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藍すべき花

藍色の空が泣いているようだった。
太陽に照らされても尚、
彼らの表情に笑顔が宿ることは無かった。

あの空に手を伸ばしてみても
私の心が救われる訳でも無い。

綺麗に零れ落ちたあの涙も
いつかは消えて飽和する。

形のあるものは形を失うのに
どうして
形の無いものは心に残り続けるのだろう

そんな姿もない透明な何かが痛い。
痛くて堪らない。

誰かの心の痛みに
寄り添ってあげたいのに
何も出来ないこと。

誰かの寂しさを
分かったつもりになること。

心底、自分が嫌になる。

そして私も 見えない痛みを
まだ愛せていない。

誰かが居ないと 私は居ないみたいで


良い人だ、優しい人だなんて
言われるのが辛くて。

誰も幸せにできない私は
空気みたいで 。

心の想いを ただただ昇華するしか出来ない。

誰かの声がする
哀しみの音色が さまよっている。

息をしているから憂いを感じるように
息をしているから 誰かを 好きになれる
愛せる。
自分を大切にできるようになる。

たとえ私が明日
貴方の傍に居られなくなっても
貴方の心が哀しみで溢れることが無いように

貴方の傍に愛が在るように

私は願うことしか出来ない。

そして私が生きていないと
願うことすら出来ない。

だから私は生きている。
貴方の笑顔が消えないように
そして私も私を愛せるように
なる為に


葛藤という茨道を裸足で歩いていく。

そうやって生きていることを
認識している。

その憂いすら 人間らしさそのもの。

救いの手を伸ばせない私は
誰かの為に唄う。

きっとこの世界には今この瞬間
同じような憂いを抱えている人が居て

決して孤独ではない。

形のあるものが好きな貴方も、
形の無いものが好きな貴方も、

全ての人の心が
いつまでも 温かくあり続けますように。

不条理に溢れた世の中で
淀んだ空気を 葬り去るような

貴方の笑顔を、私は観たい。

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