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つま先荷重の人は肩こりになりやすい!?その秘密を解説

今回は足からくる肩こりの秘密について解説していきます。

肩こりというと原因は肩にあるように感じますが、実はそれだけではないことが多いです。


そのなかでも今回は、姿勢に関係する肩こりの原因を運動学的・解剖学的な知見から、解説していきたいと思います。


◆この記事は、理学療法士資格をもち、かつ姿勢改善の手技であるキネスティックセラピストでもある筆者が、姿勢に関する悩みを解剖学・運動学的な観点と自身の経験を交えながら考察しています。


今回の内容を簡単にまとめると、
「足首周辺の硬さや動きの影響により、重心の位置に偏りが生じると、それを補うように身体は動き、結果として肩や首の周辺の筋肉の過剰使用を起こし肩こりを感じる可能性がある」

ということになります。


「肩こりに悩んでいるけど、肩を揉んでも良くならない」

「マッサージで良くなるけど、すぐにまた戻ってしまう。」

「もう毎週マッサージに通ったりするのは辛いし面倒だ。」

このような悩みのある方にとっては、今回の内容はきっと参考になると思います。


重心の位置が偏ることによる、肩への影響

重心が偏ることで、身体は全体のバランスをとるために様々な方法をとります。

筋肉に力を入れることで、関節を曲げたり・伸ばしたりすることで、前後・左右の重さのバランスを取ったり、関節を動かないように固定したりなど行うことによって、私たちは日頃から滅多なことでは転けることがないようになっています。


この重心の偏りが生じてからの身体のバランスをとろうとする動き(=代償動作と言います)はほぼ無意識で行われていることが多く、知らず知らずのうちに筋肉を過剰に使ってしまうことになります。


今回では重心の前後の偏りを中心に考えていきたいと思います。


重心の偏りが前と後ろによって肩の代償動作が変わってくるのでケアの方法や意識の仕方も変わってきます。


重心が前方に偏っているときの肩の代償動作

重心が前に偏っている場合、骨盤の動きが硬い場合と柔らかい場合とで肩の動きがさらにわかれます。


【重心が前に偏っていても骨盤がうまくバランスと取っている場合】

この場合、重心は骨盤からまた後ろに戻るようになります。

そのときに骨盤は後ろに傾くことでバランスを取ろうとするため、背骨は全体的に猫背のような姿勢になります。


猫背の姿勢になると、肩の肩甲骨という骨が外側に引っ張られるようになるため、肩周りの筋肉は主に引っ張られた状態で固まるようになります。

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一般的に「肩こり」と言っても、筋肉が硬くなる状態というのは、筋肉が縮んでいても、伸びでいても共に感じるため、過剰に引っ張られた今の状態も、肩こりとして感じることが多いです。


しかも実際の感覚としては、縮んでいるよりも伸ばされている方が、刺激としては強く感じるため、意外と、「肩こりを訴えていても筋肉自体は縮んでいるというより、実は伸びていた」ことも結構あります。

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【重心が前に偏っても、骨盤で上手くバランスが取れない場合】

この場合は、重心が骨盤では後ろに戻せなくなるため、腰や背中など骨盤よりも上の関節が代償して重心を後ろに戻そうとします。


もちろん肩も例外ではありません。この場合は肩を後ろに引いたり、人によっては手を後ろに伸ばすような姿勢になる方もいます。

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このとき肩甲骨は左右が近づき、さらに引き上がるような動きになりやすいです。


左右の肩甲骨を引き寄せる作用は主に「大菱形筋」と呼ばれる肩甲骨の内側にある筋肉、肩を引き上げる作用のある筋肉は、「僧帽筋」や「肩甲挙筋」など肩甲骨の上にあるような筋肉が多いです。



これらの筋肉が、姿勢の変化に伴い間接的に過剰に使用されるようになるため、肩周辺の筋肉が疲労し、肩こりを感じる可能性があります。


以上のように重心の位置が偏ることで、姿勢全体に影響が生じ、肩の代償動作によって過剰使用が起こると、肩こりを感じやすい状態になります。


肩を揉んでもなかなか変化がないという方は、まず一度自分の姿勢を確認して、重心の前後の偏りがないか確認してみてください。


もし偏りがあれば、足の裏でしっかりと重心の位置を真ん中に戻すように意識してみてください。

足から意識する意味は、一番地面との距離が近く、唯一地面と接している部分だからです。


場所がわかりにくい場合、足の裏をテニスボールなどでほぐしたり、立つ前に足の裏をマッサージしてから立ってみても良いと思います。


コツとしては、足裏のやや踵寄りの部分(両方のくるぶしのあたり)がちょうど身体の重心が真ん中になる部分なので、その位置を重点的に触っておくと良いと思います。


より具体的なエクササイズ・ケアの方法は次回お伝えします!


最後に

今回は姿勢からの影響で肩周辺の筋肉に負担が生じる可能性を考えてみました。当てはまる人もいれば、そうではない人もいるともいます。


今回を伝えしているのはあくまでも可能性です。実際重心が偏っている人の中にも肩こり感じていない人もいますし、重心が偏っていない、一般的に良い姿勢と言われる人の中にも辛い肩こりに悩んでいる人もいると思います。


ただ今回の内容を知った人のなかで、自分の姿勢から身体のことを見直し、少しでも症状が改善に向かう人が増えてくれればと思います。

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