子供の才能を殺すな! 美術の見方を知れ!
美術の先生が嫌いだった。
中学生の頃。「花の絵を描きなさい」というお題があった。
枯れた花や、花の根っこ、散った花びらだけ描くのが私だ。それを怒るのが、美術教師である。
私は納得できなかった。
「満開の花を綺麗に描かないといけないというのは、固定観念ではないですか?」
「枯れてても、根っこや花びらだけでも、これは『花』ではないですか?」
そういったことを主張すると、面倒臭い生徒だと思われたのか、無視してどっか行ってしまった。説得や説明といえる話をしてくれなかった。
私は、この教師から美術を学びたくないと思った。
小5か小6くらいの美術で、『自分の手を描きましょう』という授業があった。
私は右利きなので、左手を見ながら描いた。
同級生は手を見たままに描いていたけど、私は燃え盛る左手を描いた。
これを笑いものにされたし、先生も「なんでこんな絵を描くんだ!」と怒った。
当時、私の目には、左手は燃えているように見えた。それをそのまま描いただけだ。
「現実を忠実に描写しなければならない」という決まりはない。なのに、そう思い込んでいる人の何と多いことか。
美術の授業で納得出来ないのは、こんな教師から偉そうに採点されることだ。
以上2つのことを、絵画で表現した画家がいた。
鼻筋を緑で描いてあるので、「なんと可笑しな絵だ」と思うかもしれない。しかし、こうも思えないだろうか。
「先入観や固定観念に囚われない、自由な絵だ」と。
写真のような絵を良しとするなら、写真でよくないか?
絵画は、絵画でしか出来ない描写をしてもいい。そこにも価値はある。
美術の見方として、「思い込みに縛られず、絵画を捉える」というものがある。
美術のこういう教養を、子育てに活かしたい。
私は固定観念や先入観を子供に受け継ぐような、そんな育児をしたくない。むしろ、子供が持つ独創的な発想を、阻害しないように育てたい。
「しちゃいけない」という思い込みを持っている大人は多い。社会で生きていると、色んな物事を決めつけてしまう。でも、そんな陳腐でいてほしくない。息子を凡夫にはさせない。
周囲に衝撃を与える発想を持っていてほしい。
つまらない大人にはなるな。
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