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自分の病気がわかり辛いので整理してみました(膠原病?皮膚筋炎?間質性肺炎?)

こんにちは、きんきんです。

noteで「皮膚筋炎合併間質性肺炎」闘病記という記事を入院以来1ヶ月おきに書いています。しかし時の流れに沿って私個人の治療経緯をダラダラ書いていることもあり、同じ病気になった方が読まれた際など非常に分かり辛い状況です。そのため、改めて新規に記事を起こし、自分の病気のことを整理することにしました。

(注:本投稿はあくまでいち患者である素人が自分の病気に関する理解に基づき、病気に馴染みのない人にわかりやすく説明することが目的につき、医療関係者から見ると正確でない記述があることをご了承ください。また同じ病気でも人により症状や程度に違いがありますので、あくまで私自身のケースとしてご参考頂けると幸いです。

【本記事のポイント】
●病名は「皮膚筋炎 合併 間質性肺炎」。一言で自分の初期の病状を説明すると「手指の爪周りが赤く腫れてしびれを感じる、更に肺の一部が硬くなり呼吸し辛い
 - 皮膚筋炎は筋肉や皮膚に起こる炎症で膠原病(こうげんびょう)の一種
 - 間質性肺炎は肺胞と肺胞の間が炎症により厚く硬くなり呼吸に支障を及ぼす病気で、原因は様々

膠原病は自分の免疫が自分自身の身体を攻撃する「自己免疫疾患」の一種で、身体のあちこち(特に皮膚や筋肉)が痛む病気の総称。その中で、本来は皮膚・筋肉と関係のない間質性肺炎を併発する病気パターンが存在

治療方法は基本的に薬剤療法(ステロイド、免疫抑制剤)。ステロイドの副作用が大きく、薬の服用量が多い時期は、菌・ウイルスに弱い身体になったり、糖尿病患者のように血糖コントロールが必要になったりする。

細く長く病気・薬との付き合いが必要

上記の要約でOK、大体わかった!という人はここで読むのを止めて頂いて大丈夫です。もう少し詳しく知りたいという方は、以下お読み頂ければ幸いです。

■自分の病気について

診断書上の病名は「皮膚筋炎 合併 間質性肺炎」です。これは「間質性肺炎を合併して発症している皮膚筋炎」という意味で、主は皮膚筋炎という一種の病気、おまけで間質性肺炎という別の病気、それら2つの病気を併発している状況です。

どんな症状か一言で説明してと言われれば「手指の爪周りが赤く腫れてしびれを感じる(皮膚筋炎)、更に肺の一部が硬くなり呼吸し辛い(間質性肺炎)」と説明しています。
(注:治療開始から2ヶ月程度で呼吸し辛さは感じなくなりました)

皮膚筋炎は国指定の難病扱いになっています。そして同類である多発性筋炎と併せると、年間1,000〜2,000人の新規患者が発生していると推計されています。肺がんの年間新規患者数が10万人強であることと比べると、珍しい病気であることがおわかりになるかと思います。(ちなみに、国指定の難病の場合、高額に及ぶ医療費を助成してくれる制度がありますので、新規患者さんでこの記事読まれている方は申請をお早めに→こちらのリンク参照

一方で間質性肺炎については、病状の重い「突発性間質性肺炎」のみが難病認定されています。私の場合はこれには該当しません。

皮膚筋炎自体は後述の通り筋肉に関する病気なのですが、人によって筋肉関係無く皮膚にだけ症状が出る場合があり、私はそちらに該当します。また、手指と肺という全く関係の無い体の部位に同時に症状が出ており変な感じですが、この「皮膚筋炎から間質性肺炎が生じる」というのが一つの病気パターンとして存在しています(後述の「膠原病と間質性肺炎の関係」で別途説明)

その場合に、主の病気である皮膚筋炎に比べ、おまけである間質性肺炎の方が病気としての致命性が高い場合が多く、私の場合も間質性肺炎が悪化しないことに焦点を当てた治療を行っていました。

■皮膚筋炎、間質性肺炎とは何か?

そもそも皮膚筋炎と間質性肺炎とはどんな病気なのか、ざっくり説明すると以下です。

皮膚筋炎:筋肉や皮膚に炎症が生じ、筋肉に力が入りにくくなったり、皮膚の顔や手指に赤い皮疹ができたりする。皮膚の症状のみ(無筋症性)の場合もあり。自己免疫疾患である膠原病(こうげんびょう)の一種

間質性肺炎:肺胞の中に炎症が出来る普通の肺炎と異なり、肺胞と肺胞の間にある壁(間質)自体が炎症により厚く硬くなり、呼吸に支障を及ぼしたり咳を生じさせたりする。原因は様々

何となくイメージ湧きますでしょうか?この病気に罹った自分にどのような症状が出たのかは私の闘病記をご参照頂くことして、ここで大事なのが「メインの皮膚筋炎のみが膠原病であり、おまけの間質性肺炎自体は別物」ということです。

さて、ここまでちらほら膠原病という言葉が出てきました。ここらで膠原病とは何か、について説明しておきます。

■膠原病とは何か?

膠原病とは何かについては検索頂ければわかりやすい記事が沢山ありますが、その中でも以下リンク先がわかりやすいと感じました。

上の記事で膠原病については「皮膚・筋肉・関節・血管・骨など、全身にあるコラーゲン(たんぱく質)に慢性的な炎症が広がる病気の総称」と定義されています。その中に含まれる具体的な病気として、皮膚筋炎の他に、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、シェーグレン症候群、成人スチル病など様々な症状に分かれています。

よく会社関係者や友人に「膠原病」と話すと、聞いたこと無いなあ、という反応が返ってきますし、実際私自身もそうでした。そこでリンク先に書かれている内容を自分なりに噛み砕いて理解したのが以下です。

<膠原病とは>
以下①〜③3つの特徴を全て満たす病気のこと[カッコ内は医療用語]
 ①自分の免疫が自身の身体を攻撃し炎症等を生じさせる[自己免疫疾患]
 ②炎症の起こる場所は、皮膚や内蔵の結合組織や血管[結合組織疾患]
 ③患者視点での症状として、身体のあちこち(特に関節、筋肉、皮膚など)が痛む[リウマチ性疾患]

まあこの理解でも分かりづらいと言われそうですが、一旦こんなものとざっくり捉えて頂ければ幸いです。

少し余談ですが…膠原病ってリウマチの一種なんですね。リウマチというと、お年寄りに多いとか、温泉に行くと何となく治りそうとか、そんな勝手なイメージを持つだけで実態をよくわかっていませんでした。実際リウマチというのは「加齢により身体のあちこちが痛む」という漠然とした症状から、難病指定されている「関節リウマチ病」まであらゆる症状を含むもののようです。

リウマチといえば…


■膠原病と間質性肺炎の関係

さて、膠原病の説明の前に「メインの皮膚筋炎のみが膠原病であり、おまけの間質性肺炎自体は別物」と書きました。そうです、間質性肺炎自体は膠原病でも自己免疫疾患でも無く、様々な要因で発生し得る病気なのです。

こちらの記事を参照する限り、確かに間質性肺炎の最も多い原因は膠原病で、それ以外にも薬剤、粉塵などにより発生することがあるようです。実際、ある知人のお父様は自宅のアスベストが原因で間質性肺炎を患わったことがあると聞きました。

原因として多数派の膠原病ですが、もちろん漏れなく間質性肺炎を併発するわけではありません。一体どのようなケースで間質性肺炎が発生するのでしょうか?私は医療関係者でなく、それらのケースを全て把握できていないのですが、代表的な一つが自分の病気と聞いてます。皮膚筋炎の中で筋肉の症状が無い「無筋症性皮膚筋炎」の場合に間質性肺炎を併発することがある、という特徴があるそうです。

なぜ同じ皮膚筋炎でも間質性肺炎を併発したり、しなかったりするのか?その理由として、自己免疫疾患の「自己抗体」というモノの違いがあるようです。少し込み入った話になりますので、興味がある方だけ次項をお読み頂き、そうでなければ次項は飛ばして下さい。

■(参考)自己抗体とは?

前項の「皮膚筋炎(無筋症性)が間質性肺炎を併発する」という病気のパターンを説明するためには、前述の膠原病の条件の一つである①自己免疫疾患における「自己抗体」という存在の説明が必要になります。

「抗体」というのは、本来は身体の外部から来た侵入者(菌、ウィルス、花粉など)に対し、身体内で侵入者を撃退するために免疫システムの中で作られるものです。その「抗体」が外敵でなく自分の身体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患で、その抗体を「自己抗体」と呼びます。

その自己抗体にはいくつか種類があり、、その中で「抗MDA5抗体」や「抗ARS抗体」と呼ばれている自己抗体があります。その「抗MDA5抗体」や「抗ARS抗体」が活発に働く場合に「皮膚筋炎(無筋症性)が間質性肺炎を併発する」パターンが発症する可能性が高い、というのが、皮膚筋炎と間質性肺炎の関係に関する私の理解です。ちなみに私は「抗MDA5抗体」に該当しています。

上の理解にたどり着くまで、私はたまたま皮膚筋炎と間質性肺炎を一緒に抱えたのだとか、何となく皮膚筋炎って間質性肺炎を併発しやすいんだとか、それらの関係を正確に理解できていませんでした。今もどこまで理解できているか怪しいものですが、「具体的にこの抗体であれば、身体にこういう症状が発生する」という関係が明確に存在するのが個人的には大きな気付きでした。

■病気の治療方法(薬剤療法)

私が受けている治療は以下の薬剤療法のみです。

<日常的な薬剤療法>
■ステロイド薬服用
・プレドニンというステロイド薬を1日あたり60mg服用からスタート。ステロイドは急に減量すると、急激に病状が後戻りするなどのリスクが高いため、様子を見ながら少しずつ減らす。自分の場合は治療3ヶ月後時点で40mgまで減少
■免疫抑制剤
・プログラフ という薬を1日あたり6〜8mg程度服用

上記の日常治療をもってしても進展が良くない場合に、追加で、ステロイドや免疫抑制剤の大量点滴が実施されることがあります(ステロイドパルス、エンドキサンパルス等)

同じ膠原病でも病気が異なると薬の種類や量が異なり、また間質性肺炎を併発している方はその程度によっては酸素療法(人工呼吸器使うなど)もあります。ただ非常に大まかな治療の方向性としては似たようなものではないかと(自分が調べたり、Twitterで他の病気の患者さんの様子を伺う限りでは)理解しています。

■薬剤治療の副作用

薬剤治療を行う以上は、当然薬の副作用というものが発生します。特にステロイド薬については大量・長期間の服用による副作用が大きく、人にもよりますが「病気そのもの以上に、薬の副作用により発生する症状のコントロールが重要」という状況に陥ります。

<主な副作用と身体への影響>
免疫力低下
  →菌・ウィルス全般に感染しやすい身体になる
血糖値が上昇しやすくなる
    →糖尿病予備軍の人と同様に食事上の血糖コントロールが必要になる
交感神経が活発気味になる
    →睡眠の質が下がる(逆に日中眠くなりにくい、ような気がします)
脱毛
→女性の患者さんに比べると男性である私の脱毛の悩みなんてたかが知れてますが、シャワー時に大量の毛が落ちたり、部屋でも机や床に抜け毛だらけになったり、掃除が大変です。

膠原病の初期の症状は高熱や痛みなど患者にとって辛いものですが、治療が進むと段々軽減されていきます。一方で長期にわたって薬を飲み続けることで、日常生活に生じる上記のような支障との付き合いが重要になって行きます。

■細く長い病気・薬とのお付き合い

この病気について完治という状態があるかは難しいところです。そのため、病状が限りなく軽度になり、ステロイドなど薬の服用がゼロになる、という状態を治療が一段落する目安として考えます。

それを前提にすると、過去に発症し自宅療養を続けられている方のお話を伺う限り、短い人で2-3年から、長い人では20年もの治療を続けられている方まで様々です。

20年というと非常に長い印象ですが、その理由の一つとして私の理解の限りではありますが、以前は薬剤治療の選択肢として副作用の多いステロイド薬しかなかった、ということが挙げられると思います。近年は医療の進歩によりステロイド薬以外に免疫抑制剤を併用することで、ステロイド薬の利用を最低限に抑え、そのため服用期間も短く済む可能性があるようです。

私の場合にいつ「完治」的な状況になるかは今時点では何とも言えませんが、焦らずじっくりと病気・薬とお付き合いしていければと考えています。

■最後に

拙い上に長文になってしまいましたが、ここまで記事をお読み頂きありがとうございます。

私は医療関係者ではないですし多々不正確な記述もあるかと思いますが、一人の患者として自分なりに理解した内容を、極力わかりやすいように説明してみたつもりです。同じ膠原病でも、はたまた同じ皮膚筋炎でも病状の内容や程度は多種多様です。あくまでこれは私といういち患者の例として、参考にいただけると幸いです。

もしご不明な点や他に知りたい点などありましたら、この記事のコメント欄にてお気軽にお尋ね下さい。

この記事をお読みになり、具体的な私の治療経緯に興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、こちらの目次から行かれるのが便利です↓


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きんきん
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