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実はすごい のび太君~「成功する」人生の向きあい方 できすぎ君にはなかったもの

 子供のころ、冬休みの楽しみの一つがテレビで放送される「ドラえもん」の映画やスペシャル版放送を見ることでした。今も時間帯や内容は変わっていますが、やはり、放送されているようです。
 
 毎週1回の普段のテレビ放送では、毎回、のび太君がドラえもんの秘密道具の使い方を誤って(失敗して)、オチが付くことが多いです。

 しかし、映画版になると、いつも「さえない」(ように見える)のび太くんが活躍しますし、時に見ている人の胸に響く言葉を連発して、感動させてくれます。

 正直言って、子供のころは、何となく、のび太君のことを「ダメな人」という感じで、一段低く見ていた時がありました。しかし、大人になってから見直してみると、のび太君の凄さ、のび太君の方が人生を上手に生きているのではないか?ということに気付き始めました。 

一つ目が、のび太君の行動力、失敗にもめげずに、再チャレンジする勇気ややる気です。

 ロダン作の「考える人」という彫刻がありますが、考えている人は、だいたい動いていません。
 
そして、多くは、行動して「自分が変わる」ことを恐れる(現状維持で安心したい)気持ちになるので、下を向いて、ずっと同じことばかり堂々巡りさせています。「考え事に逃げ込む状態」という感じです。
 
 私自身も、グズグズと考え、結局、行動をしていない性格をもっています。
 
 厳しい言葉を自分にぶつければ、考えることだけで「よし」として、実際に具体的な対応、行動をとれていなかったとも言えます。
 のび太君の
「思い立ったら即実行。行動が裏目に出ても構わない。」
「心配するよりも、まずは実行。」

で、とにかく動きながら考えると、成功に近づけます。
 
実際、最終的にのび太君は成功しています。
 
 また、初めから、大きな成功や理想の姿を求めるから、動けなくなるともいえます。「壁」がより大きく見えてしまうからです。しかし、「千里の道も一歩から」のように、理想やどんなに大きな目標を持っても、まずは身近なところから着実に努力を積み重ねることで、成功につながります。

 とはいえ、失敗がこわくて、チャレンジできない気持ちもあります。私もよく経験します。でも「失敗」と思うからこわくなるだけで、一つの「成功」と見たら、順調に進んでいる気持ちになります。

 例えば、次のような言葉があります。

失敗しても、成功するまで続けたら失敗ではない。
ダメな例を見つけたという意味で、新しい発見をしたという成功だ

 少し動き始めて、集中力が増したり、やる気に火がついたりして、「夢中」になれたら、半分以上成功です。なぜなら、その時点でネガティ思考が消えて、行動を阻害しなくなるからです。
 ネガティブ思考~心配や後悔、反省、不安が、やってみようとする気持ちや行動すらブロックしてしまいます。
 もちろん、それは「自分を守る」上で、必要な思考、感情ですが、大きくなりすぎると、考えすぎて動けなくなります。
 
まず動いてみよう。行動しよう。
たとえ失敗しても、再チャレンジすればいいだけの話。
何より、のび太君のように、失敗することまで「楽しむ」ことができたら、いうことなしです。

  

 二つ目は、グズでのろまでけっこう「ダメな人」と思われるのび太君なのに、本当に不思議なほど、周りに人に慕われ、応援されています。

 野球が下手でも、ジャイアンたちは、遊びに誘います。どんなに勉強ができなくてもママや先生は、見放さないです。
 これは、漫画だからでしょうか?
 どこにの「見捨てられないのび太の強さ」があるのでしょうか。
 
 一昔前、「残念な人の仕事の習慣」(山崎将志著)という本が流行りました。
 「努力はしている、でも成果が出ない」残念な人は、段取りやちょっとした時間の使い方が下手で、思ったような仕事ができないというような事が書かれていました。

 昔の私は、それを読んで、「少しでもできる人になりたい!」と、がむしゃらな努力をしましたが、うまくいったところもある反面、何か苦しくなったことを記憶しています。そして、後から知ったのですが、著者の山崎将志さんは、「残念な人」が悪い(ダメ)と言っていなかったということです。販売戦略として、目につくタイトルにしていますが、

特にチームの中に「残念な人」がいることで、逆に潤滑油的な役割だったり、互いにフォローする機会が増え、チームワークが良くなったりする存在ともなっている

と指摘されていました。

 確かに、プロのスポーツ界でも大型補強がされたり、企業で優秀なエリートばかりが集まったりしても、「チーム」「プロジェクト集団」として、うまくいかないことが多かったりします。特に個性、自己主張が強い集団になればなるほど、まとまりがなくなってしまいます。 
 
 のび太君は、ある意味「残念な人」でしたが、チームの一員として、愛されている。そして、みんなを「くっつける」存在として、必要とされているとみることもできます。
 
 また、のび太君のやさしさは、才能ともいえるものがあります。
 喧嘩やトラブルの時に、相手に意地悪をするような時もありますが(子供ですから)、でも、心底憎んだり、存在そのものを全否定したりすることはありません。
 また、映画などの大冒険ストーリーでよく見られますが、乱暴者のジャイアンの普段は見せないような優しさを「引き出す」ことをしています。

 自分に優しくしてくれる人を排除しよう、見捨てようとは思いません。
 これは、優秀なできすぎ君になくて、のび太にはあったものではないかと思います。だから、能力的にはできすぎ君の方があると言えますが、映画の主人公にはなれなかったのかもしれません。

周囲の気持ちに配慮できる思いやりや優しさ、柔軟性。のび太君の凄いところです。 

3つ目は、「自分より、まず他人の幸せを望む」ことでしょうか。

 さらっと書きましたが、なかなかできないことは、自分を振り返っても良く分かります。まず、自分の幸せ、得になることを考えてしまうし、自分の人生が思うようにいっていないと、相手の不幸を喜んでしまう心も出てきます。
 しかし、のび太君は違います。
 結婚前のしずかちゃんのお父さんのセリフにも出てきます。「あたし…不安なの。うまくやっていけるかしら」と言う問いかけに、こう答えています。

「やれるとも。のび太君を信じなさい。のび太君を選んだきみの判断は正しかったと思うよ。あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。」

 のび太君って、実はすごい人なんじゃないか、人生の向き合い方が素晴らしくて、ちゃんと成功の道を歩んでいるんじゃないかと見直させられた一コマです。

 能力があるか無いかではなく、自分のために何かしてくれるその態度、気持ちがうれしい。
 プレゼントの中身より、自分の事を考えてプレゼントしてくれたその行為自体が最高のプレゼントです。
 機械的に自動送信するメールより、手書きの手紙がうれしいのは、自分のために「書く時間を使ってくれた」こと、私の事を「思ってくれた」ことが伝わるから。

のび太君の利他の精神、優しさが身に付けられたら、人間関係のトラブルや悩みもぐんと減るのではないかと思います。

  まだまだ、のび太君から学べることはありますが、私自身が2025年に意識したいのは、「いつかは来ない。やるなら今」です。

 冒険しなかった事を後悔する前に、失敗や成功は二の次。とにかく、チャレンジ、行動することが何よりも魂に刻まれる経験になると信じて、臆病な自分を奮い立たせていきたいなと思います。


 
 のび太君、力を貸して!!
 
 
 ここまで読んでいただき、ありがとうございます
 皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです