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『プライミングの魔法 〜ユキと先生の販促革命〜』

こんにちは!
今回もテーマに合わせたうさぎ先生とユキちゃんのマーケティングストーリーです!
3回目になりますが、これがエピソード0みたいな形ですね!

うさぎ先生とユキちゃんの出会いのシーンからのスタートです!

今回のテーマは……

ノーマル・プライミング
(Priming)
特定の言葉や環境が、後続の行動や思考に微妙な影響を与える。ポジティブな言葉や環境を意識的に選択でるという理論。

それでは物語をお楽しみ下さい!

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挑戦の始まり

夕焼けに染まるオフィス街の喧騒を背に、ユキは深いため息をつきながら公園のベンチに腰を下ろした。
手元のファイルには自分が企画した販促案が並んでいる。どれも反応がいまいちだった。

「はぁ…もうどうしたらいいのかわからないよ…」

上司の冷たい声が耳に蘇る。
「結果が出なければ企画は中止だ。次が最後のチャンスだと思え。」

「最後のチャンスって言われても、何をすればいいか分からないんだよ…」
ユキは手元のファイルをぎゅっと握りしめた。


突然、何かが地面にコロンと転がってきた。

「え?」

目を上げると、ふわふわした白い毛並みのウサギが足元にいた。

「何これ、ウサギ…? こんな街中で?」

するとそのウサギが小さな前足をひょいと上げ、耳をぴょこんと立てながら、信じられない言葉を口にした。

「君、何か困っているようだね。」

ユキは固まった。

「…え、え!? ウサギがしゃべった…?」

「正確には、しゃべらされているんだ。まあ、そんな細かいことはいい。」

ウサギはため息をつきながらベンチの端にちょこんと座る。

「さて、まず自己紹介をしよう。私はかつて『伝説のマーケッター』と呼ばれた教授だった。しかし、少々世の闇に触れすぎた結果、こうしてウサギの姿にされてしまったのだ。」

「…はぁ?」

頭の中が混乱しているユキにお構いなく、ウサギは話を続ける。

「だが君の状況を見ていると、どうにも放っておけなくてね。聞こうか、何があったのかを……」

ユキは戸惑いながらも、自分の状況をぽつぽつと語り始めた。


「中小企業の販促を任されたはいいけど、全然売上が伸びなくて…。上司にはプレッシャーかけられるし、どうしていいか分からないんです。」

「なるほど、ありがちだね。しかし、問題は案外シンプルなところにあるかもしれないよ。」

「シンプルなところ?」

「そう、『プライミング』という概念を知っているかい?」

「…プライミング?」

ユキは首をかしげた。

「プライミングとは、無意識のうちに人の行動や判断に影響を与える仕掛けのことだ。例えば、ある色や言葉、環境の微妙な変化が人の気持ちをどう変えるかを考えることだよ。」

「そんなことで、本当に人の行動が変わるんですか?」

ユキの疑い深い視線に、ウサギは満足げに笑った(ように見えた)。

「半信半疑でも構わない。だが、それを試してみる価値はあるだろう? 君の販促が成功しない理由の一つに、ネガティブなプライミングが隠れているとしたら。」

「ネガティブ…?」

「例えば、顧客が店舗に入った瞬間、無意識に『ここには何もない』と感じさせる空気を作り出していないか? 店員の表情や言葉、チラシの色使いに、その原因があるとしたらどうだろう。」

ユキはその言葉にハッとした。
確かに、店のスタッフはどこか無愛想だし、チラシも堅苦しいデザインだ。

「でも、どうやって変えればいいんですか?」

「それをこれから教えてあげよう。」


ユキとウサギ先生はベンチに座りながら、販促について話し込んだ。日が暮れる頃には、ユキの心に少しだけ希望の光が灯っていた。

「分かった、やってみます! …でも先生、これが本当にうまくいったら、どうやってお礼をすればいいんですか?」

「ふむ、そうだね…。私がウサギではなくなる方法を見つけてくれれば、それでいい。」

「え、そっちが目的!?」

二人の声は冬の夜空に吸い込まれ、冷えた街にほのかな温かさを残していった。

『プライミングの魔法 〜ユキと先生の販促革命〜』

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