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読書紹介37 「沈黙のパレード」
あらすじ
容疑者は彼女を愛した普通の人々。
哀しき復讐者たちの渾身のトリックが、湯川、草薙、内海薫の前に立ちはだかる。
突然行方不明になった町の人気娘・佐織が、数年後に遺体となって発見された。
容疑者はかつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。
だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。
さらにその男が、堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を「憎悪と義憤」の空気が覆う。
かつて、佐織が町中を熱狂させた秋祭りの季節がやってきた。
パレード当日、復讐劇はいかにして遂げられたか。
殺害方法は?アリバイトリックは?
超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める。
感想
映画化もされた、大人気の「ガリレオ」シーリーズ。
その一作品です。
読み終わってから考えるとタイトルも意味深だなと思いました。
「沈黙」は、登場人物それぞれに共通する態度でした。
パレードは「完全犯罪」に欠かせない内容でした。
パレードと言うと、いろんな音楽や歌声、踊り?など、楽しく愉快、大きな音を連想しますが、事件に絡んで「沈黙」~静か、沈んだ顔という対比を感じました。
展開は「大どんでん返し」といっていいものでした。
内容から、けっこう、犯人らしき人が読んでいて推理できました。
そして、
やったー!あたっていた~と読み進めたら、まんまと騙されて、真犯人の存在を知り、衝撃を受けるといういつもの展開(笑)でした。
真犯人の動機を考えると、ちょっと悲しいとも思いました。
逆に、蓮見に対しては、復讐心にかられる登場人物たちと同じように、怒りを感じました。
今回の話の底流に、被害者遺族のやるせない思い、加害者の更生やその後の人生についてどう考えるのかと言うテーマがある気がしました。
今作後に書かれた「マスカレード・ゲーム」にも、この被害者遺族と加害者の更生についての葛藤や刑罰の意味への答えがひきつがれているように感じました。
著書情報
「沈黙のパレード」 東野圭吾
・発行所 文藝春秋社
・発行年月日 2018年10月11日
・値段 1044円 (税別)
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです