100回、講演会に参加するより、1回の掃除の実践を~行動しないと変わらない。
講演会や勉強会とは少し違う形式でシンポジウムがあります。
特定のテーマに関して、何人かの登壇者がさまざまな角度から知見や意見を述べ、司会(コメンテーター)が、コメントし、それに対して再び登壇者が応答したり、議論したりする形式です。
聴衆の人は、そのやりとりを聞きながら、納得したり、共感したり、質問したりして学びを深めていくという感じです。特に聴衆の立場から言えば、テーマについてよく知らなかった場合は、いわゆる啓蒙的な効果はあるのだと思います。広く知ってもらい、その後の考えの足掛かりにしてもらう感じです。
ただ、講演会シンポジウムも、特に結論らしきものはなく、「いい話でした」「いろいろでした」で終わってしまうこともしばしばです。むしろその方が多いかもしれません。
実際、シンポジウムに登壇される先生の一人は、次のようなことを言っています。
私も登壇者として招かれることも多いのですが、ふと、これはいったい何なのだろう、と思ってしまうことがある。話して、議論して、それを聴いて、どこに、何につながるのあろう?・・・
もっと違った方法があるのではないか、と思ったりもする。ガチの対決とか、明確な行動のための具体的な戦略を練る、とか・・・。
「イイ話」とか、ガス抜きのような悪口とか、「引き続き検討が必要」とかはもううんざりだ、と地団駄を踏みたいような思いで生きている。
日本でも世界でも問題が山積していると言われます。
そして、その問題に関する紹介や話し合いがなされます。その一つがシンポジウムだったり、講演会だったりするのだと思います。
しかし、紹介した登壇者の方のように、話し合いだけで終わって、「こまったもんだ」「そういう考えもありますね」「がんばっていきましょう」という感じでお茶を濁しているだけでは、その場の気持ちよさや共感は得られても、具体的な問題解決にはつながりません。
やはり、行動、実践が大切です。
禅宗の開祖である達磨大師(ダルマさん)は
「昌道の人多けれど、行道の人少なし」
と言いました。立派なことを言う人は世の中にたくさんいます。でも、言葉ではいくらでもいいことは言えますが、行動や実践が無ければ、何も変わりません。
また、人の失敗や到らないところを批判する人もいます。でも、だいたいは、口だけで、代替案を示さないばかりか、手を差し伸べることもしません。
そして、自戒を込めて言うと、
怖いのは、批判や非難ばかりしていると、自分もできていないのに、自分はやれていると錯覚しやすい事です。
むしろ、自分は行動しないことを正当化するために(自分が変わることを避けるために)、批判する相手を探しているようなところがあります。
本を読むことも同じだと思います。
本を読むことで、たくさん知識やノウハウを得られます。
しかし、行動、実践しないと意味がありません。
元鎌倉円覚寺管長だった今北洪川さんは
「百萬典経、日下の灯」
と言っていました。「日下の灯」とは、太陽の下のろうそくの火、という意味です。
百万本のお経を読んでたくさん勉強しても、知っているだけでは何の役にも立ちません。
楽譜を読めてもピアノを弾くことはできません。
クロールの泳ぎ方を理論的に勉強しても、泳げるようにはなりません。
実際に、練習したり、実践したりしないとうまくなりません。
じゃあ、何をするといいのか・・・。
答えは人それぞれだとは思います。
私自身は、もちろん読書も好きですが、本を読んで終わりにはしなくなりました。
その一つがアウトプット。このNOTEなりに記事を書いて、まとめるという行動(実践)を始めました。
そして、もう一つが「掃除」。
はじめたころは、掃除をしたところで、また汚れるし、ものすごく汚れてから掃除をすればいいのでは、と言って、掃除の時間を別の事に使えば、時間の節約になるじゃん・・・とすら思っていました。
しかし、今は、その考えがいかに間違っていたか、身をもって理解しています。
掃除をすると自分自身の心がすっきりしますし、健康にもいいです。
また、その場がきれいになって環境も良くなります。そこにいる人たちにも良い影響があります。
実際、荒れた学校を立て直す時には「掃除を徹底する」ことがなされるそうです。
荒れた学校は必ずと言っていいほど、雑草が生え、ごみが散乱し、落書きがあり、掲示物などがはがれたり破れていたりするからです。
また、掃除を続けることで、業績が伸びたという会社もかなり多くあります。
倒産する会社のほとんどが、駐車場や会社の周りがゴミだらけで汚れているそうです。
物事はそう簡単に変わりません。
自分自身を見ればわかります。
よい習慣を身に付けるのにも、時間がかかります。
でも、だからと言って、何もしないで、あるいは文句や不平不満を言っていても改善されることはありません。
行動や実践を続けることで、時間はかかっても、良い方向へ変えていきたいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いで
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?