トラウマ治療に傾聴は禁忌
■ TSプロトコール
『テキストブック TSプロトコール』子ども虐待と複雑性PTSDへの簡易処理技法 単行本 – 2021/9/24 杉山登志郎先生 を読んでいるところです。
そこに
トラウマ治療に傾聴は禁忌
と書かれていたので、お伝えします。
■ 当方のトラウマ発見の経緯
私は、2022年の3月に希死念慮が起きたので、これはおかしい…というので、いろいろ調べ、自然農で、ビーガン化したことによる栄養欠損が原因なのではないか?という結論に達したため、栄養療法をスタートしました。
診断は、B12と葉酸の欠乏による悪性貧血でした。
希死念慮は久しぶりでしたが、子供のころに最初の希死念慮を経験済みだったので、そのおかしさに気がつけた、という面があります。つまり、真に受けなかった、おかしいなと思った、ということです。
その後、栄養療法の血液検査で6万円弱(コンサルタント料1時間1万円)、原因になりそうな検査類(ピロリ菌、歯科、大腸等)で約2万円ほど出費、その医院で良くならず、別の医院でコンサルテーション&診断中にアキレス腱断裂、その後、整形外科のモビトレクリニックのコンサルテーションで快方へ…という経過をたどっています。
血液検査は、自費で受けると2万円ほどしますし、コンサル料も高額です。
話はそれますが、保険による血液検査の範囲内でも、BUN、AST/ALT、などの主要項目で、大まかな診断はつきます。昨今ではYouTubeでも解説されています。大体の人が引っ掛かっているのは、大まかな栄養欠損ですので、詳細な血液検査はいらなかったな、と今では思っています。それよりその額を書籍代につぎ込んだほうが良かったでしょう。
以上のような努力で、現在は危機的局面は脱してはいますが、希死念慮、うつの症状が完全に回復したとは思えず、
身体からのアプローチによるトラウマ解除
を試行錯誤していました。
■ ACの人は、みな気分循環性障害
うつ病の治療に成果を上げていた、廣瀬ドクターの動画に
「ACの人はみな気分循環性障害」
という先生の発言があり、たしかに子供のころ気分をコントロールするのが、とても大変だった、という記憶がありました。乗り物酔いなどの分かりやすいもの以外に、子供のころは、
・フルーツでアレルギー
・化学物質でアレルギー
・暴力的な音(例:”八時だよ全員集合”で、バチンバチンとかとちゃんがケンちゃんにぶたれる)で、恐怖
・毛糸のちくちくでアレルギー
・汗でアレルギー
・水が顔にかかることでパニック
と、繊細さん症状があり、大変でした。
顕著なのが水で、子供心にも、何が原因なのか分からず、顔にちょっとかかる程度でも、ギャー!となってしまい、親があたふたしてしまうので、水は禁忌、みたいな感じでした。
みなさんの周りの子供でも、過剰反応する子供がいれば、それはトラウマ起因かもしれません。
■ 今ある、栄養学の知識で上記の子供時代の栄養状態を診断すると?
・亜鉛不足 → 低成長・アトピー
・マグネシウム不足 → アトピー、感覚過敏・化学物質過敏症
・たんぱく不足 → アトピー
と、基本栄養素の欠損が、思い当たります。
今はこれらの栄養欠損はとりあえず、サプリにて補填して解消中です。サプリによる栄養補填でも、結構、たんぱく質を充足するのには苦労しましたが、ここでは割愛します。
現在は、フェリチンの値も47.1と、うつの危険域を脱し、充足とはいきませんが、回復へのレールに乗っている感じです。調子の良い日は、たんぱく質摂取と腸内環境が良い日です。
■ 栄養が充足しても、心の傷が痛む場合… ACE診断を使う
それでも残る心のゆらぎ…気分変調の揺らぎに対応する手段、ですが、トラウマの解除法を調べている中で、アダルトチルドレンの人の多くは、
複雑性PTSD
に該当することが多いと知りました。
というのは、アダルトチルドレンは、”親の親をしていた子供(ヤングケアラー)”が多く、子供が親の親をしなくてはならなくなった根本理由が、親の依存症…アルコール、DV、ドラッグ、買い物依存、性依存、宗教、ギャンブル依存などによることが多いからです。
一般の家庭でも、”毒親”みたいなことを親が気づかずにしてしまうことは良くありますが、病的なトラウマとの切り分けが欲しいところです。
その切り分けに、現代では診断基準が確立しているようで、ACEというトラウマ経験を測定する問診があります。
逆境的小児期体験 質問票改訂版 カリフォルニア外科医臨床諮問委員会
私はこの問診では、7/10点と、かなりトラウマの存在は確実なようでした。
■ クライミングで幼少期のトラウマがフラッシュバックするように
私がトラウマの可能性に気が付いたのは、趣味のクライミングで幼少期のトラウマがフラッシュバックするようになり、なぜ子供のころに水を恐れていたのかが分かったためです。
そのフラッシュバックを消さないと、再度、楽しんでクライミングすることはできないかもしれない…ということで、解消を思いつきましたが、結論から言うと
複雑性PTSDは難治性
です。
■ 傾聴=カウンセリングは効果なし
また、冒頭のタイトルにしたように、傾聴は禁忌、です。つまり、一般のカウンセリングは効果がないということです。
思い出さないほうがいいということです。AC治療に反抗していた私としては、やっぱり感、がありました。
■ 暴露療法
完全に自己流ですが、水による恐怖は、大人の水泳教室に通うことで解消しました。おそらく成人して、心の容量が大きくなったため、水に対するパニック反応が薄れたんだと思います。それでも今でも横の息継ぎは、フラッシュバックのシーンと同じ水面が見えてしまうため、ダメで、クロールは習得あきらめ中です。しかし、それでも水泳を習得したことは大きな自信になりました。
■ 戦争体験などと同じ…
子供時代のトラウマは、ベトナム帰還兵がトラウマのフラッシュバックを避けるためにアルコールに溺れる等と同じことで、トラウマ回避のために、
嗜癖を作り出すことがある
ようです。
嗜癖の対象が人によって違い、アルコールに嗜癖する人、宗教に嗜癖する人、ギャンブルに嗜癖する人、と様々です。クライミングは、ギャンブル嗜癖と似ているかもしれませんよね。
同様に、仕事に対する嗜癖、ということも考えうるかもしれません。
■ 自己破滅的でない嗜癖=ストレスリリーフ
嗜癖は、つらさを回避するための回避行動ですので、その回避行動が、
自己破滅的でない
ということが大事です。というのは、どういう意味かと言うと、
程度の問題
であることが多いということです。お酒も少しなら、ストレスリリーフ、です。
またヨガのように良いものであっても、やりすぎれば嗜癖化してしまいます。
■ 自律神経失調症
私は若いときから自律神経失調症と言われて、やりすぎ、による害を感じてきました。
自律神経の過緊張でやりすぎを引き起こしてしまう
のです。自律神経の過緊張は、筋肉の緊張によく現れます。特にふくらはぎの緊張、横隔膜の緊張、肩の緊張、胃腸の収縮、です。
びくっとしたら、胃腸が働かなくなりますが、それが習慣になっていると、胃酸の分泌が悪くなり、結果的には、吸収力が低下するために低栄養となり、低成長となってしまいます。
ということで、これは肉体的にも、病気として出現しやすくなります。
また、ここでは深く触れませんが、世代間で連鎖します。例えば、祖母が戦争体験→トラウマ受傷→子供の養育でネグレクト→子供がトラウマ受傷→以後永遠に続く…です。
■ リラクゼーション=トラウマ解消
現代で効果が科学的に報告されているトラウマ解消に、
EMDR (眼球運動)
などがありますが、結局のところ、トラウマ体験を思い出すことになるので、用い方に細心の注意が必要ですし、ほとんどやっている医院がないという現実があります。
となると、いったいどうするのがいいのか?とつき離されてしまうのですが、
リラクゼーションで交感神経の過緊張を緩める習慣を身に着ける
というのが、個人での取り組みで最も現実的かもしれません。
・マインドフルネス瞑想
・ヨガ
・手芸や編み物
・武道
・創造的アート
・運動
・園芸
・鍼灸
・自然に触れる
・動物と触れ合う
・クロスワードや数独
などが挙げられています。 ポリヴェーガル理論でも、トラウマのシーンを思い出しつつ、同時に多数のことをして脳を忙しくすることで、脳はトラウマシーンが現在のものではなく、過去のものだということを学習するそうでした。
つまり、普通に多趣味であることがよいということです。
難治性であれば、フラッシュバック自体がつらいことなので、わざわざ思い出す必要はないのではないか、というのが結論になりました。
精神医学がもっと進歩すれば、良い方法が見つかるのかもしれません。
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