感謝と健康~神父、小林正観さん、安藤百福さんの話から
巷には、糖質制限やダイエット、様々な健康情報や体に良いとされる方法が紹介されています。
また、添加物や農薬、遺伝子組み換え食品、食物アレルギーなど、食べ物に関するネガティブな情報も多く出回っています。
ひとたび、気にし出したら、それこそ、何も食べられなくなってしまいます。
そして、
カロリーや栄養素ばかりのこだわり、「頭で食べる」感覚になると、肝心の美味しく、楽しくいただく食事ができなくなります。
たとえ、「体には悪い」とされているものでも、受け止め方や「美味しく」「楽しく」「有難く」いただく(食べる)ことの方が、大きく影響します。
そんなエピソードをいくつか紹介します。
よかったら、お付き合いください。
1 生き延びた神父さんの話
ある国で、幽閉された神父さんが、3カ月ほど「カビたパン」と「腐った水」だけで生き抜いたそうです。
しかも牢獄から出された時には肌艶も良く、肉体的にも健康でした。
普通であれば、おなかを下すだけでなく、病気になって、死をもイメージするような状況です。
でも、健康だったので、周りの人が「おかしい、いったい何をしたんだ?」と問うと、神父さんは
「悪いイメージを持たず、神に感謝し、祝福して美味しくいただいただけだ」
と答えたといいます。
この話には、2つの意味がある気がしました。
一つは、祈りの力。二つ目が、体の力です。
科学的に証明されているのかはわかりませんし、100人が100人とも、全員に同じようなことが起こるとは限らないとは思います。しかし、「祈る」ことには、予想以上の力があります。今回の神父さんは、「神への感謝」「イメージ力」によって、体にとっては、カビや腐っているなど悪いものでも、普通の、いやそれ以上の食べ物にしたともいえます。
また、感謝して食べたということで、「ゆっくり味わって」食べたことが予想されます。
味わって、よく噛んで食べると、唾液が良く出ます。食べ物と混ざります。
唾液には殺菌能力があります。きっと、よく噛んで味わうことで、カビや雑菌を減らしたのではないかとも考えられます。
実際、昔の人は「含み飲み」をしたと言います。今のように浄水場で水が消毒されていなかったころ、それこそ、川や山の中の湧き水を飲む時は、一度、口によく含んで、唾液と混ぜてから呑み込んだそうです。
やはり、唾液による殺菌と、口に含む間に冷たい水が温められ、常温に近い状態で体の中におく込むことで、おなかを冷やさないためだったようです。
神父さんや昔の人の話から、私たちの体には、自分が思っている以上の力があることが分かります。
2 小林正観さんの食事法
生前、小林正観さんは、健康のために努力をしたことはなく、玄米食を食べたことはないし、健康食品にもこだわっていなかったそうです。それでも、ずっと大病をすることもなく、健康に暮らしていました。
その秘訣として? 次のようなことを言っています。
私は、今までの間、ずっと感謝をして食べてきたので、体の中に入るものが、毒に回らないようです。
体を壊しがちな人は、食べ物に論評・評価を与えがちです。
「これは防腐剤なのよね」「これが体に悪いのよね」「あれが悪い」「これが悪い」と言い聞かせられた食べ物は。体に入ってから毒に変わっていきます。声をかけられたことで、言われた通り「この人の体の中に入ってから、毒でなければならない」と思うようです。
「否定」の反対にある状態は「感謝」です。ありとあらゆるものに「ありがとう」「私の体の一部になってくれてありがとう」と言いながら感謝をしていると、全部身に付き、体の中で、味方になってくれるようです。
何となく、さきほどの神父さんの話に通じるなと思いました。
「食べ物」の立場になって考えてみれば、せっかく生まれて来たのだから、「~が悪い」「~でもいけない」と(自分たちを)否定ばかりする人より、喜んで(食べて)くれる人の体の一部になって生きていきたいと思うのではないでしょうか。
喜んで食べる一つの表現が、味わうことでしょうし、命を「いただきます」と感謝することなのでしょうね。
3 ラーメンを毎日食べた安藤百福(あんどうももふく)さん
2007年に亡くなった安藤百福さんは、日清食品の創業者です。
自宅裏庭に立てた小屋で、ありふれた道具を使って研究し、世界で初めてのインスタントラーメンを発明したことで有名です。「チキンラーメン」「カップヌードル」の生みの親です。
そんな安藤さんの毎日の昼食(主食)は、チキンラーメンと会社の食堂で作られているその日のおかずだったそうです。「みんな満足しているかな、ちゃんとおいしい味になっているかな」と点検していました。
毎日のラーメンで飽きないのかなと思いもしますが、安藤さん自身が、無類のラーメン好き。本当に麺類が好きで好きで、仕事ではなく、家にいる時も、お手伝いさんにチキンラーメンを作ってもらっていたそうです。
もちろん、ラーメンが好きであっても毎食ではなく、朝や夕食などは豊富な野菜を食べたり、夕食は「一菜主義」で肉でも魚でも、一種類だけを少量食べる習慣でした。
長寿の秘訣を聞かれた安藤さんは、こう答えています。
何を食べたって構わないけれど、決して食べすぎない、一つ減らすこと。
一歩外に出てよく身体を動かすこと。
ストレスを過度に受けてはいけないけれど、逆に周りにある程度必要とされている存在でいることも心がけたい。
栄養がどう、添加物がどうと下手にこだわって、考えすぎてストレスになるより、とにかく、何でもおいしく食べる。そして、「人から必要とされる」ことで、張りのある人生が、健康にもいいみたいです。
健康で長寿の人には、似た傾向、心がけ、習慣があるようですね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです