのだ。

結局、車を持ったは良いものの、たいした距離を走ることなく、または活躍の場を作り出せることなかった。
実家で生活している分には良かったのだが、収入に見合った能力が無いとか使う機会も無いので、最終的に自分の懐を寒くさせている要因にしかならず手放してしまったのだ。

これはかなり勿体ない車の使い方だった。


でも、まぁ。引越しに使ったりできたので、その点は良かったんだが、やはり10年近くもたいして使いもしないものにお金を使うのは良くなかったと思う。
車に乗るために使うお金が多すぎて、気持ち的に余裕も無く生活にも余裕なく生活しているとどうなるのかというと、メンタル的に弱ってくるのだ。(たぶん)

もしそこで車なんか買わないでいたらと思うと、いろんなところに生活を彩らせる何かを買えたと思うし、どこか楽しいところにも行けただろうし、出会えたひともいただろう。
「時は金なり」とはよく言ったもので、“時間をお金のために”使う言葉かと思いきや、“お金を【どんな時】に使えるのか”という考え方もできるんじゃないかと考えた。


そう。
お金は目的ではない。お金はツール、道具なのだ。
良い時を買い取ろうと考えるのは賢い選択なのだな。


良い時を、これからの僕は。

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二ノ宮金三郎
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